1. トップ
  2. 「罰金制度を」「頭が下がります」長野県警がついに英語で…ゲレンデでの“異例の注意喚起”に反響

「罰金制度を」「頭が下がります」長野県警がついに英語で…ゲレンデでの“異例の注意喚起”に反響

  • 2026.2.13
undefined
出典元:photoAC(画像はイメージです)

スキーシーズンを迎え、各地でバックカントリーでの遭難事故が相次いでいます。

こうした中、長野県警察山岳遭難救助隊が「バックカントリーはスキー場の延長ではありません」という強いメッセージを投稿し、注目を集めています。管理区域外での滑走がもたらすリスクについて、改めて注意が必要です。

相次ぐバックカントリー遭難

この冬、長野県内ではバックカントリーに関連する事故が相次いでいます。57歳の男性がバックカントリースノーボードで滑走中に雪で囲まれて動けなくなり救助された事故や、小諸市で50代女性がバックカントリースキーエリアで遭難した事故などが報告されています。

長野県警が強い言葉で注意喚起

長野県警察山岳遭難救助隊は、2026年2月9日、公式Xアカウントで以下のような投稿をしました。

先週県内で山岳遭難3件が発生。そのうち2件はバックカントリー遭難だったそうです。投稿では「バックカントリーはスキー場の延長ではありません。スキー場の境界線の先は冬山そのもの。トラブルがあっても、すぐに救助が来るとは限りません」と強い言葉で注意を呼びかけ、安易な気持ちでバックカントリーエリアに入らないよう訴えています。

さらに別の投稿では、外国語でもシュプールがあっても境界線のロープを越えてはいけないことや、スキー場の管理区域外の救助要請は「山岳遭難」となり、スキーパトロール隊は原則対応しないこと、救助活動には時間も費用もかかることを注意喚起しています。

データで見る遭難の実態

長野県警察が公開している山岳遭難発生状況(令和8年1月1日~令和8年2月8日)によると、県内では25件の山岳遭難が発生しました。そのうち死者は5件、行方不明は1件、負傷者は6件、無事救出が13件となっています。

遭難の態様別では、転倒・滑落が5件、道迷いが4件と多く、バックカントリーに関連する事故が目立っています。

具体的には、2月2日に飯山市でスキー場の管理区域外に逸脱して道に迷った事故、2月6日に白馬村でバックカントリー滑走中に滑落し負傷した事故などが報告されています。

遭難の主な原因

長野県警察の資料によると、バックカントリーでの遭難には主に3つのパターンがあります。

  1. 雪崩による遭難。ビーコンやプローブなどの装備を携行していなければ発見が遅れ、助かる可能性が極めて低くなります。
  2. 立木や岩への衝突・転倒による遭難。ゲレンデ感覚で自分の技術や体力を超えるルートに入り、事故に遭うケースが報告されています。
  3. 深雪に埋まる・道迷いによる遭難。天候が急変して視界不良により道に迷ったり、事前準備不足や装備不足により行動不能となります。

安全にバックカントリーを楽しむために

長野県警察は、バックカントリーで遭難しないために以下の点を厳守するよう呼びかけています。

装備の装着・携行

雪崩対策装備(ビーコン・プローブ・ショベル)、ハイクアップ装備(クライミングスキン、スノーシュー)を携行し、たとえ日帰りの予定でもビバーク装備などの冬山装備も携行する。

事前の計画

自身や仲間の技量・体力・経験に見合った山域を選ぶ。積雪状況や天気予報を確認したうえで登山計画を立て、入山前に提出する。(登山計画は、家族や友人等にも共有する)

雪質チェック

スキー場に設置されている雪崩注意情報の確認や、弱層テストなどにより積雪の断面を確認するなど、必ず雪崩に関するチェックする。特に降雪直後は、クライミングスキンも役に立たず、また深雪でスキーが外れれば発見することは困難になるため、積雪量を甘く見ることなく、積雪状況などに応じたコース選びをする。

現地での行動

新雪の積もった谷は雪崩のリスクが高いため、新雪斜面の滑走は避けるなど、雪崩のリスクを回避する行動を心掛ける。単独での入山は避け、なるべくガイドや経験者と行動する。

スキー場で決められたルールの厳守

利用前に、スキー場の滑走可能エリアやルールを必ず確認する。規制ロープや注意看板が設置してある理由は、雪崩の防止や一般利用のスキーヤー・スノーボーダーが誤ってスキー場外に立ち入らないようにするため。自分以外の人のことも考えてルールを守って行動する。

SNSでは厳しい意見や救助費用請求を求める声も

長野県警察山岳遭難救助隊の投稿に対して、SNS上では多くの反応が寄せられています。

「救助費用の負担と罰金制度の制定をしないとな」など、救助費用の請求や罰金制度を求める声が多く上がっています。

一方で「救助隊の活動はすばらしいもの。頭が下がります」といった、救助隊の安全を心配する声も見られました。

また「英語中国語でも広めたほうがいい」「注意書きは中国語(簡体字)で書かないと」といった外国語での注意喚起の必要性を指摘する意見や、「バックカントリーなんていう曖昧な言葉ではなく『救助隊困難区域』でいい」という用語自体を変えるべきという意見もありました。

実際、現地の看板での「警告」も、Xの投稿も英語でも行われています。

バックカントリーは魅力的なアクティビティである一方、命に関わるリスクを伴います。ルールを守り、十分な準備と知識を持って、安全第一で楽しむことが大切です。


参考:
長野県警察山岳遭難救助隊(@NAGANO_P_M_R)公式Xアカウント2026年2月9日投稿
長野県警察山岳遭難救助隊(@NAGANO_P_M_R)公式Xアカウント2026年2月8日投稿
山岳遭難発生状況(長野県警察)
バックカントリーで遭難しないために(長野県警察) 
登山Safety Book 冬山山岳情報(長野県警察)