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「土地が見つかったと思ったら…」半年探した40代夫婦、ハウスメーカーの未公開物件で総額600万円超の誤算

  • 2026.3.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

家づくりを始めると、多くの方が「土地が見つからない」という壁にぶつかります。

  • ポータルサイトを見ても条件に合う土地が出てこない
  • 出てもすぐ申し込みが入ってしまう

そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。

そのようなときによく聞くのが「ハウスメーカーに相談すると、ネット公開前の土地情報を紹介してもらえることがある」という話です。

今日は、住宅展示場に相談した40代ご夫婦のエピソードを通して、未公開土地情報の仕組みと注意点についてお話しします。

ポータルで半年探しても土地が出てこない

数年前、40代のAさんご夫婦から土地探しの相談を受けました。Aさんは会社員、奥さまはパート勤務。小学生のお子さんがいるご家庭でした。

話を聞くと、すでに半年以上土地を探しているとのこと。

「不動産サイトを毎日見ているのですが、なかなか見つからないんです」

Aさんご夫婦の希望条件は次のとおりでした。

  • 小学校まで徒歩15分以内
  • 土地面積50坪前後
  • 予算2,000万円以内

決して無理のある条件ではありません。しかし人気エリアだったため、土地が公開されてもすぐに申し込みが入る状況でした。

奥さまも困った様子でこう話していました。

「ネットに出たと思ったら、もう申し込みが入っていることが多くて…」

そこでAさんご夫婦は、別の方法を試すことにしました。住宅展示場へ行き、ハウスメーカーに土地探しを相談したのです。

ハウスメーカーで紹介された“未公開土地”

住宅展示場で相談したところ、営業担当から「まだネットに出していない土地情報があります」と紹介されました。いわゆる未公開の土地です。

その土地の条件は次のとおりでした。

  • 小学校まで徒歩12分
  • 約52坪
  • 価格1,850万円

立地や広さを考えると、条件は悪くありません。Aさんご夫婦も前向きに検討を始めました。

ただし、一つ条件がありました。この土地は建築条件付きだったのです。

建築条件付き土地とは、指定された建築会社で家を建てることを前提として販売される土地です。つまり、この場合はそのハウスメーカーで建築することが条件になっていました。

土地は安く見えたが、建物で予算が膨らんだ

Aさんご夫婦は、土地と建物を合わせて総額4,000万円以内で家づくりを考えていました。ところが、ハウスメーカーで見積もりを取ると次のような金額になりました。

  • 土地:1,850万円
  • 建物:2,450万円
  • 諸費用:約300万円

合計は約4,600万円。当初の予定より600万円以上高い金額でした。Aさんは営業担当にこう質問しました。

「土地は買いますが、他のハウスメーカーで建てることはできますか?」

すると営業担当はこう説明しました。

「この土地は建築条件付きなので、他のハウスメーカーでは建てられないんです」

奥さまは後からこう話していました。

「土地が見つかったと思ったら、家の選択肢がなくなってしまって…」

結局、Aさんご夫婦はその土地の購入を見送ることになりました。

未公開土地が生まれる業界の仕組み

不動産業界では、土地情報が次のような流れで動くことがあります。

  • 不動産会社が土地情報を仕入れる
  • 建築会社へ先に情報を共有する
  • 建築会社が顧客へ紹介する
  • その後、ポータルサイトなどで公開する

このように、ネット広告の前に紹介される土地が存在するのは事実です。

ただし、未公開だからといって必ず良い物件とは限りません。未公開土地には、次のようなケースが多くあります。

  • 建築条件付きで販売される土地
  • 建築会社の顧客へ先に紹介している土地

つまり、建物の建築を前提とした土地になっていることが少なくありません。

土地探しで本当に見るべきポイント

土地探しでは、つい「土地が安ければ得」と考えてしまいがちです。しかし、土地だけで判断すると予算が大きく変わることがあります。確認すべき主なポイントは次の3つです。

  • 土地の価格
  • 建物の価格
  • 建築会社を自由に選べるか

例えば、土地が200万円安くても、建物の費用が400万円高くなるケースもあります。この場合、結果として支払う総額は増えてしまいます。

また、建築条件付き土地の場合は建築会社を自由に選べないため、間取りや仕様の自由度が限られることもあります。

土地は価格だけで判断するのではなく、建物を含めた家づくり全体の総額で考えることが重要です。

未公開という言葉に振り回されない

未公開の土地情報は実際に存在します。ハウスメーカーを通じて、ネット掲載前の土地を紹介されることもあります。

ただし、それが必ずしも有利な情報とは限りません。建築条件が付いていたり、建物契約とセットで紹介されるケースも多くあります。

大切なのは、未公開という言葉に安心するのではなく、家づくり全体の条件を冷静に比較することです。

土地は人生で大きな買い物の入口です。情報の早さだけで判断せず、土地と建物を含めた総額や選択の自由度まで確認することが、後悔しない家づくりにつながります。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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