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グルテンフリーは本当に体にいい? 専門家が解説

  • 2026.2.23
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※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。>>『Prevention』のオリジナル記事はこちら

セリアック病(グルテンを摂取すると免疫系による小腸への攻撃が引き起こされる自己免疫疾患)を患う人はグルテンを避ける必要があるけれど、ここ何年かでパンやグルテンを含むそのほかの食品を食べないことが一種の流行になってきている。しかし、セリアック病でない場合、グルテンフリーの食事は本当に健康的、あるいは体にいいものなの?

人々は長い間、特定の食品グループや栄養素(たとえば高たんぱく質やペスカタリアンなど)を重点的に摂取したり、特定の食品(肉、乳製品、グルテンなど)を排除したりすることで、より健康的な食事を心掛けてきた。けれど、こうした食事内容の調整は体にどれくらいのメリットをもたらすのだろう?

「グルテンは、すべての種類の小麦、大麦、ライ麦、およびこれらの穀物と一緒に加工された可能性のあるオーツ麦に含まれる主要なたんぱく質です」と話すのは、「レイディバグ・ニュートリション」のがん予防専門登録栄養士であるジェイミー・バハムさん。「ピザやパスタのような食べ物で楽しまれるモチモチの食感はグルテンによるもので、料理に弾力や風味、水分保持力を与えます。グルテンフリーとは、これらの穀物またはこれらの穀物由来の成分を食事から排除することを指します」

今回は、グルテンフリーの食事が必要な人々にくわえ、グルテン食品も含めたバランスのいい食事とグルテンフリーの食事が健康、栄養面でどのように異なるのか、栄養士が説明してくれた。

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グルテンフリー食を必要とするのは誰か?

特定の健康状態では、グルテンフリーの食事を実践する必要性が生じる。なかでも最大の病気はセリアック病だ。「セリアック病患者がグルテンを摂取すると腸管が損傷し、下痢、膨満感、ガス溜まり、そして微量栄養素の欠乏症などの症状を引き起こします」と説明するバハムさん。国立医学図書館によると、セリアック病の唯一の治療方法は、グルテンフリーの食事を生涯にわたって続けることで、これによりセリアック病の症状やそのほかの健康問題の予防が可能になるという。

セリアック病以外にも、小麦アレルギーや非セリアック性グルテン過敏症の人もグルテンを避ける必要があります、と話すのは、登録栄養士でロマ・リンダ大学栄養科学博士課程の生徒であるサプナ・ペルベンバさん。8大食物アレルゲンの一つとされる小麦だけど、小麦アレルギーは比較的珍しい。「フード・アレルギー・リサーチ&エデュケーション」によると、甲殻類アレルギーの人は小麦アレルギーの4倍、そして牛乳またはピーナッツアレルギーは3倍に上るという。そのうえ、オクラホマ州立大学の調査では、小麦アレルギーの子供の約3分の2は成長とともに治り、成人でアレルギーが持続するのはわずか1%だそう。また、小麦を摂取すると消化器系の症状が現れるのに、セリアック病や小麦アレルギーの検査で陽性反応を示さない非セリアック型グルテン過敏症は、第三のカテゴリーである。

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グルテンフリーの食事はより健康的?

「グルテンフリーの食事を守る必要がない場合、食事からグルテンを排除してもより健康的というわけではありません」と話すバハムさん。その理由は、小麦に含まれる必須栄養素を十分に摂取できなくなるリスクがあるため。「不必要なグルテン排除は害のほうが大きいでしょう」とペルベンバさんは語る。「小麦ベースの食品は食物繊維、ビタミンB群、鉄分、マグネシウムを体に供給します。適切な食品を代わりに摂取しないと、これらの栄養素が不足しやすくなります」。さらに彼女は、アレルギーや自己免疫疾患といった医学的理由なしで食品グループ全体を排除することは、一般的に健康メリットよりも体に害となる可能性が高いでしょう、と付け加えている。

これらにくわえて、アメリカで入手できるグルテンフリー食品は、グルテンを含む食品よりも実際には健康面で劣る可能性があるという。『プラント・フーズ・フォー・ヒューマン・ニュートリション』に掲載された研究では、グルテンフリーの食品は平均的に見て、同等のグルテン含有食品よりもたんぱく質が大幅に少なく、糖分とカロリーが多く、価格も高くなる傾向にあることが分かった。さらに研究では、セリアック病患者の症状緩和以外のグルテンフリーの有益性は見つかっていない。たとえば『クリニカル・セラピューティクス』のレビューでは、セリアック病患者と非患者のグルテンフリー食に関する計27件の研究を分析したところ、いずれの研究でも体重、ウエスト周囲径、体脂肪率に有意な影響は見つからなかったという。

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グルテンフリーにメリットはあるの?

グルテンフリーの食事にこれほど多くの欠点があるかもしれないなら、ここ数年でこんなに人気が出たのはどうして? 個人的な体験でグルテンフリーにして体の健康状態が改善されたと感じる人もいますが、その理由は彼らが考えているものとは異なる可能性があります、と話すペルベンバさん。「人々がグルテンフリーにして感じるメリットは、グルテンそのものの除去とは関係がない場合が多いです」と彼女は説明する。「むしろその効果は、ポテトチップスや焼き菓子、甘いシリアルなど、グルテンを含む超加工食品を減らすことからきているでしょう。精製された炭水化物や添加物を減らすことで、一部の人々は体調が良くなったり、心代謝の健康が改善されたりする可能性があります」

ただし、これらの健康効果は、加工食品の代わりに、同程度に加工されたグルテンフリー食品ではなく、グルテンフリーの自然食品を食べる場合にのみ感じられるもの。「果物や野菜、肉、鶏肉、魚介類、乳製品、豆類、無調味のナッツやシードはすべてバランスの取れた天然のグルテンフリー食品です」と話すバハムさん。これらの食品を中心とした食事をとれば、何らかの効果を感じられるかもしれないけれど、その効果は摂取していないものではなく、摂取しているもののおかげである可能性が高い。

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まとめ

医学的な理由がない限り、グルテンフリーにする必要はおそらくなさそう。「重要な栄養素を摂取し損ねたり、味覚的にも栄養的にも不十分な、持続できない食べ方になる可能性があります」と話すバハムさん。代わりに専門家が推奨するのは、加工食品を制限しつつ、果物、野菜、低脂肪のたんぱく質、豆類、全粒穀物(グルテンを含んでいるものも)が豊富な、できるだけバランスのいい食事を心掛けること。これは、食品グループ全体の排除よりも簡単なうえ、満足感が高く、より健康的な選択になる可能性が高いでしょう、と専門家は話している。

translation : Yumi Kawamura photo : Getty Images

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