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実は「ただの紙」じゃなかった…意外と知らない“選挙投票用紙”の正体に「画材屋さんで売っていた」

  • 2026.2.13
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

2月8日は第51回衆議院議員総選挙の投票日でしたね。その選挙で採用されている「投票用紙」がSNSで話題となっています。

一般的な紙より、なんだか書きやすい…そう感じた方もいるのでは?SNSでは「すべすべしていて書きやすい!」「鉛筆が吸い付く気がする」といった声が挙がっています。

選挙で使う投票用紙は、なにか特別なものでできているのでしょうか?今回は、投票用紙の特徴と、その驚きの秘密についてご紹介します。

投票用紙は「紙」ではない!?その驚きの特徴とは

まずは、投票用紙の素材から見ていきましょう。

投票用紙は「ユポ」でできている

投票用紙を手に取ったとき、「一般的な紙とはちょっと違うな」「本当に紙なのかな?」と感じたことはありませんか?実は、投票用紙は私たちが普段使っている、一般的な木材パルプ製の紙とは異なる素材からできているのです。

投票用紙の素材は、「ユポ」という合成紙。株式会社ユポ・コーポレーションが独自の技術で作っている特別な素材です。

一般的な紙は木材パルプから作られますが、ユポの主な原料は「ポリプロピレン」というリサイクル可能なプラスチックと、石灰石から採れる「炭酸カルシウム」。つまり、ユポは「紙に限りなく似せたプラスチックフィルム」といえます。

「プラスチック系の合成紙なのに、紙みたいに書けるの?ツルツルで書きにくそうだけど…」と不思議に思うかもしれませんね。実はユポは、紙とプラスチック、両方の良いところが詰まっているんです。プラスチックのように水に強くて破れにくいのに、紙のようにスラスラと鉛筆で書ける。そんな不思議な素材なんです。

投票用紙としてユポが初めて採用されたのは1970年代。福岡市長選挙で採用されたのが始まりだそうです。それから約50年、全国の選挙を支え続けています。

「書きやすさ」の秘密は表面の「目に見えない穴」にあり!

投票用紙のあの独特な書き心地。SNSでは、「鉛筆がスーッと滑るように書ける」「鉛筆が吸い付く」とも表現する人も多く見られました。いったいなぜ書きやすいのか、その秘密をもう少し詳しく見ていきましょう。

書きやすさの秘密は、ユポの表面にある「目に見えない小さな穴」にあります。専門的には「ミクロボイド」と呼ばれるのですが、要するに「とても小さな空気の穴」のこと。肉眼で確認できないほどの小さな穴です。

鉛筆やペンがしっかりと引っかかり、スラスラと書けるという不思議な現象は、この小さな穴のおかげだというわけですね。

「折っても戻りやすい」ユポの特性が選挙でも大活躍!

投票用紙のもうひとつの大きな特徴は、「折り曲げても開きやすい」こと。投票所で記入した用紙を折りたたんで投票箱に入れたことがある人も多いでしょう。実は折り曲げた投票用紙は、投票箱の中ですぐに開いているのです。

ユポには、「折り曲げても、元に戻りやすく開きやすい」という特性があります。普段の生活ではあまり意識しませんが、この「折っても開きやすい」という特性が選挙では大活躍!

かつて従来の紙で作った投票用紙は、折り目を広げるのに時間がかかり、なかなか開票作業が進みませんでした。しかし、ユポでできた投票用紙は、投票箱の中で自然と開くため、開票作業がスムーズに進むのです。この「開きやすい投票用紙」が陰で活躍してくれているのですね。

選挙が終わった後はどうなる?投票用紙の「第2の人生」

ところで選挙が終わった後、投票用紙はどうなるかご存知でしょうか?「投票用紙はそのまま捨てられているのかな」「特別な素材で作られているのにもったいない…」そんな疑問を持った方もいるかもしれません。

使い終わった投票用紙は、選挙で選ばれた人の任期が終了するまで各自治体の選挙管理委員会で保管されます。そして、保存期間が過ぎた投票用紙は、自治体ごとに処分されます。処分は各自治体で行われ、その方法は焼却やリサイクルなど自治体によって様々です。

例えばさいたま市では、「特定非営利活動法人 選挙管理システム研究会」が構築した投票用紙リサイクルシステムを活用し、リサイクルしています。リサイクルされた投票用紙は、雑貨や物流資材などに“変身”して、しっかり「第2の人生」を歩んでいるのです。

もちろん、投票用紙には候補者の名前が書かれていますから、厳重にセキュリティ管理もされていますよ。

次回の選挙では「指先の感触」にも注目!

今回は、SNSで話題の「投票用紙」についてご紹介しました。

投票用紙は「ユポ」という合成紙でできています。表面の小さな穴や、折っても開く特性が、選挙をスムーズに進めるために陰ながら活躍しているのです。

SNSでは、このユポについて「投票所で、ユポ紙でできた折り紙をもらったことがあるよ!」「画材屋さんで売っているのを見かけた」「濡れても書けるメモ帳にユポが使われているのを見たことがある」といった声もありました。選挙を経て、この特別な「紙」をほしくなった方も少なくないようです。

「紙のことまで意識せず、投票してしまったな…」という方は、次回の選挙では、ぜひあの独特な「手触り」や「書き心地」にも注目してみてください。何気なく手にしている投票用紙にも、たくさんの工夫と技術が詰まっているのです。


参考:
ユポの強み(株式会社ユポ・コーポレーション)
選挙の投票用紙に使われている素材「ユポ」とは?メリットも解説(株式会社ユポ・コーポレーション)
ユポ製 投票用紙リサイクルのご紹介(株式会社ユポ・コーポレーション)
投票用紙の不思議(茨城県神栖市)
使われた投票用紙のその後、ご存じですか?(埼玉県さいたま市)


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