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ウォン・カーウァイ初のドラマ「繁花」に「過去作のような演出のなかに新しい物語がある」「連ドラとは思えない映像美と重厚感」と映画ファンから感動の声が続出!

  • 2026.3.14

『恋する惑星』(94)、『花様年華』(00)などで国際的に高く評価され、木村拓哉が出演した『2046』(04)でも知られる香港映画界の巨匠、ウォン・カーウァイ。『グランド・マスター』(13)以来、長らく監督作を発表してこなかったカーウァイが初めてのドラマ作品で帰ってきた。中国文学界の最高峰、茅盾文学賞を受賞した同名小説を原作に、準備期間7年、撮影期間3年をかけて作り上げた全30話の渾身作「繁花」だ。

【写真を見る】きらびやなかネオンやスローモーションの演出…ウォン・カーウァイ演出は健在!

2023年に中国で放送されると視聴者、評論家からも絶賛されて一大ブームを巻き起こした本作が、WOWOWにて3月20日(金・祝)より日本初放送&配信される。その放送に先駆けて実施したMOVIE WALKER PRESS試写会では初回2話を上映。来場者向けのアンケートに寄せられたウォン・カーウァイのファンからの熱いコメントと共にドラマの魅力を紹介したい。

TVドラマの常識を覆す圧倒的映像美のウォン・カーウァイ・スタイル

物語の舞台は1990年代の上海。無鉄砲な青年だった阿宝(アーバオ/フー・ゴー)は、“旦那”と呼ばれるビジネスの師(ヨウ・ベンチャン)に導かれ、開かれたばかりの上海の株式市場で成功して“宝(バオ)社長”へと上り詰めていた。しかしある日、阿宝は暴走する車に轢かれて生死の境をさまようことに。飲食店「夜東京」を営む玲子(リンズー/マー・イーリー)、国営貿易会社に勤める汪明珠(ワン・ミンジュー/ティファニー・タン)らが阿宝の身を案じるなか、生き延びた彼は表舞台から姿を消してしまう。そんな時、深圳から来た謎の女、李李(リー・リー/シン・ジーレイ)が歓楽街の黄河路に高級レストラン「至真園」を新規オープン。李李はある目的から阿宝を店に招き、接近しようとしていた。

“旦那”からビジネスの手ほどきを受ける阿宝 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED
“旦那”からビジネスの手ほどきを受ける阿宝 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED

1990年代の上海は、急速な経済発展による熱気に包まれ、誰もが成功を手にしようとビジネスチャンスをねらっていた激動の時代。当時の光景がカーウァイ得意の鮮烈な映像美によって再現され、金色の光に包まれた上海の街並み、雨に濡れたアスファルトの質感などが冒頭から観客を圧倒し、「美しすぎて瞬きを忘れた」という回答も見られた。

「重厚な映像と音楽。90年代の上海の熱狂や息づかいまで感じられる。とても濃厚で、見ごたえがありました」(30代・女性)

「まるで映画を1本見終えたような気分。さすがウォン・カーウァイ作品だなと思いました。ドラマのクオリティを超えている」(30代・女性)

「上海の喧騒とリアルな街並みが、五光十色でありながら、一瞬のうちにタイムスリップしたかのように本当の上海を鮮やかに蘇らせてくれて、ノスタルジックな涙があふれました」(40代・女性)

「すごく映画的な作りで重厚感がハンパない。いつまで見ていても飽きさせない。お金をめぐるやり取りがジェットコースターのようにはやくおもしろい」(40代・男性)

「オープニングが『2046』のように近未来的でもあり、過去作を思い出させる演出の多さのなかに新しい物語がある」(60代・女性)

さらに、「大事な場面でスローモーションになる手法は、さすがウォン・カーウァイだと思った。人物の心情をじっくりと感じることができました」(55歳・女性)のようなコメントも。映像や演出の節々からカーウァイらしさが感じられ、そのクオリティの高さからまるで映画を観ているような濃密な時間だったようだ。

【写真を見る】きらびやなかネオンやスローモーションの演出…ウォン・カーウァイ演出は健在! [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED
【写真を見る】きらびやなかネオンやスローモーションの演出…ウォン・カーウァイ演出は健在! [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED

成り上がる阿宝と彼を取り巻く師匠&女性たちとの関係

普通の青年から社長へと成り上がる阿宝 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED
普通の青年から社長へと成り上がる阿宝 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED

主演のフー・ゴーは数多くのドラマ作品に出演してブレイクし、岩井俊二監督の『チィファの手紙』(18)やディアオ・イーナン監督の『鵞鳥湖の夜』(19)など映画でも活躍。洗練された整った顔立ちがミステリアスでどこか憂いを持った阿宝役ともマッチし、オーダーメイドのスーツをピシッと着こなす佇まいも印象的だ。

「阿宝にはどうしても目で追ってしまう魅力がある。“旦那”に導かれ、スーツをあつらえていくシーンは、さながら『プリティ・ウーマン』のようで、次を見たいと思わせる」(60代・女性)

「若き実業家の成り上がりがすごかった。どんどんカッコよくなっていく様子にドキッとしました。スーツ姿がステキでした」(40代・女性)

「阿宝はウォン・カーウァイの描く男前という感じがする」(20代・女性)

「阿宝は圧倒的な存在感を放っていました。旦那とのコンビもよく、今後が気になります」(40代・女性)

“旦那”を演じるユウ・ベンチャンは90歳超の大ベテラン俳優 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED
“旦那”を演じるユウ・ベンチャンは90歳超の大ベテラン俳優 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED

そんな阿宝を中心とした人間ドラマも本作の魅力。師弟関係を結ぶ“旦那”は阿宝に「第一の財布、第二の財布、第三の財布」などビジネスの極意を授けただけでなく、ホテルの一室から市場に影響力を及ぼすなど未だ力が衰えていないことを感じさせる。

「佇まいがすばらしい。人民服を見事に着こなし、不屈の商人であることを体現していた。上海語も若手が話すそれと比べ、当時の時代を感じさせる」(30代・女性)

「先を読む力がすごすぎて、もう神様みたい」(50代・女性)

「ずっと阿宝と旦那はこの師弟関係でいてほしい。父と子、師父と孫のような、旦那の眼差しに温かさがあるのがいい」(40代)

飲食店「夜東京」を営む玲子 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED
飲食店「夜東京」を営む玲子 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED

阿宝を取り巻く、玲子、汪明珠、李李ら3人の女性キャラクターも興味深い。玲子に対して阿宝は彼女の店で泡飯を食べながらビールを飲むなどどこか気を許している様子で、汪明珠とはビジネスパートナーという関係性。一方、対立する美女、李李との張り詰めた緊張感からも目が離せない。

「阿宝と玲子の関係が今後どうなっていくのかが気になる。サバサバしていてかっこいい」(47歳)

「玲子のキャラクター性がいまのところ一番好きでした。阿宝のよき仕事仲間であり、彼を支えるところが素晴らしい」(20代・女性)

「李李の目はとても魅力的で目が離せませんでした」(40代)

「90年代前半の上海において、玲子や李李のような女性があんなに大きな店をオープンする人がいるイメージがなく、現代的だと思った」(30代・女性)

「特に女性の生き方と時代背景の関係を描いた部分には、多くの人が共感できるはずです」(40代・女性)

「人々の愛や欲望の動き、どこまで上り詰め、なにを手放すのかその行方を見届けたくなりました」(30代・女性)

国際貿易会社に勤める汪明珠 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED
国際貿易会社に勤める汪明珠 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED

1990年代上海の再現と失われた時代へのノスタルジー

深圳から来た謎の女・李李 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED
深圳から来た謎の女・李李 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED

劇中のおもな舞台となる繁華街「黄河路」をリアルに再現するため、上海のロケ地に1:1の実物大サイズでこの通りを復元。さらに、きらびやかなネオンサインや英国風のホテルの内装、切手帳のような小道具にまで細心の考証が向けられている。そこから生まれる当時の空気感によって、観客は本作を単なる人間ドラマとしてではなく、この時代を生きた人たちの想いや熱気までも追体験することができ、心を震わせていたようだ。また、日本の1980~90年代のファッションを参考にしたという女性キャラクターたちのゴージャスな衣装にも注目が集まっていた。

「黄河路のネオンは印象的です。755mのストリートが圧巻で、まるでそこを歩いているかのような感覚になりました」(40代・女性)

「旧正月の爆竹や、夜の市場のネオンの光、そして花火とスローモーションが非常に印象的でした」(30代・女性)

「李李の衣装はきらびやかで、デザインもすごいと思いました。女性たちの衣装も凝っていて、見入ってしまいます」(30代・女性)

「衣装へのこだわりを感じます。90年代上海の伝統的な衣装と、海外から来たファッションが併存している多様性が再現されています」(20代・男性)

「上海で暮らしたことのある身としては、開発中の東方明珠など、ランドマーク的建物が印象的に映しだされていて没入しました」(40代・女性)

上海の中心にあるストリート「黄河路」を忠実に再現 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED
上海の中心にあるストリート「黄河路」を忠実に再現 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED

上述したように今回の試写会は2話までで、このあともシリーズは28話にかけて展開されていく。現時点でも阿宝をねらう影が誰なのか?阿宝と玲子、汪明珠、李李との関係は?など先が気になってしかたがない。また、ウォン・カーウァイ作品が持つ情緒的な魅力は本作にも息づいており、いつまでも映像や音楽に浸っていたいという声も聞こえてくる。

「ドラマにしてはあまりにも豪華すぎるセット、時代を反映させたストーリーがおもしろい」(40代・男性)

「ウォン・カーウァイ好きなら、ひと目でその世界を理解して観たい欲を刺激されるはず」 (60代・女性)

「90年代の上海に生きた人も、初めて触れる人も、時代の光と影を鮮やかに描きだした人間ドラマに共感できる」(40代・女性)

「香港映画好き、レトロなものが好きな人は、まず映像だけでも楽しめると思う」(20代・女性)

『2046』と同じBGMを採用するなど、過去作との共通点も多いウォン・カーウァイ監督の「繁花」 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED
『2046』と同じBGMを採用するなど、過去作との共通点も多いウォン・カーウァイ監督の「繁花」 [C]2023 BLOSSOMS ISLAND PICTURES LTD. ALL RIGHTS RESERVED

このほか、「連ドラとは思えない映像美と重厚感が楽しめる!」(20代)というコメントも。難しいことは考えずに魅惑の映像美から没入してみるのもいいだろう。巨匠が仕掛ける大作ドラマ「繁花」をぜひチェックしてほしい。

文/平尾嘉浩

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