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「精神科に通うと家は買えない」は間違いだった。通院してても住宅ローンが組める「2つの方法」とは?【お金のプロが解説】

  • 2026.1.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「精神科や心療内科に通っていると住宅ローンが組めない」という噂を耳にしたことはありませんか?

実際にローン審査でどのような影響があるのか、不安を持つ方も多いでしょう。この記事では、マネーシップス代表 石坂貴史さんに、その噂の真実や正しい対策法を詳しく伺いました。

団体信用生命保険(団信)への健康告知のポイントや、告知義務の重要さ、さらに持病があっても住宅ローンを組める代替案についてもわかりやすく解説しますので、安心して読み進めてください。

「メンタルクリニック通院=住宅ローンが組めない」は誤解?

---なぜ“精神科や心療内科の通院歴があると住宅ローンが組めない”という噂が広まっているのでしょうか?

石坂貴史さん:

「『メンタルクリニックに通うと、住宅ローンが組めない』という噂の多くは、正確には銀行のローン審査ではなく、団体信用生命保険(団信)の健康告知に関するものです。

通常、銀行の審査では、収入や勤続年数、信用情報を中心に判断されますが、団信に加入できなければローン契約ができないため、「ローンが組めない」と感じる人がいます。

団信は、ローン契約者が死亡や高度障害になった場合に、残債を保険で返済する仕組みで、健康状態を告知する必要があります。
睡眠導入剤を一時的に処方されただけのケースや、数年前に通院歴がある場合でも、基本的には完治しているか、医師の診断で現在問題ないとされているかが重要です。

告知書には「過去5年以内の治療歴」など、具体的な期間が設けられている場合が多く、この期間を過ぎている場合や完治している場合は、多くのケースで問題になりません。
一方で、抗うつ薬の長期使用歴や再発の可能性が高い場合など、銀行や保険会社によっては審査が慎重になる場合があります。

FPとしては、告知書の質問項目に正確に答えることと、過去の通院履歴や服薬状況を整理しておくことが、審査の透明性を高めるうえで大切だと考えます。」

団信の告知と審査のポイント、安心できるケースとは?

---通院歴や治療歴があっても、団信の審査で問題にならないことはあるのでしょうか?

石坂貴史さん:

「通院歴を「バレなければいい」と安易に考えて告知を省略した場合、後々のリスクは非常に大きくなります。

団信は保険契約の一種ですので、告知義務違反があると、万が一の際に保険金が支払われないだけでなく、ローン返済の条件にも影響が出ます。

具体例としては、ローン契約者が死亡や高度障害になった場合に、保険金が下りず、残債を遺族が自己負担で返済しなければならないケースです。さらに、契約内容によっては、銀行からローンの一括返済を求められる可能性もあります。これは、団信加入をローン契約の前提条件としているためです。

告知義務違反が発覚すると、将来的なローン審査や信用情報にも影響する場合があります。契約自体が存続しても、保険金不支払いや契約内容の見直しといった不利益が発生します。また、告知漏れがあると、金融機関や保険会社との信頼関係も損なわれて、再度ローンを組む際に不利になることがあります。

「告知を省略したケースほど、いざという時に損失が大きい」ことを覚えておきましょう。ローンは長期の金融契約であり、たった一つの告知ミスが数千万円のリスクにつながる場合もあるため、正確な告知をすることが、最も安全な対応です。」

告知義務違反のリスクと、住宅ローンの代替案とは?

---告知義務を省略するとどんなリスクがあるのか?また、団信に加入できなかった場合の選択肢は?

石坂貴史さん:

「一般の団信に加入できなかった場合でも、マイホームを諦める必要はありません。持病や通院歴がある人が検討できる代替案として代表的なのは、「ワイド団信」と「フラット35」です。

ワイド団信は、通常の団信より加入条件が緩和されて、過去の持病や通院歴があっても、保障を確保できる商品です。

メリットは、持病があっても団信加入でローン返済リスクをカバーできる点です。デメリットは、保険料がローン金利に上乗せされることが多く、月々の返済額が増えることや、保障に条件が付く場合がある点です。

そして、フラット35のような団信加入が任意のローンも選択肢に入ります。この場合、ローン契約自体は団信なしでも可能ですが、死亡や高度障害時の返済リスクを、自身で管理する必要があります。具体的には、生命保険や医療保険で別途保障を整えることが求められます。

メリットは、団信の加入可否に左右されずローンを組める点で、デメリットは、保障を別途準備する手間やコストが発生することです。

FPとして重視すべきは、「保障と返済リスクを自身でどのようにコントロールするか」です。ワイド団信やフラット35を知っていれば、持病があっても、マイホーム取得は十分可能です。加入条件や保障内容、コストを整理して、自身の家計・健康状態に合った方法を選んでみてください。」

正しい告知と代替案の理解で安心のマイホーム購入を

今回の取材を通じて、メンタルクリニックへの通院歴があっても、住宅ローンが必ずしも組めないわけではないことが分かりました。ローン審査は銀行が収入や信用情報を重視し、実際の加入の可否に大きく関わるのは団信の健康告知です。告知は正確かつ誠実に行うことが重要で、告知義務違反は大きなリスクにつながります。

もし一般の団信に加入できない場合でも、「ワイド団信」や「フラット35」といった代替案があり、それぞれのメリット・デメリットを理解して選ぶことで、マイホーム取得の道は広がります。専門家のアドバイスを参考に、自身の健康状況や家計に合った最適な方法を検討し、安心して住宅ローンを組める環境を整えていきましょう。


監修者:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、2級FP技能士、AFP、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」の6つの分野が専門。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポートいたします。