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親は激怒「受験は白紙!」突然、進学先の公立中をバカにする小5男子…担任だけが気づいた“SOSサイン”

  • 2026.1.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元小学校教員ライターの、みずいろ文具です。
小学校高学年になると、学級の中に「中学校受験を考えている」という子が、毎年1〜2人ほど出てきます。

担任としてはもちろん応援します。
けれど同時に、受験が子どもにとって大きなストレスになり、思わぬ形で表に出てしまう場面も少なくありません。

中学校受験は、想像以上に“孤独”になりやすい

クラスメートの多くは、近所の公立中へ進学するのが当たり前。
放課後は友達と遊ぶ子も多い中で、ひとり塾に通い、休日も机に向かい続けるには想像以上に強い意志が必要です。

大人はつい「将来のため」「今だけ頑張ろう」と言ってしまうけれど、子どもにとっては“今の世界”がすべて。
その世界で、他の子と違う道を選ぶことは、ときに大きな負荷になります。

“いい子”だったFくんが、急に荒れた

以前、5年生を担任していた時のFくんは、積極的に前に出るタイプではないものの独特の個性があり、クラスのひそかな人気者でした。

夏休み明けの個人懇談で、Fくんのお母さんから「中学校受験を考えています」と相談を受け、私も「応援しています」と伝えました。

当時のFくんが、「夏休みに学校見学に行ったんだ」と楽しそうに話してくれたのを覚えています。

ところが、5年生の終わりごろから様子が変わりはじめます。

授業中に指名しても、ふざけてニヤニヤ笑って答えない。
机に突っ伏してしまう。

以前なら絶対にしなかった態度です。次第にテストの点数も下がっていきました。

決定的だったのは、仲の良い友達に向けて、進学先である公立中学校のことを見下すような言葉を発したのです。
友達の表情が固まり、周りの空気が一気に冷えるのを、今でも覚えています。

後日、その話を知ったご両親は激怒し、「受験は白紙にして、しばらくどうするか考えます」と私に伝えました。
ご両親の怒りはごもっともです。しかし、胸の中では別のことを考えていました。

(Fくん、もういっぱいいっぱいなんだろうな)

ストレスは、いちばん“見せたくない形”で出る

高学年以上になると、子どもは大きなストレスを抱えていても、「疲れた」と上手に言えないことがあります。

代わりに出てくるのが、悪ふざけ・反抗・攻撃的な言葉や無気力
周囲を見下すような態度は、必死に自分を守っていることの裏返しです。

その態度が周りを傷つけてしまい、さらに孤立してしまう。受験期の教室では、こうした悪循環が起きやすいのです。

親子で乗り越えるために、できること

Fくんの家庭では、その後しっかり話し合いを重ねたそうです。

「何のために受験するのか」「今つらいことは何か」「やめる選択肢も含めてどうするか」。

しっかり子どもと向き合い、もやもやした気持ちを言葉にして整理したことで、Fくんの表情は少しずつ戻っていきました。

そして6年生の3月には、職員室に合格を報告する一報が。私もほっと胸をなでおろしました。
ただ、合格以上に嬉しかったのは、一度荒れてしまったFくんを親子で立て直せたことです。

もし受験期に、これまでと違う荒れ方が見えたら、叱る前に一度だけ立ち止まってほしいのです。

  • 眠れているか
  • しっかり休めているか
  • “結果”以外で認められているか
  • 最終的に決めるのは本人だと確認できているか

担任としても、保護者の皆さんと一緒に子どもを応援し、よい春につなげたいと思っています。
小さなことでも何か変化を感じたら、遠慮なく学校と共有し、一緒にサポートしていくことがお子さんのためになります。

受験は、それぞれの家庭の大切な選択です。
だからこそ、“急に荒れる”ようなサインが出たときは、「根性が足りない」のではなく、「心が限界に近いのかもしれない」と捉えてみてください。

子どもが春を迎えるとき、胸の奥に残るのは合否だけではありません。
「自分の選択を大切にしてもいい」「困ったら話していい」

その感覚こそが、次の一歩の力になると、私は思うのです。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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