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見切り発車でEV購入も「毎週末は充電スポット巡り…」築15年マンション在住、50代男性を襲った“想定外の事態”

  • 2026.5.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。環境への配慮や補助金制度をきっかけに、電気自動車への乗り換えを検討した経験はお持ちではないでしょうか。

今回はマンションにお住まいの方が、自宅の充電設備が整う前に電気自動車を購入してしまい、想定外の苦労を強いられたエピソードを紹介します。

補助金の期限に焦り電気自動車を先行購入

築15年で180戸のマンションに暮らす50代の自営業男性・Aさんは、国や自治体の補助金制度を利用して国産の電気自動車の購入を検討していました。しかし自宅のマンションには、充電設備がありません。

そこでAさんは購入の検討段階で、管理組合へ「マンションに充電設備を設置できないか」と相談しました。理事会も前向きに検討を始めましたが、マンション全体に関わる問題のため結論が出るまでには相当な時間がかかります。

一方のAさんは、申請予定だった補助金の期限が迫っていたため「いずれ設備は導入されるはずだ」と見切り発車で電気自動車を購入してしまったのです。

居住者アンケートで直面した合意形成の壁

納車後、Aさんは自宅で充電できず、週末になるたび近隣のショッピングセンターや自動車販売店の急速充電器へ通う生活が始まりました。そんな中、理事会が充電設備の導入に向けて事前の居住者アンケートを実施します。

すると「電気自動車に乗る一部の人のために共用部へ手を入れるのは不公平だ」「将来的に電気自動車が増えたらマンション全体の電気容量がパンクするのでは」といった反対意見が多数寄せられたのです。

結果として理事会は「現時点での合意形成は難しい」と判断し、総会への議案上程を見送ってしまいました。Aさんの毎週末の充電スポット巡りは、その後も1年ほど続くことになります。

初期費用ゼロの民間サービスで全体のインフラへ

先の見えない充電スポット通いにAさんが疲弊していた頃、管理会社の担当者から一つの提案を受けます。「初期費用や月額基本料がゼロで導入できて、電気代は利用者がアプリで個別決済する民間の充電サービスがありますよ」という内容でした。

経済産業省のインフラ導入促進補助金を民間事業者が活用する仕組みであり、管理組合の費用負担は発生しない設計です。さらに、共用部の容量設計も事業者側で行うため、将来の需要増加にも対応できると判明します。

この新たな提案をもとに居住者説明会を実施した結果、翌年の通常総会にて賛成多数で充電設備の導入が可決されました。既存のマンションにおける充電器の設置は、全体のインフラ導入として進めると合意を得やすい傾向にあります。

電気自動車の購入を検討する際は、納車前に管理組合へ充電設備の設置方針を確認しましょう。未整備の場合は、近隣の充電スポットの稼働状況や距離を事前に把握し、自宅以外で充電する生活が現実的か見極めることが大切です。

参考:クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金(経済産業省)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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