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「譲ってくれたから進んだのに…」交差点で対向車の善意に甘えた右折車→直後、陰からバイクが現れ…展開に絶句

  • 2026.3.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「交差点で右折待ちをしているとき、対向車が止まって道を譲ってくれた」

多くのドライバーが、このような経験をしたことがあるのではないでしょうか。パッシングや手振りで「どうぞ」と合図を送られると、ついその好意に甘えて進みたくなるものです。しかし、その善意がきっかけとなり、思わぬ事故につながるケースがあります。

「譲ってくれたから大丈夫」そう思った瞬間に起きた事故

Cさんは、片側1車線の道路にある信号機のない交差点で右折待ちをしていました。対向車の流れが続いていたため、しばらく右折できずに停車していたといいます。すると、対向車線の1台の車が交差点手前で停止しました。運転手はパッシングをしながら、身振りで「先に右折してください」と合図を送ってきたそうです。

Cさんはその意思表示を見て、「譲ってもらえた」と判断しました。対向車が止まっている以上、進んでも問題ないだろうと思い、右折を開始したといいます。

ところが次の瞬間、思わぬ出来事が起こります。

停止していた対向車の陰から、直進してきたバイクが突然現れたのです。Cさんは気づいたときには避けきれず、そのまま衝突事故になりました。

「譲ってくれたのに…」事故報告の電話で語った戸惑い

事故報告の電話を受けた際、Cさんはこう話していました。

「相手が止まってくれたから右折したのに、なぜ事故になるのか」

電話の向こうからは、強いショックと納得できない気持ちが伝わってきました。当初、Cさんは道を譲った対向車にも責任があるのではないかと感じていたようです。

しかし、後に保険会社の損害担当者から説明された内容は、Cさんの想像とは少し違っていました。

対向車がパッシングや身振りで右折を促したとしても、それはあくまで善意による意思表示にすぎません。交通ルール上の優先関係を変えるものではないというのです。

右折車には、直進車の進行を妨げてはいけないという基本的なルールがあります。そのため、右折する側には交差点の安全を確認したうえで進行する義務があります。

たとえ対向車が止まってくれたとしても、他の直進車両が来ていないか確認する責任は右折車側にあると判断されるのです。

“サンキュー事故”は決して珍しい事故ではない

こうした“サンキュー事故”は決して珍しいものではありません。むしろ交差点事故の中では、比較的よく見られるケースのひとつです。

特に多いのが、今回のように停止している車の陰から直進車やバイクが出てくるパターンです。ドライバーは譲ってくれた相手の車に意識が集中してしまい、その奥にいる車両まで注意が向かなくなることがあります。

また、譲ってくれた車の後ろを走っている車両や、車線の端をすり抜けてくるバイクなども見落としやすく、結果として衝突につながるケースも少なくありません。

交通ルールでは、右折車は直進車よりも優先順位が低く、直進車の進行を妨げてはいけないとされています。そのため、見通しが悪い状況で右折を開始した場合、右折車側の過失が大きく判断される傾向があります。

事故対応の現場では、「譲ってもらったから進んだ」という感覚と、「安全確認をしてから進むべきだった」という法律上の判断の間にギャップを感じるドライバーは少なくありません。

善意の譲り合いでも安心せず安全確認を

交通の現場では、ドライバー同士が譲り合う場面はよくあります。その気遣い自体は決して悪いものではありません。

しかし、その合図があったとしても、事故が起きたときの責任関係が変わりません。右折するときは対向車が止まっていたとしても、その先の直進車やバイク、歩行者がいないか確認することが不可欠です。

善意の合図はあくまで参考程度にとどめ、最終的な安全確認は自分で行う。交差点では、その意識を持つことがとても重要です。

交差点で「どうぞ」と譲られたとき、あなたならどうするでしょうか。相手の善意に感謝しながらも、もう一度周囲を確認する。そんな一瞬の慎重さが、事故を防ぐ大きな差になるのかもしれません。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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