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「正月太り対策、何もしないで!」管理栄養士が“異例の呼びかけ”→焦って食事制限した人の“末路”…逆に太る「危険なメカニズム」

  • 2026.1.9
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

年末年始、おいしいごちそうやお菓子が増えて体重が気になる方も多いのでは?「正月太り」と呼ばれるこの現象、体脂肪が急激に増えたのか、それとも単なるむくみや水分のせいなのか、はっきりしないことってありませんか?

また、焦って急激にダイエットを試みた経験はありませんか?この記事では、管理栄養士の工藤まりえさんの専門的な見解をもとに、正月太りの原因や正しい戻し方をわかりやすく解説します。

読めば「なぜ急に体重が増えるのか」「どうすれば焦らずに元に戻せるのか」がわかり、安心してお正月明けを迎えられますよ。

なぜ正月太りは体脂肪だけでなく水分も増えるの?

---極端な食事制限が「太りやすい体質」を招くメカニズムには、代謝や筋肉量、ホルモンバランスなど、どのような生理的要因が関わっているのでしょうか?

工藤まりえさん:

「年末年始の期間はごちそうを食べたり、間食をしたりする機会が増え、生活リズムも乱れがち。こういった塩分や糖質が多い食事や、運動不足が重なり、体脂肪だけでなく水分を溜め込みやすい状態になるのが、正月太りの主な原因です。とはいえ、体重計の数字を見て「早く戻さなきゃ…!」と焦ってしまうのは自然なことですよね。

そこで食事量を一気に減らすと、短期間で体重が落ちることがありますが、その多くは脂肪ではなく水分。糖質が減ると体内のグリコーゲンが減り、結びついていた水分が抜けるため、一時的に軽く見えるだけなのです。

問題はその後。極端な食事制限は体を『飢餓状態』と判断させ、基礎代謝を低下させます。人の体は省エネモードに切り替わり、同じ生活をしていても消費カロリーが減ってしまいます。これが「前より食べていないのに痩せない」状態の正体です。

さらにエネルギーやたんぱく質が不足すると、体は筋肉を分解してエネルギーを確保しようとし、筋肉量が減少してしまいます。筋肉は代謝の土台なので、減るほど太りやすい体質になります。体重は一時的に落ちても、脂肪が落ちにくい体質へ近づいてしまいます。
加えて、ホルモンバランスの乱れも見逃せません。空腹感を増進させ食欲を高めるホルモンのグレリンが増え、満腹感を感じさせるレプチンが減少。結果、強い空腹感や食べ過ぎを招き、リバウンドしやすくなるのです。」

急に食事制限をするとなぜ体重が落ちにくくなるの?

---正月太りを早くリセットしようと焦って極端なカロリー制限や単品ダイエット(例:りんごだけ、サラダだけなど)を行うと、体にどのような悪影響がありますか?

工藤まりえさん:

「正月太りを急いで戻そうとすると、1日の摂取カロリーが基礎代謝量を下回る食事になりがちです。基礎代謝量は、呼吸や体温維持など生命活動に最低限必要なエネルギー。このラインを下回る状態が続くと、体は「危険」と判断し、代謝を抑える省エネモードに切り替わります。

りんごだけ、サラダだけといった単品ダイエットも同様で、カロリーの低い食材を、満腹感を得られる量食べたとしても栄養が極端に偏ります。特にたんぱく質不足は深刻で、体は不足分を補うために筋肉を分解し、基礎代謝が落ちて痩せにくくなるのは、前述の通りです。

また、ビタミン・ミネラルの不足は代謝酵素の働きを鈍らせ、脂肪燃焼そのものをブレーキ。エネルギー不足により、疲労感、集中力低下、イライラといった不調も起こりやすくなります。
さらに厄介なのが、単品ダイエットをやめた後のリバウンドです。制限中に抑え込まれていた食欲が一気に解放され、通常の食事に戻しただけでも体は「ご褒美」として脂肪を溜め込みやすくなります。代謝が落ちた状態のまま食事量が戻るため、以前より体重が増えるケースも少なくありません。短期集中で痩せようとするほど、結果的に遠回りになるのが正月太りの落とし穴です。」

正月太りを焦らず確実に戻すにはどうすればいい?

---正月太りをリセットしたい読者が、極端な食事制限に走らず明日から無理なく始められる、最も効果的な食事の工夫を教えていただけますでしょうか。

工藤まりえさん:

「まず声を大にして伝えたいのは、「正月太り対策、何もしないで!」ということ。

お正月に2㎏体重が増えてしまったからといって、2㎏の体脂肪が急に増えたというわけではなく、塩分や糖質の多い食事によるむくみや体内の水分量増加である場合がほとんど。普段の生活リズムと食事に戻すだけで、数日〜1週間ほどで自然に解消するケースも少なくありません。

だからこそ大切なのは、無理にリセットしようとせず、通常運転に戻すこと。3食きちんと食べ、主食・主菜・副菜をそろえるだけで体は整い始めます。もし「普段から食生活が乱れがちかも」と感じているなら、このタイミングをチャンスに、たんぱく質と野菜を意識したバランスのよい食事を心がけてみましょう。例えば、野菜不足を感じている人なら、野菜をいつもより1品多く食べることから始めてみてください。カリウムや食物繊維が、むくみの解消や腸内環境の改善を助けてくれます。

それでも「何かしないと落ち着かない…」という人には、運動ではなく日常の活動量を少し増やすのがおすすめ。1駅多く歩く、エレベーターではなく階段を使う、家事の合間にこまめに動くなど、体に負担をかけない工夫で十分です。体を慌てさせず、整える。この姿勢こそが、正月太りを最短で、そして確実にリセットするコツです。
読者の皆さんが、食べることを楽しみながら、心も体も健やかに過ごせる一年になることを願っています。」

正月太りは焦らず、体の声を聞きながらじっくり対処を

お正月の体重増加は多くの場合、体脂肪の蓄積だけでなく、塩分・糖質によるむくみや水分の増加が大きな要因です。急激な食事制限や単品ダイエットは、一時的に体重を減らすものの、基礎代謝の低下や筋肉量の減少、ホルモンバランスの乱れを招き、むしろリバウンドのリスクを高めてしまいます。

だからこそ、正月太りに慌てて対応するのではなく、普段の生活リズムに戻し、バランスの良い食事を心がけることが何より大切。野菜やたんぱく質を意識し、日常生活の中で無理なく体を動かすことも効果的です。

この考え方は、心身の健康を守りながら、無理なく痩せやすい体質へと導く近道。読者の皆さんが食事を楽しみつつ健やかな一年を送るためのヒントとして、ぜひ参考にしてくださいね。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。