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たった1日の違いで…300万車で最大9万円も損する?意外と知られていない“3月末廃止”される税金

  • 2026.2.12

 

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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

クルマの維持費の中でも不透明に感じられる存在、それは税金ではないでしょうか。ご存じの方も多いかもしれませんが、自動車税や重量税は、走行距離ではなく「カレンダー」で課金される仕組みになっています。

本記事では、購入月で損得が出る「4月1日の壁」や、車検ごとの「重量税」、そして2026年3月末での廃止方針が出ている環境性能割などの最新動向を整理。本体価格の安さだけに目を奪われず、納車後の出費を見通すための知識をお届けします。

維持費の高さにため息…

「維持費が高い」

クルマを所有する誰もが、ふとした瞬間にそう感じることがあるはずです。給油のたびにかさむガソリン代や、毎月決まって出ていく駐車場代。これらも決して小さくない出費であり、給油機のメーターが上がっていく様子を見て、ため息が出ることもあるでしょう。

しかし、これらはまだ「日常の出費」として意識できる分、心の準備もしやすいものです。一方で、なぜか手元のお金が想定よりも減っていく感覚に陥る。その正体。それは、複雑に入り組んだ「税金」にあるのかもしれません。

たとえばガソリン代なら「走った分だけ」という実感がありますが、クルマの税金における多くの部分は、走っても走らなくても請求が来る「カレンダー課金」のような性質を持っています。いつ、どのような名目で、いくら支払う必要があるのか。このリズムを把握していないと、ある日届いた請求書を見て青ざめることになりかねません。

しかも現在は、2026年の税制改正を目前に控えた、まさに変化のときでもあります。これまでの常識だけで判断すると、思わぬ損をしてしまうかもしれません。そこで本記事では、複雑な税金の仕組みを「支払うタイミング」という時間軸で整理し直してみましょう。これを知っておくだけで、愛車にかかるコストの全体像が驚くほどクリアになるはずです。

【購入時】見積書の「諸費用」に隠れた最初の関門

クルマを購入する際、まず目にするのが見積書です。車両本体価格の下に並ぶ「諸費用」の項目を見て、少し頭を抱えた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

この諸費用は大きく分けて、販売店に支払う手数料と、国や自治体に納める「法定費用(税金)」の2つで構成されています。手数料はお店によって異なりますが、法定費用はどこで購入しても変わらない、いわば値引きのできない固定コストといえます。

この購入時の税金の中で、近年話題に上がることが多いのが「環境性能割」です。かつての自動車取得税に代わって導入されたもので、燃費性能が良いクルマほど税率が下がり、逆に燃費基準を達成していないクルマには高い税率が課される仕組みになっています。金額としては「取得価額の0〜3%」。たとえば300万円のクルマであれば、最大で9万円近い出費になることもあり、決して無視できない金額です。

実はこの環境性能割について、2026年3月31日をもって廃止とする方針が税制改正大綱に明記されました。これまで消費税との「二重課税」ではないかという議論もなされてきましたが、制度が整理される方向へと進んでいるようです。もし今、新車の購入を検討されているのであれば、この「2026年3月末」という期限は、ひとつの判断材料になるかもしれません。

そしてもう一つ、忘れてはならない大きな税金が「自動車重量税」です。重量税というと車検の時に払うイメージが強いかもしれませんが、新車購入時にも、最初の車検までの有効期間分(乗用車なら通常3年分)をまとめて支払う必要があります。

車種にもよりますが、エコカー減税が適用されない場合、一般的なコンパクトカーやミニバン(1.5トンクラス)であれば「3年分で3万6900円」ほど。これが初期費用の一部として確実に計上されます(もちろん、高い環境性能を持つクルマでエコカー減税が適用されれば、これが全額免除=0円になるケースもあります)。

また、車両本体だけでなく、ナビやフロアマットといったオプション装備、さらには登録代行費用などの手数料にも消費税がかかります。数百万円の買い物となれば、その10%は数十万円単位の出費となります。見積書の総額を見たときに「想定より高い」と感じる原因は、環境性能割、重量税、そして消費税という「購入時の3大税金」が積み重なっているからなのです。

【毎年】「5月の憂鬱」を回避する4月1日のルール

購入時の手続きを終え、無事に納車を迎えた後も、税金との付き合いは続きます。毎年ゴールデンウィークが明けた頃、手元に届く細長い封筒に、少し重たい気持ちになったことはないでしょうか。これが「自動車税(種別割)」あるいは「軽自動車税(種別割)」の納付書です。

この税金には、「4月1日時点の車検証上の所有者(または使用者)」に支払い義務が発生するという大原則があります。つまり、4月1日をまたいで所有しているだけで、1年分の税金がかかることになるのです。

金額の目安としては、軽自動車が一律で「1万800円」。普通車は排気量に応じて「約2万5000円〜11万円」の幅がありますが、多くの人が乗る1.0L超〜2.0LクラスのコンパクトカーやSUVであれば、おおよそ「3万500円〜3万6000円程度」(※2019年10月以降登録の標準税率の場合)が毎年の固定費としてかかってきます。

ここで重要になってくるのが、普通車と軽自動車で税の扱いが異なるという点です。普通車の場合、年度の途中で購入しても、翌月から3月までの分を「月割り」で支払う仕組みになっています。これは納税の公平性という観点からは理にかなっているといえるでしょう。

一方で、軽自動車にはこの月割り制度がありません。これが何を意味するかというと、購入するタイミングによって、初年度の負担感が変わってくる可能性があるということです。たとえば、4月2日に軽自動車のナンバー登録をしたとします。すると、その年の4月1日時点では所有していないことになるため、その年度の軽自動車税はかからないケースが一般的です。逆に、3月末に慌てて登録を済ませてしまうと、すぐに4月1日がやってきて、新年度分の請求が届くことになります。わずか数日の違いで、約1年分の税金を払うかどうかが変わるわけです。

【車検】車検代の大きな内訳「重量税」

毎年の税金とは別に、車検のタイミングで支払う大きな費用があります。車検代が高いと感じる理由の多くは、整備費用もさることながら、そこに含まれる「自動車重量税」の存在が大きいのではないでしょうか。先ほど購入時の項目でも触れましたが、この重量税はその名の通り、車両の重さに応じて課税されるもので、0.5トン刻みで税額が上がっていきます。重いクルマほど道路に負担をかけるため、その分を負担するという考え方に基づいています。

この重量税の最大の特徴は、「車検の有効期間分をまとめて前払いする」という点にあります。新車購入時に3年分を支払った後も、継続車検のたびに、向こう2年分を一度に納める必要があります。

金額のイメージとしては、エコカー減税の適用がない場合、一般的な1.5トンクラスのクルマで「2年分で2万4600円」、さらに重いミニバンなど(2.0トンクラス)では「3万2800円」ほどがかかります。つまり、車検代として請求される金額の一部は、実は数年分の税金を先払いしているのです。

ここで少し朗報ともいえるのが「エコカー減税」の存在です。燃費性能や排出ガス性能に優れたクルマは、この重量税が免除されたり、減額されたりする措置がとられています。最新のニュースによれば、重量税のエコカー減税は、2028年4月30日まで延長される見込みです。ただし、減税を受けるための燃費基準は見直され、年々厳しくなっています。同じ車種でも購入する時期によって減税の対象から外れてしまう可能性もゼロではありません。カタログの燃費数値だけでなく、「いつ登録するか」で法定費用が変わるかもしれないという点は、頭の片隅に置いておいたほうが良さそうです。

「本体価格」よりも「次の支払い日」を。賢いカーライフの始め方

ここまで見てきたように、クルマの税金は「購入時」「毎年5月」「車検ごと」という3つのリズムでやってきます。本体価格や燃費といったスペックだけでなく、カレンダー上のどのタイミングで現金が必要になるのかを知っておくことで、カーライフのお金の流れはずいぶんと見通しが良くなるはずです。

特に2026年に向けては環境性能割の廃止など、制度の変わり目を迎えます。これからクルマ選びをする際は、見積書の総額を見る前に、一度「税金の行」を指差し確認してみてはいかがでしょうか。



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析など、業界経験に基づいた視点での解説を行っている。


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