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ヨーロッパ最古の「ハンドガン」を発見か、1390年頃

  • 2026.3.14
※ 画像はイメージです/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

もし中世の戦場に立っていた兵士を思い浮かべるなら、多くの人は剣や槍、弓を持った姿を想像するかもしれません。

しかし実際には、14世紀のヨーロッパではすでに火薬を使った武器が登場し始めていました。

そして今回、その歴史をさらにさかのぼらせる可能性のある発見が報告されました。

ドイツで、ヨーロッパ最古の可能性がある携帯型火器、いわば「ハンドガン」の断片が見つかったのです。

研究者たちは、この遺物が1390年頃のものだと考えています。

もし年代が確定すれば、これまでヨーロッパ最古とされてきた銃よりも10年ほど古いことになります。

目次

  • わずか6センチの破片が示す「最古の手持ち銃」
  • 1390年の城包囲戦と関係か

わずか6センチの破片が示す「最古の手持ち銃」

この発見は、ドイツ北東部ブランデンブルク州のプリグニッツ地方で報告されました。

2023年、文化財保護のボランティアであるマティアス・ダッセ氏が、クレッツケ城付近で行われた現地調査の際に、長さおよそ6センチほどの青銅製の破片を発見しました。

当初は小さな金属片にすぎないように見えましたが、調査によると、これは初期の火器の銃身部分である可能性が高いと判明しました。

【実際の画像がこちら

研究者たちはこの遺物を「クレッツケ・ハンドロール(Kletzker Handrohr)」と呼んでいます。

これはドイツ語で「クレッツケの手持ち大砲」を意味し、初期の携帯型火薬武器を指す言葉です。

現在、ヨーロッパで最古と広く認められている携帯火器は、ニュルンベルクのゲルマン国立博物館に収蔵されている「タンネンベルク銃(Tannenbergbüchse)」です。

この銃は1399年のものと年代が確定しています。

しかし今回見つかった遺物は、非常に高い確度で1390年頃のものと考えられています。

もし年代が確定すれば、ヨーロッパにおける携帯型火薬兵器の使用を示す最古の考古学的証拠となる可能性があります。

この小さな破片は「火器がいつ戦場に登場したのか」という歴史の空白を埋める手がかりになるかもしれないのです。

1390年の城包囲戦と関係か

研究者たちは、この武器が1390年に起きたクレッツケ城の包囲戦と関係している可能性があると考えています。

当時、この地域では有力な貴族フォン・クイッツォー家が勢力を持っていました。

歴史記録によれば、ブラウンシュヴァイク=リューネブルク公ハインリヒ1世とザクセン=ラウエンブルク公エーリヒ4世が軍勢を率い、クレッツケ城を攻撃したとされています。

この出来事は、フランシスコ会修道士リューベックのデトマールが残した年代記にも記録されています。

さらに2024年と2025年に行われた考古学調査では、軍事衝突を示す遺構や出土品が数多く見つかり、この包囲戦が実際に起きていたことが裏付けられました。

もし今回の「クレッツケ・ハンドロール」がこの包囲戦に関連しているなら、当時の戦闘で火薬兵器が使われていたことを示す非常に貴重な物的証拠となります。

ただし研究者によると、この武器はブランデンブルクで製造された可能性は低く、外部から来た攻撃側の兵士が持ち込んだものだった可能性も高いと考えられています。

火器の歴史を書き換える可能性

わずか6センチの小さな青銅片ですが、この発見が持つ意味は決して小さくありません。

もし1390年という年代が確定すれば、ヨーロッパにおける携帯火器の歴史は、これまで考えられていたよりも早く始まっていたことになります。

剣や弓が主流だった中世の戦場に、すでに火薬の武器が登場していたとすれば、戦争の姿は私たちが思う以上に早く変化し始めていたのかもしれません。

参考文献

Europe’s oldest handgun may date to 14th-century siege at German castle
https://www.livescience.com/archaeology/europes-oldest-handgun-may-date-to-14th-century-siege-at-german-castle

Aufsehenerregender Fund in der Prignitz: Älteste Handfeuerwaffe Deutschlands in Kletzke entdeckt?
https://www.landkreis-prignitz.de/de/aktuelles/2010/2026_03_09_handrohr.php

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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