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新築2年目なのに「まさか、毎年の交換費用が…」入居後に気づいた30代主婦の大誤算【一級建築士は見た】

  • 2026.1.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「高性能な設備を選んだときは、暮らしが便利になることしか考えていませんでした。まさか、毎年の交換費用がこんなにかかるなんて……」

そう溜息をつくのは、新築2年目のFさん(30代・夫婦)です。

家づくりの際、全館空調の高性能フィルターや浄水器、最新の海外製食洗機などを「家族の健康と時短のための投資」として迷わず採用しました。

本体価格には納得していたFさんでしたが、入居後に気づいたのは、その性能を維持するために払い続ける「ランニングコスト」の重さでした。

何がそんなに家計を圧迫するのか

高性能設備の多くは、定期的なメンテナンスを前提にその性能を発揮します。地味に、しかし確実に家計を圧迫するのが、以下のような消耗品の数々です。

  • 換気システム:花粉やPM2.5を除去する高性能フィルター
  • 浄水器:数カ月ごとに交換が必要なカートリッジ
  • 食洗機:庫内洗浄剤、海外製なら軟水化のための専用塩

一つひとつは安価かもしれませんが、これらが複数重なると、年間で数万円というまとまった出費になります。Fさんの場合、全てのフィルターやカートリッジを推奨通りに交換すると、それだけで年間4万円を超えていたのです。

後悔が生まれる「2つの見落とし」

Fさんのケースで特に大きかったのは、以下の2つのポイントでした。

1. 「純正品」の縛り
高性能ゆえに市販の代替品が使えず、値下がりしにくいメーカー純正品を買い続けるしかない。

2. 「更新時期」の重複
新築から数年経つと、あらゆる設備の交換時期が重なります。さらに、5年〜10年スパンで見れば給湯器の部材や防蟻処理なども控えており、出費のピークが一度にやってくるのです。

一級建築士が勧める「家計を守る選び方」

後悔しない家づくりのために、私がいつもお伝えしている対策はシンプルです。

●「年間ランニングコスト表」を自作する
契約前に、各設備の消耗品価格と交換サイクルを確認し、年額に直してみましょう。「快適さと維持費のバランス」が客観的に見えてきます。

●入手性と互換性をチェックする
その消耗品はネットで手軽に買えるか?将来的に型番が廃止されるリスクはないか?汎用品が使えるか?これを知るだけで、将来の「買えない・高い」という不安を減らせます。

●「フル装備」を疑う
全ての設備を最高グレードにするのではなく、「絶対に譲れない快適さ」を絞り込むこと。取捨選択こそが、家計に優しい設計の第一歩です。

ランニングコストをしっかり考える

住宅設備は、導入した瞬間がゴールではありません。暮らしの中でコストを払い続け、メンテナンスを積み重ねて初めて、その性能は保たれます。

「便利そう」「おしゃれだから」という直感だけで選ぶ前に、一度立ち止まって「10年後のコスト」を可視化してみてください。

地味に家計をむしばむ落とし穴を避け、長く安心して暮らせる住まい。それこそが、本当に価値のある「高性能な家」なのだと私は思います。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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