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「光熱費を増やしてしまう」お金のプロが警告。1月にやってはいけない『暖房の節約術』…ついやりがちな「勘違い」とは?

  • 2026.1.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

寒い冬になると暖房費が家計の負担になるため、できるだけ節約したいと考える方は多いでしょう。

しかし、その節約方法がかえって光熱費を押し上げてしまうことがあるのをご存じでしょうか?なぜ「暖房をこまめにオン・オフしているのに、光熱費が下がらない」のか、その理由にはエアコン特有の運転特性が関係しています。この記事では、誤解されやすい暖房の使い方と、1月の暖房費を無理なく確実に抑える方法について、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の中川 佳人さんに詳しくお話を伺いました。正しい知識を身につけ、冬の暖房を賢く節約しましょう。

なぜ暖房の節約が逆に光熱費を増やすのか?エアコンの特性とは

---暖房節約で「逆に光熱費が高くなる」というケースには、どのような使い方や設定の誤解が関係しているのでしょうか?

中川 佳人さん:

「暖房を節約しているつもりなのに、結果的に光熱費が高くなってしまう原因は、エアコンの特性を誤解した使い方にあります。

特に多いのが、こまめな電源のオン・オフや、風量を『弱』に固定する操作です。これらは一見すると節電行動に見えますが、実際にはエアコンの負担を増やし、消費電力を押し上げてしまいます。

エアコンは、運転開始から設定温度に到達するまでの『立ち上がり』の時間帯に、最も多くの電力を使います。一方で、室温が安定したあとは、温度を保つための穏やかな運転に切り替わり、消費電力は大きく下がります。この仕組みを理解せずに電源を頻繁に切ると、毎回フルパワー運転を繰り返すことになり、トータルでは電気代がかさんでしまいます。

例えば、30分程度の外出時に暖房を切るケースです。外気温が低い1月は、空気だけでなく床や壁まで冷え切ります。再び暖房を入れると、これらを一から温め直す必要があり、つけっぱなしで維持するよりも多くの電力を消費することがあります。また、風量を『弱』にすると省エネだと思われがちですが、実際には部屋が暖まるまでに時間がかかり、その間ずっと高負荷運転が続きます。

暖房費が逆に高くなる背景には、『我慢すれば節約になる』という思い込みがあります。エアコンの機能を抑え込むのではなく、効率よく稼働する使い方を理解することが、無理なく光熱費を抑える第一歩と言えるでしょう。」

よくある節約の失敗例〜生活リズムに合わせた暖房操作の落とし穴

---一般的に「節約になる」と信じられている暖房の使い方(例:こまめにオン・オフする、設定温度を極端に下げるなど)が、実際には光熱費を増やしてしまうケースはありますか?

中川 佳人さん:

「一般的に節約になると信じられている暖房の使い方の中には、光熱費を増やしてしまうケースがあります。多くの方が無意識にやってしまうのが、生活の区切りごとに暖房を操作することです。電気代を意識するほど、こうした行動に陥りやすい点には注意が必要です。

例えば、家事の合間や近所への買い物など、短時間席を外すたびに暖房を切る行動です。『使っていない時間を減らしている』つもりでも、寒い時期ほど室温はすぐに下がり、帰宅後に再び暖房を入れることになります。この繰り返しが、結果的に電気代を押し上げてしまいます。

また、電気代を意識するあまり、風量を『弱』に固定したり、設定温度を必要以上に下げたりする方も少なくありません。部屋がなかなか暖まらず、『寒い時間が長く続く』ことで、暖房を長時間使う原因になってしまいます。

さらに、室外機を守るつもりでカバーをかけたり、物を置いたりすることで、知らないうちに暖房の効きが悪くなっているケースも見受けられます。良かれと思って行った行動が、かえって暖房効率を下げてしまうことがあるのです。

暖房の節約では、『節約しているつもりの行動』が本当に効果的か、一度立ち止まって見直すことが大切です。」

1月の暖房費節約で優先すべきことは?効率的なエアコン活用と断熱対策

---1月の暖房費を抑えたいと考える読者が、逆効果にならずに確実に節約できる「最も優先すべき工夫」を教えていただけますでしょうか

中川 佳人さん:

「1月の暖房費を抑えるために最も優先すべき工夫は、エアコンの性能を最大限に活かす設定と、熱が逃げる場所をふさぐ対策を行うことです。具体的には、風量を『自動』に設定することと、窓まわりの断熱を整えることが、効果と実行しやすさの両面で優れた対策です。

エアコンは、自動運転にすることで、部屋の状況に応じて最も効率の良い運転を選びます。人が判断して風量を弱めるよりも、センサーに任せた方が、結果的に消費電力は抑えられます。特に寒さが厳しい1月は、立ち上がりの時間を短くし、安定運転に早く移行させることが重要です。

もう一つ見落とされがちなのが、窓からの熱の流出です。暖房で作った熱の多くは、壁ではなく窓から外へ逃げていきます。いくら設定温度を上げても、出口が開いたままでは効果は限定的です。逆に言えば、窓の隙間をふさぐだけで、体感温度は大きく改善します。

例えば、市販の隙間テープや断熱シートを使えば、数百円の出費で冷気の侵入を防げます。設定温度を上げなくても暖かく感じられるため、無理な我慢をする必要もありません。また、短時間であれば暖房を切らずに外出する方が、結果的に電気代を抑えられる場合もあります。

暖房費の節約は、忍耐や我慢ではなく、仕組みに沿った対策が必要です。エアコンに任せる部分と、住環境を整える部分を分けて考えることで、無理なく確実に1月の光熱費を抑えることができます。」

暖房の「賢い使い方」で無理なく光熱費を減らそう

暖房の節約でありがちな「こまめなオン・オフ」や「風量を弱に固定する」方法は、実はエアコンの負担を増やし光熱費を上げてしまう逆効果になることがわかりました。

エアコンは室温を一定に保つときの消費電力が低く、立ち上がりの負荷が高いため、短時間の外出ならつけっぱなしにする方が賢明です。また、風量はエアコンの自動運転に任せることで効率よく運転できます。加えて、熱の多くが逃げる窓まわりの断熱対策を施すことが、設定温度を無理に上げることなく快適さを保つポイントです。

生活の中で何気なく行っている節約行動が本当に効果的かどうか、一度立ち止まって見直しをすることが大切です。エアコンの仕組みを理解し、住環境を整えることで、冬の暖房費を無理なく確実に節約しましょう。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。