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新築パーティーで「言わなければよかった」と後悔…2030年に資産価値が下がるかもしれない“ZEH基準未満の家”

  • 2026.2.12
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「せっかく家を建てるなら、長く安心して暮らしたい」多くの方が、そう思いながら「後悔しない家づくり」を目指されます。

ところが、建てた当時は問題がなかった家でも、条件によっては、数年のうちに評価が大きく下がる可能性があることは見過ごされがちです。

この記事では、これから家を建てる方にぜひ知っておいてほしい「省エネ基準」と「既存不適格(きそんふてきかく)」についてお話をします。

今は大丈夫でも、数年後に評価が下がるかもしれない理由

これから建てる家は、気をつけないと数年で資産価値が下がってしまう可能性があります。

その大きな理由のひとつが、家が将来「既存不適格」と呼ばれる状態になることです。

既存不適格とは?今は問題なくても起こりうること

「既存不適格」とは、建てた当時の法律には適合していたのに、法改正などにより最新の法律には合致していない状態を指します。

「違法建築物」ではありませんので、もちろん住めなくなるわけではありません。ただ、売却の場面では――

  • 買い手がつきにくくなる
  • 評価が下がりやすくなる

といった不利が、条件によっては生じる場合があります。

「売るつもりはないから大丈夫」と思われる方もいるかもしれません。ただし、その場合でも注意が必要です。

じつは、大規模なリフォームを実施する際に、内容によっては確認申請(行政による建築ルールの適合チェック)が必要になり、最新の法律に合致させる工事を求められる場合があります。

参考:既存不適格建築物について(国土交通省)

今建てる家が数年後に「既存不適格」になるかもしれない

じつは、住宅の断熱性能などを定めた「省エネ基準」が、2030年に「ZEH基準」と呼ばれる水準に引き上げられる予定です。

つまり、これから建てる家がZEH基準の条件を満たす性能でない場合、将来的に「既存不適格」として見られてしまう可能性がある――ということです。

参考:家選びの基準が変わります(国土交通省)

もちろん、すべての家が必ずZEH基準にしなければならないわけではありません。

大切なのは、こうしたリスクを理解しておくこと。そして、理解したうえで自分の価値観に合った住宅性能を選ぶことです。

次は、私の身近で実際に起こったエピソードをご紹介します。

おしゃれなインテリアを優先した結果…

今からご紹介するのは、新築する家のインテリアにこだわるため、断熱性能を後回しにしたコーディネーター仲間の話です。

真冬に開かれた新居のお披露目パーティーに招かれ、家を訪れたときのこと。室内は想像どおり、とてもおしゃれで、内装材の選び方や造作家具が見事でした。

ただ、なんとなく寒い。違和感を覚えて「断熱の仕様は?」と聞いてみると、「インテリアに予算を割くため、断熱は必要最低限に抑えた」と言うのです。

そこで私たちが2030年の省エネ基準改正や「既存不適格」の話を伝えると――理想の家を建てた自信と、将来的な不安の入り交じった、少し複雑な表情をされたのが印象的でした。

結果的にせっかくの新築に水を差してしまったようで、伝えた側としても「言わなければよかった…」と、苦い体験になりました。

問題は、性能そのものより「知らずに選んだ」こと

このエピソードでいちばんの問題は、業界にいる人でさえ、数年後に「既存不適格」になる可能性を考慮していなかった点にあります。

法改正で省エネ基準が引き上げられること自体は、理解していました。しかし、それによって既存不適格となり、売却やリフォームで不利になる可能性までは考えが及んでいなかったのです。

もちろん「2030年基準」未満で建てることがダメということではありません。価値観は人それぞれですので、断熱よりインテリアを優先するのもいいでしょう。

重要なのは、そのリスクを理解したうえで、「あえて未来の基準を採用しない」と判断したかどうかです。知らずに選んでしまうと、後悔につながりやすくなります。

逆に、きちんと理解していれば対策を打てます。あとで気づくのではなく、選ぶ前に知っておくことが安心につながるのではないでしょうか。

後悔しない家づくりのために、大切にしたい視点

家づくりに限らず、何かを選ぶときは、メリットだけでなくリスクも知ったうえで判断することがとても大切だと思います。

とくに新築は、やり直しが簡単にできるものではありません。一度建てたら長く付き合っていかなければならないからこそ、慎重に進めたいところです。

とはいえ、専門的な制度や将来のリスクまで、一般の方がすべて調べて洗い出すのは現実的にはなかなか難しいでしょう。

だからこそ、家づくりでは「信頼できる伴走者」を見つけられるかどうかが重要になります。

良いことだけでなく、リスクやデメリットもきちんと伝えてくれる――そんな建築会社と一緒に、家づくりを進めてほしいと思います。


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、ライターとして独立。年間200組以上の家づくり相談に携わった実務経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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