ヨーロッパ企画第44回公演！　作・演出の上田誠さん、出演の永野宗典さん、金丸慎太郎さんにインタビュー

2026年2月11日（祝）JMSアステールプラザ 大ホールで開催 「インターネ島エクスプローラー」

京都を拠点に活動し、独特のコメディーセンスで絶大な人気を誇る劇団「ヨーロッパ企画」。第44回公演となる「インターネ島エクスプローラー」について、作・演出の上田誠さんと、出演の金丸慎太郎さん、永野宗典さんにお話を伺いました。
上田さんは、本作はとにかく真っすぐな喜劇であり、みんなで大笑いしに来てほしいと話します。

ひらめきの原点と、金丸さんの入団記念公演に込めた想い

今回のテーマは「冒険」。昨年末に正式に入団した金丸慎太郎さんの入団記念公演にしたいという思いもあり、世界一周旅行もしている金丸さんのイメージから冒険ものの着想を得たと上田さん。

実際に27か国を回ったという金丸さんは、「どの国も都市部の構造が似ていて面白くないと感じてしまって。その土地のローカルな場所で、現地の暮らしぶりや地域性の違いなどグラデーションのある部分を目にして、未知の魅力や面白さを感じました。今回の作品でも、未踏の地への冒険ということで共通する感覚があってワクワクしています」。

ネットにない情報が未踏へ導く

物語のカギは、主人公のおじさんが語った伝説や、登場人物の祖父が残した日記。そこには未踏の場所へと導く手掛かりがあり、登場人物たちはそれをたどって物語は進んでいきます。

「現代はテクノロジーの発達により全てが記録・マッピングされ尽くした世界ですが、このアナログな情報（口伝えの伝説や個人的な日記）が、インターネットの果てに向かう新たな冒険の起点となる。ポリネシアやイースター島の文明史とこれらが交差していきます」と上田さん。

新しい仕組みで表現する「島」

今回の作品では、探検を描くために舞台システムそのものを一新しています。上田さんは、舞台上にすべてをきれいに収めるのではなく、あえて「収まりきらない」感覚を残すことが、作品の魅力につながっていると語ります。

観客に「本当にどこかにありそうな島だ」と感じてもらうことを目指し、試行錯誤を重ねながら舞台を構築したとか。その中でも、島の表現に取り入れた新しい仕組みが、これまでにない探検の世界観を生み出している、それが大きな特徴となっているそうです。

群像劇から「主人公」へ、奥深いキャラクターたち

「ヨーロッパ企画の作品は群像劇が多い中、今回の物語は中心人物（主人公）に焦点をあてており、その主人公が自己主張の強いキャラクターという設定は珍しいかもしれません」と上田さん。

客演の呉城久美さんは主人公の元妻役、金子大地さんは主人公のライバルを演じるそう。それぞれの役どころもどう関わっていくのかを楽しみにしていて欲しいそうです。

永野さんは「今回、私は、中南米の文明を研究している冒険家を演じるのですが、登場人物たちは皆、さまざまな想いで冒険をしていて、奥が深くて面白い。普段に比べて、全身がむき出しになる舞台セットなので、体の使い方でいかに生々しく演じられるか、驚き方などの表現にグラデーションを付けて演じられるかを意識しています」と話します。

冒険のスリルと「真っすぐな喜劇」の融合

上田さんは未踏の地というワクワクとドキドキとともに、コメディーであると強調。「ホラーのような先行きの分からない恐怖と、笑えるコメディーを同時に目指しました。また、劇中音楽も今回の作品を形作る重要な要素で、音楽担当の王舟さんの世界観と冒険世界がマッチングするように細やかに打ち合わせができたと思います。冒険世界がぐんと広がる気がしています」。

永野さんも「現地の島の音楽をモチーフにした楽曲も聴きどころですね」と話します。

「インターネ島エクスプローラー」 2026年2月11日（水・祝）JMSアステールプラザ大ホールで開催

劇団立ち上げから28年目を迎えたヨーロッパ企画。毎回、新作公演は実験作であり意欲作であり、常に挑戦であると上田さんは語ります。「今の時代に〝冒険〟をテーマにすることで、ネットワークから逸脱し、ナビのない状況で冒険するところを楽しんでほしい」と上田さん。

永野さんは、今回の広島公演は「中（ホール）ではないんです。大（ホール）ですから!!」と強調。今までとは違う熱量の笑いを起こしたいと意気込んでいます。広島公演はツアーのちょうど真ん中あたり、劇が面白くなってきた頃。傑作になりそうな予感がすると話します。

公演の詳細は https://www.europe-kikaku.com/

アステールプラザ芸術劇場シリーズ
ヨーロッパ企画第44回公演「インターネ島エクスプローラー」
■日時／2026年2月11日（水・祝）13:00開演（12:30開場）
■会場／JMSアステールプラザ 大ホール（広島市中区加古町4-17）
■料金／一般8,300円、U25シート2,500円（前売りのみ） ※全席指定、未就学児入場不可
■チケット販売／
ローソンチケット（Lコード:62545） 
チケットぴあ（Pコード:537-368）
イープラス
JMSアステールプラザ情報交流ラウンジ  Tel:082-244-8000
などで販売中
■主催／TSSテレビ新広島、（公財）広島市文化財団 アステールプラザ、オポス
■問い合わせ／TSSイベント事務局 Tel:082-253-1010（平日10:00～17:30）
www.tss-tv.co.jp/event_information/