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87歳の現役漫画家!ちばてつやさんの朝ご飯前のルーティンとは?【対談 和田秀樹さん×ちばてつやさん】

  • 2026.2.15

87歳の現役漫画家!ちばてつやさんの朝ご飯前のルーティンとは?【対談 和田秀樹さん×ちばてつやさん】

80歳、90歳を超えても、現役でいきいきと輝き続ける人たちがいます。その元気の秘密とは? 高齢者医療のプロ・和田秀樹さんが人生のレジェンドたちと語り合いながらそのヒントを探る、新刊『80歳の壁を超えた人たち』(幻冬舎刊)が話題です。その中から一部抜粋してお届けする第4回は、漫画家 ちばてつやさんです。

和田秀樹さんの対談のお相手は

ちばてつやさん 漫画家
1939年東京都生まれ、満州育ち。87歳(2026年1月時点)。1956年にデビュー。2024年に菊池寛賞受賞、同年文化勲章を受章。主な作品に『ハリスの旋風』『おれは鉄兵』『あした天気になあれ』(すべてコルク)、『あしたのジョー』(講談社)など。現在も「ビッグコミック」(小学館)にて『ひねもすのたり日記』を連載中。

まじめゆえの孤独。運動でスッキリ解放

和田 今日はちば先生の仕事場にお邪魔しましたが感激です。僕は『あしたのジョー』はもちろんですが『ハリスの旋風』も愛読していました。ここで描かれてたんですか?

ちば はい。かつては弟子やアシスタントが10人ほどいました。それと練馬のこのあたりはね、手塚治虫さん、馬場のぼるさん、松本零士さんとかね、たくさんいたんですよ。漫画を描くのは孤独な作業だから。締め切りに追われて苦しんでる仲間が近くにいると少しホッとするんですよ。そんなわけでなんとなく集まってきたのかもしれませんね。

和田 部屋の壁には大きなジョーの絵が描かれています。フィギュアもいっぱい。夢のようです。漫画のキャラクターはご自身でお作りになるんですか?

ちば だいたいそうですね。原作者がいる場合は、いろいろお話をして「こんなタイプはどう?」なんて描いて見せて「もうちょっと年上がいいかな」とかね。そういう相談をすることもありますが、だいたい漫画家に任せられますね。

和田 漫画家はストーリーから絵まで全部をひとりで作る。全部できちゃうだけに、わりと完璧主義の人が多い気がします。

ちば 漫画家っていうのはまじめでね、人に任せられない人が多いんですよ。私も背景とか描きやすいものは誰かに任せて、肝心なところだけ描けばいいんだけど。どうしても背景の木の一本一本まで自分でやらないと気が済まない。

和田 まじめゆえに、自分を痛めつけちゃう人もいるのかもしれませんね。そんななかでちば先生はずっとお元気で、今も『ビッグコミック』で連載を続けています。今日はその元気と長寿の秘密を教えていただこうと思います。

ちば 長寿なんですか、私は?

和田 86歳ですからね(笑)。でも、とても姿勢がいいですね。

ちば そうなのかなあ。実はね、漫画家になったばかりの若い頃に、無茶苦茶やって身体を壊したんです。いろいろと精神的な病気もしちゃいましてね。

和田 無理をされたんですね。

ちば そうなんです。ところがね、ある時ちょっと野球ものを描くんで仕方なくキャッチボールをしたら、途端に元気になったんですよ。それで私の病気の原因は、運動不足だとわかった。もうそれからですよ。「漫画家やるんなら運動しなくちゃダメだ」と仲間のみんなに言い回ってね。野球チームを作ったんです。漫画家やイラストレーターさん、編集者さんたちが、あっちでもこっちでもチームを作って、16チームぐらいできたことがあります。

和田 すごい! 野球だけじゃなくいろんなスポーツの漫画を描かれてますよね。思いつくだけでもボクシング、剣道、テニス、ゴルフ、あらゆるスポーツが出てきます。

ちば 運動は得意じゃないけど、仕事を続けるなら運動しなくちゃダメだと思ってね。それがよかったのかもしれないですね。

毎日身体を動かす。お腹がすくからたくさん食べられる

和田 今はどのぐらい運動を?

ちば できるだけ毎日ね。近くにテニスコートがあるんですよ。それから野球場もグラウンドもあるし。私は自転車で、家内は歩いてテニスコートに向かいます。

和田 奥様とテニスをなさる。素晴らしいですね。

ちば ええ。30分から1時間ぐらい。年齢的に同じぐらいの相手を見つけてね。半分はおしゃべりですよ。コートチェンジする時に、ベンチに座っておしゃべりして。

和田 テニスの後に朝食を?

ちば そうですね。

和田 とてもいいと思います。朝ご飯は、たくさん食べたほうがいいので、お腹をすかしてからのほうがいいんですよ。

ちば そうですか。自然にそうなっちゃったんですけどね。起きたばかりだと、ご飯を出されてもあんまり食べられないから、その前にちょっと運動するようになってね。

和田 ちば先生の年齢では、しっかり食べて栄養を摂ることが大事なので、とてもいいと思います。

ちば 弟子やアシスタントがいっぱいいた頃は、一日に5食ぐらい食べてましたね。5食というか6時間おきに。ずっと、夜中でも仕事してますから。

和田 本当に過酷な仕事です。

ちば 誰かが起きてるんでね、交代でご飯を作ってました。

和田 今はどのタイミングで漫画を描くんですか?

ちば ご飯を食べて、ちょっとお茶を飲んで、それからゆっくり仕事を始めます。午後からですね、午後から眠くなるまで。

和田 え、眠くなるまで? やはりエネルギーがすごい(笑)。ちば先生の絵には、そのエネルギーというか、生気が溢れ出ていますよね。

ちば そうですか、嬉しいね。

和田 紙の上に描かれたものなのに、生気が出てくる。実在するというかね。こっちに来てしゃべりかけてくれそうな感じが、ちば先生の漫画にはあるんですよ。僕にはそれがすごい不思議なんです。今日は長寿の秘訣とともに、そんな話も伺えたらと思います。

撮影:鈴木規仁
対談日:2025年3月18日

この記事は『80歳の壁を超えた人たち』和田秀樹著(幻冬舎刊)の内容を、ウェブ記事用に再編集したものです。

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