1. トップ
  2. 「本当に、死なないで」 岩手のスキー場が“異例の注意喚起” …切実なワケに「言い方は怖いけど…」「胸に刺さった」

「本当に、死なないで」 岩手のスキー場が“異例の注意喚起” …切実なワケに「言い方は怖いけど…」「胸に刺さった」

  • 2026.2.15
undefined
出典元:photoAC(画像はイメージです)

スキーやスノーボードのシーズン真っただ中、全国のスキー場ではコース外滑走、いわゆる「バックカントリー」による事故や遭難が後を絶ちません。

北海道や長野県などでは、スキー場の管理区域外を滑走したことによる死亡事故が発生しているほか、全国の雪山での救助事案が連日のように報じられています。

そんな中、岩手県の夏油高原スキー場が公式SNSで発信した、あまりにもストレートな注意喚起が話題を呼んでいます。「皆さんのために言います。本当に、死なないでください」。一度読んだら忘れられない強い言葉…その背景には、スキー場の切実な思いがありました。

「管理している=安全」ではありません…夏油高原スキー場の異例すぎる注意喚起

夏油高原スキー場は、日本屈指の豪雪スキー場で、圧倒的な積雪量と雪質で知られています。自然の木々を活かした本格ツリーランが名物で、特に上級者から人気を集めています。

そんな夏油高原スキー場の公式Facebookが発信したメッセージがこちら。

夏油高原スキー場は広大なツリーランエリアを管理しているなかなかキャラの濃いゲレンデです。
『管理しているならどこ滑っても大丈夫でしょ?』いやいや、『滑ったら危ないところを周知するために管理している』んです。
今回は欲望に負け、ロープをくぐり滑走禁止区域に入った先に待っている事を映像にしました。
皆さんのために言います、本当に、死なないでください。本気で言ってます。大切な事です。周りにその様な方がいたら、教えてあげて下さい。見かけたら、声をかけてあげて下さい。
出典:げとう高原スキー場 / Geto Kogen Resort(@geto8)公式Facebook2026年2月6日投稿

投稿には、滑走禁止エリアの先に何があるのかを実際に映した映像も添えられています。

滑走者がオレンジ色のテープをくぐり抜け、コース外に出てしばらく滑っていると、突然、映像が途切れて暗闇に。再開された映像では、深さ7~8メートルほどの沢に落ちた様子が映し出されていました。自力での脱出は不可能で、雪面からその姿は見えず、声も届かない状況です。持っていたスマートフォンで救助を要請します。

その後、パトロール隊員に助け出された滑走者ですが、救助費用として12万4,000円を請求されました。

滑走禁止エリアは、一見すると「滑れそう」に見える場所でも、深雪、沢、急斜面、立木などが連続し、ひとたびバランスを崩せば自力で戻れない危険な状況になることが、はっきりと伝わる内容です。

スキー場が訴えたかったのは、“なぜ立ち入り禁止なのかを理解してほしい”という、命に直結するメッセージでした。

救助は無料ではありません!遭難の裏で発生する「現実的な負担」

全国的に増えているバックカントリー事故は、夏油のフィールドでも例外ではありません。夏油高原スキー場の公式サイトでは、滑走エリアのマップや標識を掲載するとともに、滑走禁止エリアやスキー場管理区域外での事故の対応について明確に示しています。

その中で、滑走禁止エリアはいかなるときも進入禁止であること、違反者は即刻退場させ、リフト券またはシーズン券を没収すること、そして滑走禁止エリア内での救助費用は実費請求することを強く訴えています。

その救助費用について、1時間当たりの料金を明確に記載。パトロール隊員1名18,000円、後方支援者1名6,000円、スノーモービル20,000円のほか、救助ボートやナイター照明の料金などを掲載しながら「理由の如何を問わずお客様に対し救助費用請求をさせて頂きます」と強調しています。

これは「罰」ではありません。救助には、パトロール隊員の出動、人員確保、場合によっては重機やヘリコプターが必要になります。上記の動画でも、パトロール隊員が「私たちも命をかけて救助します」と話しているように、危険と分かっているエリアに立ち入ったことで発生する、現実的なコストなのです。

「怖いけど大事なこと」「もっと発信してほしい」SNSに広がる共感と警鐘の声

SNSでは、「言い方は怖いけど、本当に大事なこと」「現場の人の覚悟が伝わってきて胸に刺さった」「こういう発信をもっとしてほしい」といった声が多く見受けられました。

「バックカントリー」という言葉が身近になるにつれ、その裏にあるリスクが見過ごされがちです。自分は大丈夫、今までも平気だった、と思った瞬間こそ、最も危険です。

今回のスキー場の警告は、個人に向けた注意であると同時に、その場にいる全員への呼びかけでもあります。あなたの一言が、誰かの判断を止め、事故を防ぐきっかけになるかもしれません。

皆さんのために言います。本当に、死なないでくださいその一言には、雪山を知り尽くした人たちの、切実な願いが込められています。  


参考:
げとう高原スキー場 / Geto Kogen Resort(@geto8)公式Facebook2026年2月6日投稿
ゲレンデ案内(夏油高原スキー場)


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名OK】