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「そのまま捨ててしまってた…」白菜の“黒い斑点”はカビじゃなかった…管理栄養士が明かす、知られざる「正体」とは?

  • 2026.1.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

冬場の食卓に欠かせない白菜。鍋やスープ、炒め物に使うと甘みが増して体も温まりますよね。でも、白菜を切ったときに葉の内側に黒いポツポツを見つけると、「これはカビ?腐ってるの?」と不安になり、捨ててしまった経験はありませんか?黒い斑点は食べても問題ないのか、その正体や栄養面での影響、見分け方のポイントなど、気になっている方も多いでしょう。この記事では、管理栄養士 工藤まりえさんの詳しい解説をもとに、この黒いポツポツの正体や対応法をわかりやすく解説します。これを読めば、もう無駄に白菜を捨てる心配はありません。

白菜の黒い斑点は何?見た目で判断していいの?

---白菜の黒い斑点が発生するメカニズムと、それが含む栄養成分や健康への影響について、専門家としてどのように評価されていますか?

工藤まりえさん:

冬になると、鍋やスープ、炒め物に大活躍する白菜。旬の時期は甘みが増しておいしく、スーパーでも店頭に売り場が設けられている定番野菜ですよね。そんな白菜を切ったとき、葉の内側に黒いポツポツを見つけて「え、これ大丈夫?」「カビ?」と不安になり、そのまま捨ててしまってた…という人も少なくないと思います。

この黒い斑点の正体は、多くの場合「ゴマ症(ペッパースポット)」と呼ばれるものです。名前はちょっと怖そうですが、実はカビでも腐敗でもありません。白菜が育つ過程や、収穫後に冷蔵保存される中で、寒さや乾燥、時間の経過といったストレスを受けると起こる“生理現象”です。白菜はダメージを感じると、自分を守るためにポリフェノールなどの抗酸化成分を増やします。その成分が酸化して、黒い点として見えている、という仕組みです。

栄養の面で見ると、この斑点がある部分はポリフェノールがやや多い状態になっている可能性があり、体に悪いものではありません。むしろ「熟成が進んだサイン」と考えることもできます。ただし、鮮度のピークは少し過ぎていることが多く、シャキシャキ感が落ちたり、ほんのり苦味を感じたりすることも。
つまり、「黒い斑点=即アウト」ではありません。見た目だけで捨ててしまうのは、ちょっともったいないかなと言えます。

黒い斑点のある白菜は栄養的にどう?積極的に食べてもいい?

---白菜の黒い斑点は「ポリフェノールが豊富で健康に良い」と聞きますが、逆に食べ過ぎによるリスクや、避けるべき状態(例:カビとの見分け方など)はありますか?

工藤まりえさん:

『黒い斑点のある白菜はポリフェノールが多い』『ポリフェノールは身体にいい』と聞くと、「じゃあ積極的に食べたほうがいいの?」と気になる方もいるかもしれません。結論から言うと、普通に食べる分には問題なし。ただし“栄養バランスの変化”は起きています。

まず、白菜の黒い斑点に含まれるポリフェノールは、抗酸化作用を持つ成分で、体のサビつき(酸化)を抑える働きが期待できます。ただし、特別な薬のような効果があるわけではなく、含まれている量も微量であると理解してください。
ポリフェノールが微量ながらも摂れることは、身体にとって嬉しいことではありますが、黒い斑点が出ている白菜は、収穫から時間が経ち、鮮度のピークを少し過ぎた状態であることが多いです。そのため、ビタミンCのようなフレッシュさが重要な栄養素は、徐々に減少している可能性があります。ビタミンCは水溶性で酸化にも弱く、保存中に失われやすいため、「新鮮な白菜と同じ量が摂れる」とは考えないほうが現実的です。ただし、完全になくなるわけではなく、加熱調理でも一定量は残ります。

一方で、注意したいのが「ゴマ症」と「カビ」の見分けです。ゴマ症は、斑点が内部の葉に多く、表面が乾いていて、においに異常がないのが特徴。触ってもぬめりはなく、黒や茶色の小さな点がパラパラと散っているように見えます。これなら食べても問題ありません。
逆に避けるべきなのは、白や青、灰色っぽいふわふわしたものが付いている場合、酸っぱい・カビ臭いにおいがする場合、触るとぬるっとして糸を引くような状態。これらは明らかにカビや腐敗が進んでいるサインなので処分しましょう。
また、黒い斑点が広範囲にびっしり出ていて、強い苦味やえぐみを感じる場合は、無理に食べる必要はありません。体に害はなくても「おいしくない」というのは立派な見極めポイント。健康のためにも、味覚の違和感は大事にしてください。

カビとの見分け方&黒い斑点白菜をおいしく食べるコツとは?

---白菜の黒い斑点を無駄にしないために、家庭で簡単に実践できる「効果的な調理法」や「保存のコツ」を教えていただけますでしょうか。

工藤まりえさん:

黒い斑点のある白菜を無駄にしないコツは、調理に使う順番を変えることです。実は白菜は、外側よりも内側の葉から先に使うのがおすすめです。白菜は収穫後も芯の部分が生きていて、外側の葉から水分が抜け、劣化が進みやすいからです。

スーパーでよく見る「1/2カット」や「1/4カット」の白菜は、断面から内側の葉にすぐアクセスできるので、自然と内側から使えますよね。黒い斑点が気になる場合も、状態を確認しながら調理に使っていけるのがいいところ。一方、3人以上の家庭や、鍋などで一気に消費することが多い家庭では、丸ごと1玉買うほうがコスパが良いことも。丸ごとの白菜は外側から食べ進めることになりますが、買ってからしばらくたって、白菜の内側に到達したときに、黒い斑点に出会ってビックリ!ということもあるかもしれません。

そこでおすすめなのが、購入後すぐに縦半分、または4等分にカットしてしまうこと。こうすることで、丸ごと白菜でも「内側から使う」状態を作れますし、調理が楽に進められるはず。

黒い斑点のある白菜でも、そうでない白菜と同様の調理法で問題なく食べることができます。加熱することで、黒い斑点の原因でもあるポリフェノール由来の軽い苦味がやわらぎ、全体の味がまとまりやすくなるので、加熱して食べるのが良いでしょう。特におすすめしたいのが中華丼。刻んでしっかり加熱するため、見た目や軽い苦味が気になりにくくなります。とろみのあるあんが食感の変化をカバーし、鮮度が少し落ちた白菜でもおいしく食べ切れます。内側のやわらかい葉を中心に使い、外葉は細めに切るのがコツ。豚肉やえびなど具材を合わせれば、栄養バランスも良く、家族みんなが食べやすい一品になります。

黒い斑点は怖がらず見極めて、白菜を賢くおいしく楽しもう!

白菜の黒い斑点は「ゴマ症」と呼ばれる自然な生理現象で、多くの場合はカビや腐敗ではありません。抗酸化成分のポリフェノールが増えている証拠で、栄養面でも悪いものではありません。ただし、鮮度のピークを少し過ぎておりシャキシャキ感や一部の栄養素は変化しています。大切なのは、「黒い斑点=即アウト」と判断せず、においや状態をしっかり見て区別すること。日常では内側の葉から先に使い、加熱調理でおいしく食べるのがおすすめです。特に中華丼のような料理は、斑点の見た目や軽い苦味を気にせず味わえるので試してみてください。正しい知識を持てば、無駄に捨てることなく白菜の旬の味わいを楽しめますね。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。