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「10万円は高い」4本4万円のタイヤに飛びついた30代男性の末路…意外と見落としがちな変動費の“落とし穴”

  • 2026.1.15
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

クルマの購入後、多くのオーナーが直面するのが維持費の問題です。ローンや保険といった固定費は把握していても、ガソリン代や消耗品費などの変動費は見落とされがちではないでしょうか。

本記事では、意外と見落としやすいクルマの変動費の正体を6つの項目で整理します。また、あるミニバンオーナーのタイヤ交換にまつわる失敗談を例に、変動費を正しく認識しておくことの重要性と、賢いカーライフの送り方について解説します。

買ったら終わりじゃない!購入後に見えてくる、変動費という落とし穴

念願のマイカーを手に入れた後、毎月のローン返済は予定通りなのに、「なぜか思ったより出費がかさんでいる」と違和感を覚えることはありませんか。毎月のローンや駐車場代といった、決まった支払いである固定費は計算していても、意外とお金がかさんでしまう原因の1つは、走り方や使い方次第で金額が変わる「変動費」かもしれません。

クルマの維持費は、持っているだけでかかる固定費と、維持するプロセスで発生する変動費の2つの要素で構成されています。今回は、家計管理の盲点になりやすいこの変動費にスポットを当て、なぜ多くのドライバーが見落としてしまうのか、その実態と対策について考えていきましょう。

見落としがちなクルマの変動費6つの正体

まずは、具体的にどのような出費が変動費にあたるのかを整理します。これらは毎月定額で引き落とされるものではないため、意識していないと「ちりも積もれば山となる」状態になりやすい項目です。

変動費は大きく6つに分類されますが、その性質によって「日常的な出費」と「家計を直撃する大きな出費」の2つに分けて考えることが重要です。

【日常・突発的なコスト】使った分だけかかる5つの項目

まずは、比較的イメージしやすい日々の変動費です。これらは金額が小さい、あるいは支払うタイミングが明確なため、心の準備もしやすいかもしれません。

1. 燃料代(ガソリン・軽油・電気)
走った距離に比例します。最も体感しやすい出費です。

2. 高速道路・有料道路代
レジャーや帰省など、イベント時に発生します。

3. 外出先の駐車場代
コインパーキングなど、数百円の積み重ねが意外な金額になることがあります。

4. 洗車・簡易メンテナンス費
洗車機やウォッシャー液の補充など、愛車をきれいに保つための費用です。

5. 小さなトラブル対応費
パンク修理や電球交換など、予期せぬタイミングで発生します。

【要注意】最も痛い出費!「消耗品代」の落とし穴

そして、6つ目にして最も警戒が必要なのが「消耗品代」です。

ここが今回の記事の核心部分です。ガソリン代などは使ったその場で支払いますが、消耗品は「ツケが回ってきた頃に、まとまった金額が出ていく」という怖さがあります。

6. 消耗品代(タイヤ・オイル・バッテリー等)
エンジンオイル、タイヤ、バッテリー、ワイパーゴムなどがこれに当たります。

特に注意したいのが、これらのパーツは走れば走るほど摩耗するのはもちろんですが、実は「乗らずに置いておくだけでも劣化が進む」という点です。

例えばタイヤなどのゴム製品は、紫外線や時間の経過で徐々に硬くなってしまいます。週末しか乗らないから減っていないはずと思っていても、経年劣化によってヒビ割れなどが生じ、交換時期が訪れることがあるのです。

数千円で済むものもあれば、タイヤのように数万円〜十数万円単位の出費になるものもあります。まだ走れると思っているうちに、お財布へのダメージが静かに、しかし確実に近づいてくるのがこの消耗品費なのです。

あるミニバンオーナーの事例:タイヤ交換で見えた認識の甘さ

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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

変動費、特に消耗品費への心の準備ができていないと、どのような事態が起こりうるのでしょうか。金銭的に支払えないわけではなくても、想定外の出費だと感じてしまうと、どうしても「支払いたくない…」という心理が働いてしまうものです。ここで、ある男性・Aさんの実体験を例に挙げてみます。

30代の男性・Aさんは、家族のためにミニバンを所有していました。購入から3年が経ち、タイヤ交換の時期を迎えた時のことです。Aさんはタイヤ交換にかかる費用を事前に想定していなかったため、突然突きつけられた数万円単位の出費に対して、強い抵抗感を覚えました。

カー用品店で勧められたのは、ミニバンの特性に合わせた10万円程度のしっかりとしたタイヤでした。決して払えない金額ではありませんでしたが、彼にとってそれは予定外のネガティブな出費でしかありませんでした。その結果、店員の微妙な反応を感じつつも、少しでも出費を抑えるために、4本で4万円以下という格安タイヤを購入する決断をしたのです。

一見、賢く支出を抑えたように思えましたが、結果は思わぬ方向へ進みます。交換から1年も経たないうちに、タイヤの溝が異常に早く減ってしまったのです。原因は、選んだ格安タイヤがミニバン専用設計ではなく、重い車体を支えるための剛性や耐久性が十分ではなかったことにありました。

結局、1年もたずに再びタイヤ交換が必要となり、予算の都合で次は中古タイヤを探して購入することになったそうです。

使うほど増えるお金をコントロールするために

Aさんの事例は、決して他人事ではありません。もし彼が、タイヤ代を数年に一度必ず発生する変動費として認識し、心の準備ができていれば、選択は違っていたはずです。「この出費は必要経費だ」と納得できていれば、適切なタイヤを選ぶことができ、結果として安全に数年間走り続けられたでしょう。

変動費をコントロールする鍵は、これらを突発的な出費と捉えるのではなく、維持するために必ずかかるコストとして、あらかじめ受け入れておくことにあります。

例えば、自分の車のタイヤサイズを確認し、交換にはいくらくらいかかるのかを一度調べてみる。オイル交換は一年に一度必要で、これくらいかかるだろうと予測を立てる。そういった小さなシミュレーションがあるだけで、いざという時の心理的なハードルが下がります。

消耗品は、安さだけで選ぶと寿命が短くなり、結果的に交換サイクルが早まってトータルコストが高くなることがあります。変動費の特性を理解していれば、目先の価格だけでなく、寿命や性能を含めたコストパフォーマンスで冷静に判断できるようになるでしょう。

変動費を「想定内」にして、賢くカーライフを楽しむ

クルマは納車がゴールではなく、そこからが本番です。ガソリン代や消耗品費などの変動費は、管理がおろそかになりがちですが、家族の安全を守るための必要経費でもあります。

これらを想定外の出費のままにしておくと、いざという時に安さだけで妥協してしまいかねません。しかし、あらかじめいつかかかるお金として認識しておくだけで、心の準備ができ、愛車にとってベストな選択が可能になります。見えにくいコストを「想定内」にすることが、結果として無駄を省き、カーライフをより豊かで安心できるものにしてくれるはずです。



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析など、業界経験に基づいた視点での解説を行っている。


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