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「私の作品、パクられてる…?」無断利用に気づいた時に絶対やってはいけない“NG行為”【弁護士が解説】

  • 2026.3.7
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出典元;photoAC(※画像はイメージです)

丹精込めて作り上げたイラストや文章、写真などの創作物が、ある日突然、見知らぬ誰かに勝手に使われていたら...多くの人が強い不安や怒りを覚えるでしょう。そんなとき、「これは著作権侵害だ」と感じても、実際に法的に問題があるのか、どう行動すべきか判断に迷うことも多いでしょう。

この記事では、あなたの大切な創作物を守るために、著作権侵害が成立する3つの判断基準を軸に、万が一トラブルに巻き込まれた際の具体的な法的対応や、日頃からできる予防策について、法律の専門家である正木裕美弁護士に解説していただきました。この記事を読めばきっと理解が深まり、安心して創作活動を続けられるはずです。

あなたの作品は「著作物」? 著作権保護の第一歩

---自分が作ったイラストや文章なら、何でも著作権で守られるのでしょうか? 「著作物」と認められるための条件を教えてください。

正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属) アディーレ法律事務所名古屋支店:

「著作権が保護されるためには3つの条件を満たさなければなりません。まず、「著作物性」を満たすこと、すなわち元のイラスト等の既存の創作物が法的な著作物と認められることが必要です。そもそも著作権とは、『思想や感情を創作的に表現したもの』をいうので、アイデアだけで表現でないものや、ありふれた表現を超えた独自の創作性のないものには著作権が発生しません。そのため、自分の創作物であっても、著作権が認められないのであれば、誰かに使われてしまったとしても著作権侵害の請求自体がそもそもできません。」

そっくりでも「偶然の一致」ならOK? 著作権侵害の鍵「依拠性」とは

---自分の作品とそっくりのものが作られていたら著作権侵害になりますか? 全く同じでなくても「真似された」と感じたらアウトなのでしょうか?

正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属) アディーレ法律事務所名古屋支店:

「そっくりだと感じても著作権侵害にならないこともあります。ここで問題になるのが2つ目の条件である『依拠性』、つまり別の形で使われている新しい著作物が元のイラスト等既存の著作物に依拠して作成されたものかどうかが問題です。依拠とは、簡単にいうと既存の著作物を利用したかどうかということ。依拠とは、簡単にいうと既存の著作物を利用することをいい、要は元ネタを知っていてマネをしたことが必要です。したがって、既存の著作物を一切参考にせず作成したオリジナル作品に偶然既存の著作物と一致する部分があったとしても、依拠して作成したものではないので著作権侵害とはならないと考えられています。

では、この依拠性の判断はどのようにするのでしょうか。印刷機によるデッドコピー(精密な複製、完全な模倣品)であれば依拠性は容易に認められるでしょうが、一般的には依拠したかどうかは創作した本人しかわからないところなので、依拠したことを推認させる事実から判断することになります。判例では、既存の著作物に接する機会がなく、その存在や内容を知らなかったときは依拠性がないとしたもの、依拠がなければこれほど似ないであろうというほどに類似している場合に依拠の存在が推認されるとしたものなどあります。」

そっくり度合いがカギ? 「類似性」の判断と、万が一の時の対処法

---では、どこまで似ていたら著作権侵害になるのでしょうか? また、もし侵害されてしまったら、私たちはどう行動すれば良いですか?

正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属) アディーレ法律事務所名古屋支店:

「これは3つ目の条件である『類似性』、新たな著作物が既存の著作物と類似しているかどうかの問題です。これは、判例上、『既存の著作物の表現形式上の本質的特徴部分を、新しい著作物から直接感得できる程度に類似しているか』が判断基準とされています。『類似性が認められるのが既存の著作物の本質的特徴にあたる部分か』ということが最も問題になりますが、裁判官や弁護士でも意見が分かれるケースがあるくらい判断が難しいことがあります。

もし著作権侵害をされてしまった場合には、差止請求や損害賠償請求、刑事処罰を求める告訴などの法的措置が可能です。ネット上で行われた場合は、相手やプラットフォームに対する削除要請も有効です。ただ、先ほど述べたとおり自分の作品に似ている・自分の作品と同じだ・無断利用されてしまったと感じたとしても、著作権侵害になるかどうかの法的な判断は難しく、専門的な知識が必要になる場合がありますので、文化庁の著作権侵害相談窓口や弁護士など専門家への相談をお勧めします。

また、法的措置を取るためには証拠が必要ですが、原則として、権利侵害されてしまった被害者側が著作権侵害につき立証する責任があります。権利侵害がネット上で行われている場合、ネット上にある情報は突如消されてしまうことがありますので、早期に証拠保全しておくことが特に大切です。画像等ファイルの保存、掲載されているウェブページやURLの全体、SNSアカウント、保存日時がうつるように可能ならPDF、難しいときはスクリーンショットで記録しておきましょう。

いうまでもないことですが、著作権侵害されたと感じる出来事があってもSNSなど公の場での晒しなどはしないようにしましょう。

大切な作品が無断利用されたことへの許しがたい気持ちは十分理解はできますが、仮に無断利用が事実だったとしても、それを晒す行為は相手の社会的評価を低下させる行為として名誉毀損になる可能性があり、逆に訴えられてしまうリスクがあります。」

あなたの作品を賢く守るために

著作権侵害かどうかの判断は、「著作物性」「依拠性」「類似性」という3つの観点から行われ、特に「依拠性」や「類似性」の判断は複雑で専門的な知識が必要になることがわかりました。もし自分の作品が無断利用されたと感じても、感情的にならず、まずは専門家に相談することが賢明です。

そして何よりも、いざという時に大切な作品を守るためには、日頃からの証拠保全が非常に重要です。デジタルデータは消えやすいため、早期にスクリーンショットやPDFなどで記録を残しておくようにしましょう。また、怒りや悲しみにかられてSNSなどで相手を攻撃する行為は、逆に名誉毀損のリスクを負う可能性もあるため、冷静な対応を心がけましょう。

著作権をめぐるトラブルは判断が難しいからこそ、正しい知識を持ち、落ち着いて対応することが、自分の作品を守ることにつながります。


監修者:正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属) アディーレ法律事務所名古屋支店

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正木裕美 弁護士(愛知県弁護士会所属)アディーレ法律事務所名古屋支店

一児のシングルマザーとしての経験を活かし、不倫問題やDV、離婚などの男女問題に精通。TVでのコメンテーターや法律解説などのメディア出演歴も豊富。コメンテーターとして、難しい法律もわかりやすく、的確に解説することに定評がある。 アディーレ法律事務所は、依頼者が費用の負担で相談をためらわないよう、弁護士費用で損をさせない保証制度(保証事務所)を導入しています。「何もしない」から「弁護士に相談する」社会を目指しています。

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