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50代の貯蓄額『平均値と中央値』はいくら?→お金のプロがズバリ回答。老後資金を着実に増やす「たった2つの方法」とは

  • 2026.2.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

50代は、定年退職を目前に控え、老後資金の準備において極めて重要な時期です。最新の統計では世帯間の貯蓄格差が顕著となっており、「平均値」だけでは見えない実態があります。

今回は、1級ファイナンシャル・プランニング技能士であり社会保険労務士でもある柴田充輝さんにインタビュー。

本記事では、50代の貯蓄額の現状を分析し、家計改善の優先順位や、残された時間で着実に資産を増やすための具体的なステップを解説します。

50代の貯蓄実態…平均値と中央値から見える「貯蓄格差」の背景

---50代の貯蓄額の「平均」と「中央値」はいくらなのでしょうか。また、貯金額に大きな差が生じる背景には、どのような家計構造や資産形成の違いが影響しているのでしょうか?

柴田 充輝さん:

「50代の貯蓄額を知るうえで参考になる行政資料はいくつかあり、総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)」(2024年)によると、二人以上世帯で世帯主の年齢が50~59歳の貯蓄現在高の平均は1,798万円でした。

一方、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」(2025年)では、二人以上世帯で金融資産非保有世帯を含む50歳代の平均貯蓄は1,908万円、中央値は700万円でした。

これらのデータより、「持っている層」と「あまり持っていない層」が同じ年代に混在していることが分かります。

貯金額に大きな差が生じる背景は、様々な要素が複合的に絡み合っています。たとえば、収入や支出構造の差(住宅ローン残債、教育費ピーク、親の介護費)、資産形成への取り組み(預貯金中心か、NISA等で長期分散投資を続けたか)などです。また、ライフイベント(離婚・病気・転職・相続)なども資産形成に影響を与えます。

たとえば、同じ「50代」でも、持家でローン完済が近い世帯は可処分所得が貯蓄へ回りやすい一方、返済が続く世帯や子が大学進学中の世帯は貯蓄が伸びにくいでしょう。また、ここ数年は物価の上昇が続いていること・株式市場が好調ということもあり、「インフレに強い資産を持っているか」「株式を保有しているか」も重要な要素です。」

固定費の削減とスキルを活かした「副業」の重要性

---50代の貯蓄が平均を大きく下回っている場合、退職金や年金受給までの期間にどのような家計改善策(例:固定費削減、資産運用など)を優先すべきでしょうか?

柴田 充輝さん:

「固定費の削減は即効性があり、確実に家計のキャッシュフローを押し上げます。老後までの残り期間が限られる50代ほど、効果が大きいところから順にテコ入れすることが重要です。

最初に取り組むべきは、毎月自動で落ちていく固定費の圧縮です。通信費は、家族全員の契約内容を棚卸しし、直近のデータ使用量に対して過剰なプランになっていないか、不要なオプション(端末保証、留守電、動画など)が付いたままになっていないかを確認してみてください。

保険が家計の重荷になっているケースも少なくありません。公的保障(高額療養費や傷病手当金など)や会社の福利厚生(団体保険)でカバーできる範囲を把握し、足りないリスクだけを掛け捨てで補う設計に切り替えるのが基本です。過剰な保険に加入している場合、解約をして固定費を削減しましょう。

その他にも、サブスクや自動車なども削減の余地があるかもしれません。家計の把握を通じて、削減できるかどうかを考えてみてください。

さらに、収入を増やす取り組みも重要です。年齢的に社内でのキャリアアップを目指すのは難しい可能性があるため、副業の活用が有力な選択肢になります。専門知識を活かした業務受託やオンライン講師など、本業に支障のない範囲で取り組めます。特に長年培ったスキルや経験は、コンサルティングや顧問業務として収益化できる可能性がある「資産」です。

副業が軌道に乗れば、定年退職後の独立という選択肢も生まれます。収入を増やすだけでなく、将来へ備えるという意味でも、副業は有意義です。

クラウドソーシングのプラットフォームを活用すれば、強みを活かせそうな分野の案件を効率よく探せます。「副業をしたい」「独立に興味がある」という方は、登録してみるとよいでしょう。」

現状把握と「自動積立」による仕組みづくり

---50代が老後資金を着実に増やすために、今日からでも始められる「最も効果的な貯蓄の第一歩」を具体的に教えていただけますでしょうか。

柴田 充輝さん:

「50代からの老後資金づくりで最も効果的な第一歩は、「現状の正確な把握」と「自動積立貯蓄・投資の仕組みづくり」です。

まず取り組んでいただきたいのは、現在の収支と資産の棚卸しです。毎月の手取り収入から固定費と変動費を差し引き、実際にいくら貯蓄に回せるのかを明確にしてください。家計簿アプリを活用すれば、手間なく家計管理を行えます。

同時に、現在の貯蓄額や退職金の見込み額、年金の受給予定額を確認しましょう。現在の資産だけでなく、将来の見込み資産も、生活設計を考えるうえで欠かせません。年金額の見込みは、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。この作業により、老後までに準備すべき金額の目標をイメージできるでしょう。

特に重要なのは、お子さんの独立が予定されている場合です。教育費や生活費の負担が軽減されるこの時期は、老後資金を本格的に貯められる最後のチャンスといえます。定年までの残り時間を考えると、この数年間で集中的に貯蓄できるかどうかが、老後の生活の質を大きく左右します。

次のステップとして、給与天引きや自動振替による積立を設定してください。具体的には、NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用が効果的です。これらを活用すれば、税制優遇を受けながら資産形成ができます。50代でも、場合によってはまだ10年以上の運用期間があるため、預金だけでなく投資信託による分散投資も検討する価値があります。

ただし、投資を始める前に生活防衛資金の確保は必須です。1年分の生活費や3年以内に支出が見込まれるお金に関しては、預金で確実に保管しておきましょう。」

老後資金の不安を解消する「資産形成のチャンス」

50代からの資産形成は、まず家計の現状と将来の年金受取額を正確に把握することから始まります。

固定費の圧縮や副業による収入源の確保、そしてNISA等の非課税制度を活用した「自動積立」の仕組み化が鍵となります。

教育費負担が軽くなる時期こそ、老後資金を集中して蓄えられる最後のチャンスと捉え、今日から一歩を踏み出しましょう。


参考:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」(2025年)

監修者:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1200記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。


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