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「ネット物件は売れ残り」と信じた30代夫婦→不動産に来店して知った“未公開物件”の意外な実態

  • 2026.3.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住まい探しでは、次のような話を耳にすることがあります。

  • ネットに出ている物件は売れ残り
  • 条件の良い物件は未公開のまま決まる

確かに、不動産会社が広告掲載前の物件を先に紹介することはあります。ただし、この仕組みを正しく理解していないと、物件選びの判断を誤る可能性があります。

今日は、未公開物件にこだわって住まい探しをしていた30代夫婦のエピソードを通して、不動産会社が物件を公開するまでの流れや、未公開物件の実態について解説します。

「ネットは売れ残り」と信じて来店した夫婦

数年前、30代のご夫婦が住宅探しの相談で来店。共働きで、将来の子育てを見据えてマンション購入を検討しているとのことでした。

席に着くなり、奥様がこう質問しました。

「ネットに出ている物件って、売れ残りなんですよね?」

詳しく伺うと、知人から次のような話を聞いていたそうです。

  • 条件の良い物件は不動産会社が先に紹介する
  • ポータルサイトに掲載される頃には残り物が多い

そのため、ご夫婦は「ネット情報ではなく未公開物件を紹介してほしい」と考え、直接不動産会社に来店されたのでした。

この考え方には、実は一部事実も含まれています。ただし、実際の不動産取引の仕組みは、一般的に言われているほど単純ではありません。

広告前の物件が存在する理由

売主から物件情報が入っても、不動産会社がすぐに広告掲載するとは限りません。まず、不動産会社はその物件をどのように扱うかを検討します。

代表的なのが、次の判断です。

  • 自社で買い取る(不動産会社が直接購入する)
  • 仲介物件として市場で販売する

立地や価格、将来のリスクなどを踏まえて買取が難しいと判断された場合は、仲介物件として販売準備に進みます。販売準備の段階では、すぐに広告を出すのではなく、次のような方法で先に紹介されることがあります。

  • 来店している購入希望者
  • 過去に問い合わせがあった顧客
  • 投資家リスト(収益物件の場合)

このような流れがあるため、広告掲載前に紹介される物件が存在するのは事実です。

「未公開=良い物件」ではない

未公開物件について、多くの人が誤解している点があります。それは、未公開物件は条件が良い物件だという思い込みです。

実際には、まだ広告されていないだけのケースも少なくありません。例えば、次のような理由があります。

  • 室内写真の撮影がまだ終わっていない
  • 販売資料を作成している途中
  • 売主と価格の最終調整をしている

このように、単に販売準備の段階であるため、広告掲載前になっていることも多くあります。

一方で、条件の良い物件は広告掲載後すぐに購入申込みが入ることも珍しくありません。掲載から数日で契約が決まるケースもあります。

そのため、次のように単純に考えるのは正確ではありません。

よくあるイメージ 実際の取引
ネット掲載=売れ残り 広告後すぐに成約する物件も多い
未公開物件=優良物件 販売準備中の物件も含まれる

物件の良し悪しは、公開か未公開かではなく、価格や条件が市場と合っているかどうかで判断することが重要です。

本当に見るべきは「価格」

このご夫婦にもお伝えしたのは、物件探しで重視すべきポイントです。大切なのは、公開物件か未公開物件かではありません。

まず確認すべきなのは、物件の価格が市場と比べて妥当かどうかです。判断する際は、不動産会社に聞いてみて、次のような情報を参考にします。

  • 近隣で実際に成約した価格
  • 同じマンションの過去の取引履歴
  • 現在売り出されている競合物件の価格

これらを比較すると、物件価格が相場より高いのか適正なのかが見えてきます。

未公開という言葉だけで判断するのではなく、成約事例や販売価格などの数字を基準に考えることが、失敗を防ぐために重要です。

まとめ

未公開物件は実際に存在します。ただし、必ずしも特別に条件の良い物件というわけではありません。多くの場合は、販売準備中や顧客への先行紹介など、販売のタイミングによって広告前になっているだけです。

不動産選びで確認しておきたいポイントは次のとおりです。

  • 価格が周辺の成約事例と比べて妥当か
  • 同じエリアでどのくらいの価格で売買されているか
  • 将来売却する際に買い手が見つかりやすいか

未公開という言葉だけで判断するのではなく、成約事例や市場価格を基準に冷静に比較することが大切です。そうした視点を持つことが、不動産購入で後悔しないための基本だと現場では感じています。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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