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【ネタバレあり解説】『ウィキッド 永遠の約束』賛否の「否」の方、これ読んでもう一度観て!

  • 2026.3.13

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、ネタバレ上等な私見&本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」 『ウィキッド 永遠の約束』

story 親友同士だったエルファバ(C・エリヴォ)とグリンダ(A・グランデ)は、エメラルドシティの事件をきっかけに別々の道へ。民衆の敵となったエルファバはオズの魔法使い(J・ゴールドブラム)の正体を暴くために奔走。一方、グリンダの結婚式の準備をするさなか、別の世界から少女が召喚され……。
監督:ジョン・M・チュウ/出演:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョナサン・ベイリー、イーサン・スレイター、ボーウェン・ヤン、ミシェル・ヨー、ジェフ・ゴールドブラム ほか/配給:東宝東和/公開:現在、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中
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賛否の「否」の方、これ読んでもう一度観て

1年のお待っとさんでした! 『ウィキッド』の後編、『〜永遠の約束』がようやく公開されたので、あたすもおかわり。前作で初めてこの物語を知った方からは不満噴出、オスカーからも完スルーされ、ファンとしてはほんっと不本意なのよね。だって、これ、マジでオリジナル舞台ほぼそのままなのよ。今回はネタバレも含めて、両手を上げて大絶賛だった前作と違うリアクションなのかを紐解きましょうかね。そうすることで、後編、ひいてはこの物語全体の良さが分かるってもんですんで。
 

「西の魔女が〜!」って民衆大喜びのとき、グリンダ、笑ってませんよね?

まずですが、エルファバが一般的な幸せを掴めないことに不満をお抱えの方、多いようですが……お気持ちは重々承知しております! 前作が超アゲアゲ古式ゆかしい王道ミュージカルで、おまけにラストはウィキッドの代名詞とも言える爆アゲソング「Defying Gravity」で締めくくりだもん。そりゃ大団円のハッピーエンド期待しちゃいますよね。ですがね、えっと、前作の冒頭で「西の魔女が死んだ!」っていってるの、覚えてらっしゃいます? そもそもなんですけど、民衆の敵・西の魔女=エルファバがなんらかのことで滅ぼされ、オズの国は善い魔女とされるグリンダが統治してめでたしめでたし、から始まり、エルファバとじつは仲良しだったという噂を聞いた民衆からの声を受けたグリンダが昔のことを回想しているのがこの物語の大前提。もっというと、今回の後編で突如出てくる「竜巻に乗ってやってきた少女」ことドロシーが主人公の『オズの魔法使い』につながる前日譚なわけですね。さー、ここで『オズの魔法使い』の話だよ!
 

1900年に出版された児童文学を1939年に映画化した『オズの魔法使』をざっくり。カッコ内は今作で明かされる設定だお。ボッチ少女のドロシーが竜巻に乗ってオズの国へ。んで、そんときにマンチキンを統治してた魔女(エルファバの妹のネッサローズ)を下敷きにしちゃう。マンチキン大喜びの中、善い魔女が現れドロシーに「帰りたいならオズに聞けばいいんじゃね?」と提案するの。で、ドロシーはオズのいるエメラルドシティへの道中、ブリキ男(ネッサローズ彼ピのマンチキン・ボック)、カカシ男(グリンダとエルファバと三角関係の原因になるイケメン、フィエロ)、臆病ライオン(フィエロとエルファバが救った子ライオン)と出会い、お供にしてオズの城へ。「西の悪い魔女(エルファバ)を倒せば全員の願いを叶えてしんぜよう!」と提案されるのね。いろいろあってドロシーは西の魔女に水をぶっかけて倒したはいいけど、オズの魔法使いはドロシーと同じくたまたま迷い込んだ詐欺師のおっさんだということが判明。で、南の善い魔女(グリンダ)に相談しにいって、もろもろあってドロシーは元の世界へ帰還。めでたしめでたし(超ざっくり)。
 

うそつきおっさん、オズ。こいつがドロシーより先にいたことが元凶。

はい、これで分かりました? これを知らないで観てしまうと「なんでエルフィは幸せになれないの……クスン」となったり「え、なんすか、この人間の少女。マジ邪魔なんすけど」ってなるお気持ち分かりますのよ。『オズの魔法使い』という原作、ボッチ少女が旅の仲間と一緒に別世界を救って成長して元の世界に戻る、っていうスタジオジブリっぽいジュブナイルなのね。それで育った人達が納得するバックストーリーとして生まれたのが『ウィキッド』。オズの国にガチもん魔法使いが爆誕したことで、その世界の人達がどうしたかっていう物語というわけです。だから、『ウィキッド』の後半部がダークになることは既定路線。もっというと、劇団四季の舞台版をお好きな方には「うっふん、まんまで最高!(映画版オリジナル曲の良し悪しは人によるけど)」となるので、賛否の温度差が赤道直下と南極みたいなことになってしまうんですねー。
 
 
あ、超長くなってしまった。ともあれ、めちゃいい人で正義の味方なのに、アウトサイダーゆえに策略と情報操作によって悪者に仕立て上げるポピュリズムの恐怖と、それによって引き裂かれる友情が『ウィキッド』の大テーマ。これを踏まえてご覧いただいて、『〜永遠の約束』の素晴らしさと恐ろしさに気づいてほしいの〜。あ、来週から新作の都合でどんどこIMAXなどのラージフォーマット上映が減るので、IMAX激推ししておきます。あたしもおかわり行ってきま〜す!

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