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「まだ走れるから」と放置した車の末路…整備歴27年のプロが警告、かえって修理費が高くつく“車のSOS”

  • 2026.2.12
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

ご自身の車の点検、どれくらい意識していますか?

特に問題なく走っていると、「まだ大丈夫」とつい後回しにしてしまう車の点検。ただ、整備の現場で見る車のトラブルの多くは、実は壊れる前に小さなサインが出ています。

今回は、実際の整備現場でよくある事例を交えながら、プロが必ずチェックしているポイントと放っておくと高くつくかもしれない「サイン」について、わかりやすくお伝えしていきます。

まずはここを見るべき!液体類チェックで防げる重大トラブル

整備不良で意外と多いのが、エンジンオイルを長期間交換せずに乗り続けているケースです。エンジン音が大きくなったり、加速が鈍くなったりしても、「まだ走れるから」とそのまま使い続けてしまう方は少なくありません。

実際、ワイパーの拭き取り不良やエアコンの効きの悪さなど、別の用件で入庫した車を点検したところエンジンオイルが真っ黒で粘度も落ち、危険な状態だったということがありました。なかには、「オイル交換が必須というのを知らなかった」という人もいます。

エンジンオイルは車にとって血液のような存在です。交換を怠ると燃費の悪化だけでなく、内部摩耗やエンジンの焼き付きなど重大な故障につながります。音や加速の変化は、すでにオイル性能が落ちているサインであることも多く、早めの点検と交換が必須です。

オイル交換時期は車種により違いますが、5,000Km~10,000Km、または半年~1年を目安に交換しましょう。一度交換すれば次回交換時期のステッカーを貼ってくれる業者も多いのでそれをチェックしておくのもおすすめです。

さらに、車にはほかにも重要な液体がいくつも使われています。たとえば、冷却水はエンジンの温度を適正に保つ役割があり、不足や劣化はオーバーヒートの原因になります。ブレーキフルード(ブレーキオイル)は制動力に直結するため、状態が悪いとブレーキ性能そのものに影響します。

まずはオイル類と冷却水。この基本チェックだけでも、重大トラブルの予防効果はかなり高くなるでしょう。

突然止まる前に確認したい消耗部品の優先点検ポイント

「さっきまで動いていたのに急に動かなくなった」というものの代表的な消耗部品が、タイヤとバッテリーです。

タイヤは、溝の深さだけを気にしがちですが、実際には側面のひび割れやゴムの硬化、偏った摩耗、空気圧不足も突然止まる原因となります。「普段あまり乗らないから溝はまだある」という人がいますが、保管状態や走行距離に関係なく、使用開始から数年たったタイヤは性能が落ちている可能性があります。溝だけでなく「製造年」とゴムの状態もあわせて確認しておきましょう。

バッテリーは、性能低下が外から分かりにくいのが厄介です。弱っていても直前まで普通にエンジンがかかることも多く、ある日突然セルが回らなくなります。使用年数が3年以上経過している場合は、数値測定を含めた点検を定期的に受けておくと安心です。

どちらも短時間のチェックでリスクを大きく下げられる優先度の高いポイントといえます。

壊れる車と壊れない車の差は「予防点検」の習慣に出る

さらにブレーキの鳴きや踏んだときの感触の違いも重要なサインです。

キーキーという音、ゴーといううなり音、ハンドルのブレ、焦げたようなにおい。こうした違和感は、車が出している早めのメッセージであることも少なくありません。

この段階で点検しておけば、軽い整備で済むケースが多いです。「走れているから大丈夫」と使い続けてしまうと、一つの不具合が別の部品にも影響し、結果的に修理の範囲が広がってしまいます。

また、「車検を通しているから安心」という声もよく聞きます。しかし、車検はその時点の基準をクリアしているかの確認です。次の車検まで無故障を約束するものではありません。実際には、半年から1年ごとに点検を受けている車のほうが、大きな修理になりにくく、トータルの出費も抑えられています。

難しく考える必要はありません。オイルや冷却水の量を見る、タイヤの状態を気にしてみる、ブレーキの音や踏み心地の変化に気づく。そんな小さな意識だけでも十分です。壊れてから慌てるより、壊れる前に気づくこと。その積み重ねが、安心して長く乗るための近道です。車は、少し気にかけてあげるだけで、きちんと応えてくれます。


筆者:河野みゆき(損害保険募集資格所有)

自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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