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「じっとしていられない」4歳娘と行く!元バレエ少女ママの『くるみ割り人形』親子鑑賞レポ

  • 2025.12.26

「おひめさまがいっぱい!!」
目を輝かせて走り出した娘の姿に、心が温まる冬の経験がありました。

クリスマスシーズンの定番バレエプログラム「くるみ割り人形」。昨年Sitakkeでも記事を掲載しましたが、幼稚園から小学校卒業までの間バレエ少女だった私(YASU子)にとって、発表会で何度も経験した、思い入れの深い作品です。

「Farewell 2025『くるみ割り人形』」は、”クリスマスに親子でバレエ鑑賞”をする海外の文化のひとつを北海道・札幌でも根付かせたいという想いでWe Love Ballet 実行委員会が主催しています。そんなステキな取り組み、元バレエ少女としてはぜひご紹介したい!そんな気持ちで子ども参加がウェルカムの「親子鑑賞回」に、「じっとしていられない系」4歳娘と参加してきました。

果たして娘は集中以前に席に座っていられるのか?ストーリーを理解できるのか?…いろんな不安を抱えながらの親子鑑賞レポをお届けします。

じっとしていられない娘と、バレエ…

Sitakke
撮影: n-foto 写真提供: We Love Ballet 実行委員会

チャイコフスキー原作の「くるみ割り人形」は、「クリスマスイブにくるみ割り人形をもらった主人公・クララが、不思議な旅をするお話」。

小さくなったクララを守るため、ねずみと戦うくるみ割り人形とおもちゃの兵隊たち。
王子様になったくるみ割り人形とめぐるお菓子の国での盛大なパーティ……。
クリスマスにふさわしい、華やかで煌びやかなバレエ作品です。

2025年の今回は、3公演すべてに生オーケストラがついて魅力がパワーアップ!

幼稚園や保育園などの園児たちも招く昼の「団体・親子鑑賞」公演(もちろん一般観劇もできます!)に生オーケストラがつくのは今回が初めてです。
しかも、小学生以下の子どもは1000円、親子で行っても2500円で本格的な生のバレエの舞台に触れることができるのです!

とっても楽しみ……と思いながらも、その気持ちを上回るほどの不安がありました。
そう、うちの娘は「じっとしていられない」、元気とパワーが有り余っている系女子なんです…!

どんなに言い聞かせても、出かけるたびにひとりで走り出し、電車でも座っていられない娘。立っている乗客の間を走り抜けていくのを、全力で追いかけたこともあります。

そんな娘とバレエ鑑賞。
席を立って走り出してしまうのではないか、突然「もう帰る〜」と言い出すのではないか……。
そんな不安を少しでも減らすため、母はある作戦を考えました。## 子どもとバレエ鑑賞を心穏やかに過ごすための3つの作戦

せっかくのバレエ鑑賞。最後までしっかり見たい!親子鑑賞会とはいえ、できるだけ周囲の迷惑にならず、心穏やかに過ごしたい。そんな思いで3つの作戦を考えました。

作戦①:キラキラ推し

「明日はママとキラキラのダンスを見に行こう!」
まずは「なんだか素敵で楽しそうなイベントがありそう」という空気を感じさせます。

作戦②:バレエのイメージを見せる

当日の朝、くるみ割り人形のバレエ動画(短め)を見せます。様々なシーンが短く編集されている動画だったので、娘も飽きずに最後まで見ていました。

Sitakke
撮影: n-foto 写真提供: We Love Ballet 実行委員会

「ほら、キラキラのお姫様だよ~!」「王子様が戦ってる!かっこいいね!」
気分を盛り上げるための合いの手も忘れません。

作戦③:ストーリーを理解させる

何の話かわからないと飽きてしまう可能性があると考え、くるみ割り人形の絵本読み聞かせ動画も見せます。
「ねずみさんだ!」「王子様だ!」とのリアクション。よしよし、掴みは悪くないぞ…!

マインドセットが完了したところで、会場に向かいます。

おひめさまがいっぱい!!

会場に到着し、入り口に向かって歩き出した瞬間。
突然、娘が立ち止まりました。

Sitakke

「こわい……」

マインドセットがうまくいったと、完全に油断していた私。内心はかなりパニックでしたが、できるだけ冷静を装い、「何が怖いの?」と聞いてみました。

ねずみさん、こわい……

そう来たか…!!まさかの事前説明が仇に……!!!
どうやら、ねずみに襲われるのではと思っているようです。

でも、原因がわかれば対処はできます。

「大丈夫。王子様たちが守ってくれるよ!とっても強いんだよ。困ったら“助けて~!”って言おう!」

娘の気持ちに寄り添いながら話を重ね、なんとか気分を落ち着かせることに成功。そのまま、一緒に会場へ入ります。

会場内には、すでに衣装に身を包んだキャストの姿が。

うわ~!!おひめさまがいっぱい~!!

さっきまでの怯えはどこへ…?
目を輝かせて走り出す娘に、「もう大丈夫そうだな」と思いつつ、水を差さないように写真を撮りました。

Sitakke

トラブル発生!

衣装に身を包んだキャストとの写真撮影に満足した娘。チケットを受け取り、いよいよ座席へと向かいます。

Sitakke

一度は席に着いたものの、開演まではまだ少し時間があります。
トイレのことも考え、余裕をもって会場に入ったのですが…当然、娘は座っていられません。

Sitakke

場内を歩き回る娘を、余計な刺激でテンションを下げないよう細心の注意を払いながら、私はひたすらトイレに誘い続けます。
……が、もちろん断られ続けます。

Sitakke
「バイオリンだー!」と言いながらオーケストラを見る娘。母もワクワクです

そんな中、ここでトラブルが発生しました。場内を歩いていると、先ほどロビーで写真を撮ったお姫様の姿を発見。娘は笑顔で駆け寄ります。

——が、その横には、なんと……。

Sitakke

ねずみの王様が!!!!

硬直する娘。目は釘付けのまま、じわじわと後ずさりを始めます。
あんなにきれいな後ずさりを見たのは、初めてでした。
「ねずみの王様、こわい……」
そうつぶやきながらも、なぜかテンションは一気に落ち着き、そのまま無事にトイレを済ませることができました。 (よかった……。)

いざ開演!

Sitakke

席に戻ると、周りにも子どもたちの姿がたくさん。

幼稚園くらいの子どもたちや、中には抱っこ紐に入った赤ちゃんまでいました。
幼稚園や保育園の先生が引率されて団体鑑賞に来ている年中さん、年長さんたちも!

毎年鑑賞しているという札幌あおば幼稚園にお話を聞くと「座っていられない子はいなくて、音楽に合わせて体を動かしたり、拍手をしたり、しっかり楽しんでいます」とのこと。

鑑賞後には、その思い出を絵に描いて主催者に毎年お届けしているそうです!

私が「おともだちも、みんなちゃんと座ってるね!えらいね~!」と声をかけると、負けず嫌いな娘は、しっかり席についてくれました。

Sitakke
「お姉さんだからね!」と言いながらもちゃっかり膝の上へ。

開演前には、バレエ団の方からご挨拶とともに、こんな案内がありました。

「静かに聞いていなきゃいけないと思うかもしれませんが、素敵だと感じたときは、ぜひ『ブラボー!』と言って気持ちを伝えてくださいね」

「声を出してもいい」と言ってもらえるだけで、すっと心が軽くなったのは、私だけではないはず。
照明が落ちていくスピードも段階を分けてゆっくりで、主催者の方々の配慮を随所に感じました。

実際に演目が始まると、クリスマスパーティのにぎやかな雰囲気に、娘は自然と集中していきました。
ストーリーを見失わないよう、「クララがいるね!」「くるみ割り人形もらったね!」と、小さく声を掛けます。

Sitakke
くるみ割人形の取り合いになるクララ(右)と兄のフリッツ(左)撮影: n-foto 写真提供: We Love Ballet 実行委員会

周りの子どもたちも、ときどき声を出していましたが、オーケストラの音楽を妨げるほどではありません。 当初の案内通り、「ブラボー!」の声も飛び交います。

親としても、「これは順調な滑り出しかも」と、少し肩の力が抜けました。

前半パートが無事終わり、休憩に

前半パートは、席を立つことなく無事に鑑賞を終えることができました!

心配していたねずみたちの登場シーンも、くるみ割り人形たちの勝利から王子様の登場へと流れていき、娘の気持ちが大きく崩れることはなく一安心……。

——と思ったのも束の間。
ここで、痛恨のミスに気づきます。

休憩に入りロビーへ出ると、軽食を食べている子どもたちの姿が。
それを見た娘が、はっとしたように言いました。

お腹、空いた……
席に座っていられるかどうかばかりを気にしていた私は、休憩時間の“食料補給”のことを、すっかり忘れていたのです。
おやつや軽食の準備をしていないという、痛恨のミス……。

「ごめん、食べ物持ってきてなかった!終わったら、好きなお菓子を買いに行こうね」
そう言ってなんとか娘をなだめ、後半に備えて休憩を終えました。

Sitakke
娘「おなかすいた…」 私「ヒィ!!ごめんなさい!」

後半パートはお菓子の国での様々な踊り

後半パートが始まると、立ち上がったり、ママの膝に乗ったりと、娘の動きが徐々に増えてきました。場内が暗いため、どこかへ歩いて行ってしまうことはありませんが、少しずつ飽きが出始めた様子です。

後半は、お菓子の国でのパーティのシーン。 様々な国の衣装に身を包んだキャストが、次々とダンスを披露していきます。

その中の演目のひとつが、「花のワルツ」。

子どもの頃、私がバレエの発表会で踊ったことのある、思い出深い曲です。
個人的に、この演目をひそかに楽しみにしていました。

花のワルツのキャストたちは、前半の各国の踊りの間、舞台の端で静かに並んでいます。
そして曲が始まると、中央に集まり、一斉に踊り出す——。

演目が始まる、まさにその瞬間。

ママ、トイレ~

…ここでか…!!!

懐かしい音楽を背中に聞きながら、私は娘の手を引いて、トイレへと向かうのでした。

クリスマスにぴったりの素敵なサプライズ!

Sitakke
撮影: n-foto 写真提供: We Love Ballet 実行委員会

すべての演目が終了したあと、サンタの衣装に身を包んだバリトン歌手・則武正人さんが登場。

クリスマスソングを歌い始めると、HBC少年少女合唱団のコーラスや、『くるみ割り人形』のキャストたちも集まり、会場は一気にクリスマスムード一色に。

娘もノリノリで、一緒に歌います。
とても素敵な締めくくりとなりました。

最後はにっこり記念写真

公演終了後、ロビーに出るとキャストたちがご挨拶に。

あんなに恐れていたねずみの王様との再会ですが、襲われないと理解したのか、なぜかすっかり仲良しになっていました。

Sitakke

子どもって、不思議です。

演目中に大声を出したらどうしよう、走り出したらどうしよう……。
そんな不安ばかりを抱えながら迎えた今回の舞台でしたが、実際には、多少動くことはあったものの、舞台の迫力に圧倒されたのか、最後までしっかり鑑賞することができました。

笑ったり、拍手したり、大きな「ブラボー!」が飛び交ったり…
演劇とともに味わえる生の音楽も相まって、じっと観ているだけではない、子どもたちが一緒だからこその会場の一体感も味わえました。

少しくらい声が出てしまっても、泣き声が聞こえても、会場にいるのはみんな“同じ立場の仲間”。
そんな安心感を感じられたのも、親子鑑賞回ならではの魅力です。

お姫様に喜び、敵に怯え、最後には和解。
そんな娘の感情の動きや成長を間近で見ることができ、母としても大満足の一日となりました。

Sitakke

これからも、こんな経験を少しずつ重ねていけたらいいな。
次は、休憩用のおやつとトイレ確認も忘れずに……!

Farewell 2026『くるみ割り人形』もすでに決定!

ちなみに、Farewell2026『くるみ割り人形』の公演もすでに決定!
2026年は12月18日(金)~20日(日)の3日間です。

週末の公演となるのでよりたくさんの方が楽しめる機会になりそうですね。
今回も、鑑賞した昼の「団体・親子鑑賞」は予約段階で完売となっていましたので、気になる方は2026年の秋から情報をチェックしてみてくださいね。

***

舞台写真:撮影: n-foto
写真提供: We Love Ballet 実行委員会

文:Sitakke編集部YASU子

※掲載の情報は、取材時(2025年12月)に基づきます。

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