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『地震に強い家』『弱い家』には“決定的な違い”があった。一級建築士が明かす、生存率を左右する「重要なポイント」とは

  • 2026.2.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「理想のマイホーム」を探すとき、デザインや間取り、立地条件はもちろん大切です。しかし、私たちが日本に住む以上、絶対に忘れてはならないのが「地震への強さ」。もしもの時、家族の命を守れる家を選ぶには、一体どこを見れば良いのでしょうか?

「耐震等級って聞くけど、それだけで安心?」「内覧でどこまで見抜けるの?」

そんな疑問を抱く方も多いはず。今回は、一級建築士のyukiasobiさんに、一般の方が内覧時や家選びで実践できる「地震に強い家」の見分け方をうかがいました。専門家の視点から語られる意外なチェックポイントを知れば、あなたも自信を持って家選びができるようになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

見た目と地盤でわかる「家の耐震性」の第一歩

---地震に強い家とそうでない家、見た目のわかりやすい違いは何ですか? また、家そのものだけでなく、周囲の環境でわかることはありますか?

yukiasobiさん:

「最もわかりやすい違いは建物の『形』です。

地震に強い家は、上から見たときに正方形や長方形に近い『シンプルな箱型』をしています。逆に、凸凹(デコボコ)が多い複雑な形の家や、1階よりも2階が大きくせり出しているような家は、揺れが複雑に伝わりやすく、接合部に大きな負担がかかります。

また、意外に見落とされるのが『地盤の連続性』です。

建物そのものが頑丈でも、家の周りのコンクリート(犬走り)や境界のブロック塀に不自然なひび割れや段差がある場合、地盤そのものが緩んでいる可能性があります。『家の中』を見る前に、『地面』と『ご近所の壁』を見てください。

周囲の古い塀がまっすぐ立っているかを確認するだけで、その土地の『揺れにくさ』を推測する有力な手がかりになります。」

間取りや建材選びで変わる「家のねじれやすさ」

---建材の選び方や間取りは、地震の揺れやすさに影響しますか? デザイン性を重視した結果、耐震性が損なわれるケースもあるのでしょうか?

yukiasobiさん:

「はい、非常に大きく影響します。特に注意すべきは『建物の重さ』と『床の固さ』です。

①重すぎる外壁・屋根

最近は重厚感のあるタイル貼りの外壁が人気ですが、建物の上部が重くなると、地震の揺れ(遠心力)は増大します。構造計算が甘いまま『見た目の高級感』で重い素材を使っている家は、頭でっかちで揺れやすいリスクを抱えています。

②『吹き抜け』による弱体化

開放感のある吹き抜けは魅力的ですが、建築士から見ると『床(水平構面)』に大きな穴が開いている状態です。地震の際、家がねじれるのを防ぐのは『床の踏ん張り』ですので、大きな吹き抜けがある場合は、その分、壁や梁が適切に補強されているかが鍵となります。

③造り付け収納の有無

実は、地震時に最も多い怪我は『家具の転倒』です。最初から壁に埋め込まれた『備え付け収納』が多い家は、後から大きな家具を置く必要がないため、室内での生存率が劇的に高まります。」

内覧時にプロが注目する「決定的なサイン」

---内覧時に、専門知識がない一般の人でもできる、最も効果的なチェックポイントは何でしょうか?

yukiasobiさん:

「内覧時に誰でもできる、最も効果的なチェックポイントは『建物の四隅(コーナー)』を見ることです。

①角に窓がないか

家の四隅は、建物を支える『通し柱』や強力な『耐力壁』がくるべき最も重要な場所です。このコーナーが全面窓になっている家は、オシャレですが構造的には非常に弱くなります。『家の角にはしっかりとした壁があるか』。これを確認するだけで、その家の安定感がわかります。

②建具(ドア)の『動き』と『隙間』

すべてのドアや引き戸を一度開け閉めしてみてください。新築や築浅なのに、どこか特定の場所で『引っかかる』感覚があったり、閉めたときに上下で隙間が違ったりする場合、建物がすでに微妙に傾いている(不同沈下している)可能性があります。

『地名』も意外なヒントです。名前に『水・池・沼・柳』など水に関連する漢字が入っている場所は、かつての地盤の状態を示していることがあります。内覧の際は、物件だけでなく『土地の記憶』にも少しだけ目を向けてみてください。」

「もしも」の安心を手に入れるための賢い家選び

今回、一級建築士のyukiasobiさんから、地震に強い家を見極めるための貴重なポイントを教えていただきました。デザインや間取りといった目に見える魅力だけでなく、「シンプルな箱型」の形状や「地盤の状態」、「建物の重さ」や「吹き抜けの有無」、そして「四隅の壁」といった、構造上の強さに関わる細部まで意識することが、家族の命を守る家選びに繋がります。

特に、内覧時に「ドアの開閉」や「地名」に注目するといった、今日からでも実践できるヒントは、私たち一般の消費者にとって大きなメリットとなるでしょう。見た目の印象だけでなく、物件の「強さ」と「記憶」にも目を向けることで、未来の安心を手に入れる賢い家選びを始めてみませんか。


監修者:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)

地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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