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駅徒歩3分人気タワマンなのに「空室だらけ…」投資目的で購入した40代大手会社員の末路【不動産のプロは見た】

  • 2026.2.11
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

不動産投資を考えるとき「人気物件なら安心」「タワーマンションなら価値が落ちにくい」、そう信じて購入する方は少なくありません。

しかし現実には、その期待を裏切られるケースもあります。購入当初は注目を集め、即完売したタワーマンションが、数年後には「住みたい人が減り、売りたい人ばかりが増える建物」へと変わってしまうこともあるのです。

今日ご紹介するのは、駅近・眺望・充実した共用施設と条件がそろい、誰もが「成功物件」だと信じていたマンションが、空室の増加と管理不全によって、徐々に評価を落としていった事例です。

投資としては完璧に見えた「即完売タワマン」

今回の相談者は、40代の会社員男性Aさんです。大手企業に勤める一般的な会社員で、副業として不動産投資を始めた方でした。

Aさんが購入したのは、駅から徒歩3分のタワーマンション。高層階からの眺望に加え、ジムやラウンジ、ゲストルームなど共用施設も充実していました。分譲時は抽選になるほど人気が高く、販売開始からわずか数週間で完売しています。

入居が始まった当初、管理体制にも不安はありませんでした。

  • 管理人が常駐していた
  • 共用部分の清掃も行き届いていた
  • 管理組合の総会出席率マンションの持ち主が集まって話し合う場に、どれだけの人が参加しているかを示す割合)も高かった

修繕やルール決めもスムーズに進み、目立ったトラブルはありませんでした。この時点で、将来問題が起きると考える人はほとんどいなかったのです。

賃貸化が進み、住民の「温度差」が広がり始めた

購入から数年が経った頃でした。他の部屋でも、賃貸に出される部屋が徐々に増えていきます。

入居者は、転勤者や短期赴任者、法人契約が中心。住民の入れ替わりが多くなり、顔を合わせても軽く会釈する程度の関係が当たり前になっていきました。

その頃から、管理組合の総会出席率が下がり始めます。

「いずれ出ていく」「自分が深く関わる話ではない」、そんな意識が、少しずつマンション全体に広がっていきました。

その結果、以下のような状態が続くようになります。

  • 本来なら直すべき修繕の時期が決められず、対応が先送りになる
  • 古くなった設備をいつ替えるか決まらず、使いにくい状態が続く
  • 小さな故障や不具合が後回しにされ、じわじわ不便が増えていく

共用部分の清掃レベルも落ち、ゴミ出しのルールや騒音をめぐるトラブルが徐々に増えていきました。

管理費未納と負担増で「住みたい人」が離れていく

決定的だったのは、空室率の上昇と管理費の未納でした。賃貸に出しても入居が決まらない住戸が増え、一部のオーナーで管理費や修繕積立金の未納が発生します。

未納分を他の人が直接肩代わりするわけではありませんが、必要な費用が十分に集まらなくなることで、修繕や管理の判断が先送りされていきました。

その影響は、実際に住み続けている世帯に表れます。共用部分の管理水準が下がり、将来の修繕に対する不安も強まっていきました。

「きちんと払っている人だけが、我慢を強いられている」

そんな不満が目立つようになり、実際に住んでいた人たちが次々と撤退(売却)を考え始めます。建物自体は立派でも、住み心地と評価が同時に下がる悪循環へと陥っていきました。

人気物件ほど「住民構成」を見落とさない

最終的にAさんは売却を考えましたが、評価は大きく下がっていました。想定していた価格では売れず、投資物件として描いていた「出口(売却)」は、ほとんど機能しない状態だったのです。

入居者募集も以前のようには進まず、空室が長く残るようになっていました。人気物件を選んだはずが、気づけば売りにくい物件を抱える結果になっていたのです。

このケースで痛感したのは、マンションの価値は建物の立派さだけでは決まらないという事実です。本当に差が出るのは、日々の管理や住民の関わり方といった「中身」の部分でした。

見ておくべきポイントは、次の点です。

  • 投資目的の所有者の割合はどれくらいか
  • 実際に住む人と賃貸のバランスは取れているか
  • 管理組合の総会出席率や、議事録の内容
  • 長く住み続けそうな人が、どの程度いそうか

設備や眺望は、購入後に変えることはできません。一方で、管理の質や雰囲気は、住民構成によって大きく左右されます。

「人気だから大丈夫」「タワーマンションだから安心」

その思い込みが、数百万円単位の差となって表れることもあります。将来を正確に予測することはできません。それでも、今の住民構成や管理の動きを見れば、この先どうなりそうかを考える材料は見えてきます。

これから投資目的でマンションを選ぶ方には、そうした視点を一度持ってほしいと思います。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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