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『炭水化物抜きダイエット』を続けた人の“末路”…体内で起こる「恐ろしい異変」とは?【管理栄養士が警告】

  • 2026.1.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ダイエットや健康管理のために、炭水化物を控えたいと考える人は少なくありません。

しかし、極端に炭水化物を制限すると、なぜ体調不良や特有の体臭が出るのか、不安になることも多いでしょう。なぜ炭水化物の制限が体に悪影響を及ぼすのか?どのようにバランス良く取り入れればよいのか?この記事では、かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さんの知見をもとに、その疑問を解消し、健康的に減量を続けるためのポイントをわかりやすく解説します。

炭水化物を極端に減らすと、体と脳にどんな影響がある?

---炭水化物を極端に制限した食生活を続けると、体と脳にどんな影響がありますか?

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「通常、体は炭水化物(糖質)を分解してブドウ糖を主なエネルギー源として利用します。炭水化物を極端に制限した食生活を続けると、脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖が不足し、倦怠感や集中力低下、眠気などを引き起こします。
さらに、低血糖状態となり、めまい、ふらつき、冷や汗、手の震えなどが起こることがあります。

体はエネルギー不足を補うために脂肪を分解し始めます。体内に蓄えられていた中性脂肪が、脂肪酸とグリセロールに分解されます。脂肪酸は細胞内のミトコンドリアで酸素と結びつき、最終的に二酸化炭素と水に分解されることにより、大きなエネルギーを産生します。

また、通常は糖質や脂質からエネルギーを得ますが、飢餓状態や過度な運動が続くと、体は筋肉のタンパク質を分解してエネルギーを得ようとすることがあります。タンパク質の分解産物であるアミノ酸が、肝臓で糖に変換されるなどしてエネルギー源として利用されます。

こうしたエネルギー代謝の変化が、炭水化物を極端に制限した食生活を続けた際に起こる体臭や体調変化につながると考えられています。脳へのエネルギー供給が不安定になることで、だるさや集中力の低下を招くほか、炭水化物に含まれる食物繊維の摂取量が減ることで腸内環境が悪化し、便秘や肌荒れが起こりやすくなると考えられています。」

炭水化物制限で体臭が変わる理由とは?

---なぜ糖質を減らすと、体臭に変化が現れるのでしょうか?そのメカニズムを教えてください。

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「炭水化物を極端に減らすことで、糖質を中心としたエネルギー代謝が脂質の代謝へとシフトしていきます。肝臓で脂肪が分解され、エネルギー源となる過程で、副生成物として「ケトン体」が合成されます。このケトン体の一つであるアセトンは、甘酸っぱい、あるいは除光液のような独特の強い臭いを持つ揮発性物質です。これが血液を介して呼気や汗に混じることで、「ケトン臭」と呼ばれる体臭が発生します。

また、糖質制限中にエネルギーが足りなくなると、体は脂肪だけでなく、筋肉などのタンパク質を分解してエネルギーを補おうとします。タンパク質を分解し、エネルギー源として使えるようにする過程で、副産物としてアンモニアが発生します。通常アンモニアは肝臓で尿素に変えられ、尿として排出されます。しかし、肝臓や腎臓の機能が低下しているとアンモニアをうまく分解できず、体外に排出されない血中のアンモニアが汗と一緒に放出され、体臭の原因となる可能性があります。

このような体臭の変化を防ぎながら健康的に減量するには、極端な制限ではなく、代謝を円滑に稼働させるためのバランスが大切です。具体的な指標となるのがPFCバランスです。PFCバランスとは、食事におけるタンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の3大栄養素の摂取比率のことで、健康維持や体づくりで非常に重要な指標です。厚生労働省の基準では、エネルギー比率でP(13-20%) : F(20-30%) : C(50-65%)が理想とされており、このバランスを意識することで体調管理や生活習慣病予防に繋がります。」

健康的に炭水化物を取り入れて減量するには?

---炭水化物抜きダイエットによる体臭悪化を防ぎつつ健康的に減量したい人が、明日からすぐ実践できる「適切な糖質の摂り方」を教えていただけますでしょうか。

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

基本的な原則として、体重が増えるのは「摂取カロリー>消費カロリー」の状態です。

減量するには、摂取カロリーが消費カロリーを超えないようにすることが必要です。現状で摂りすぎている人はある程度減らす必要がありますが、極端な制限はリスクを伴います。
炭水化物を完全に断つのではなく「適切な量と質」を意識して摂ることが重要です。

1日に必要なエネルギー量のうち、半分は糖質から摂取すると良いでしょう。1日に必要な摂取カロリーを1,600kcalとすると、目安量は200gとなり、これは白ごはんお茶碗3.5杯分の糖質量に相当します。
そんなに食べていいの?と思うかもしれませんが、実際には、ごはん以外にも様々な食品に糖質が含まれているので注意が必要です。注目すべきは砂糖とアルコールです。甘いお菓子や飲み物、お酒をたくさん摂っている方はそれらを控えることが、健康的な減量につながるでしょう。
また、糖質は単体で摂らず、たんぱく質や野菜を含む他のおかずと組み合わせることも大切です。ご飯(主食)、肉・魚(主菜)、野菜(副菜)を組み合わせた定食スタイルの食事は、栄養バランスを整えるのに効果的です。
さらに、よく噛んで食べることで 満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぎ、消化吸収を穏やかにします。

そして、健康的な減量を続けるためには、糖質以外の食事や生活習慣も意識しましょう。夜遅い食事は、体脂肪として蓄積されやすいため、寝る前2〜3時間前までに食事を済ませることがポイントです。揚げ物など、高脂質な食事の量と頻度を見直すことも効果的です。
消費カロリーを増やすため、無理なく続けられる運動も取り入れていくとよいでしょう。

これらを意識すれば、無理なく続けられる健康的な減量が可能です。

炭水化物はバランスよく摂って健康的に減量しよう

炭水化物を極端に減らすと、エネルギー源としてのブドウ糖不足から脳や体の不調を招き、さらに体臭の変化も起こる可能性があります。脂肪や筋肉のタンパク質を分解することで体臭変化は生じますが、これは代謝バランスの乱れによるものです。

健康的にダイエットを成功させるには、炭水化物も含めた「PFCバランス」を守り、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを整えることが重要です。ごはんや他の糖質源に加え、たんぱく質や野菜と一緒に食べることで栄養をしっかりと補いながら、無理なく続けられる生活習慣を心がけましょう。これらのポイントを押さえれば、体調や体臭の変化を防ぎながら、健やかに減量を進めることができます。


監修者:かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子
管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。