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「多くても3個まで」管理栄養士が警告。お餅の食べ過ぎによる“血糖値の爆発”…体に起きる「恐ろしい異変」とは?

  • 2026.1.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

お正月や季節の行事でお馴染みのお餅。

しかし、ついつい食べ過ぎてしまい「糖質オーバー」になった経験はありませんか?お餅はご飯と比べてどのような特徴があり、なぜ満腹感が得にくいのでしょうか。また血糖値への影響はどうなのでしょうか。

今回は、正しいお餅の食べ方や糖質コントロールのポイントについて、かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さんに詳しく伺いました。お餅をより安心して楽しむための知恵をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

なぜお餅は満腹感が得にくく、糖質オーバーになりやすいの?

---『切り餅2個でご飯1膳分(約250kcal)』というのは有名な話ですが、お餅はスルスルと食べやすいため、気づけば3〜4個食べてしまう人も少なくありません。なぜお餅はご飯に比べて満腹感を得にくく、無意識に『糖質オーバー』になりやすいのでしょうか?

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「お餅は軟らかく滑らかにまとまっているため、あまり噛まずに飲み込めてしまいます。

よく噛まないで食べると満腹中枢が刺激されにくく、お腹いっぱいだと感じるまでに時間がかかり、結果として食べ過ぎてしまい『糖質オーバー』になりやすいのです。

さらに、お餅はご飯に比べて食物繊維の量が少ないのも、満腹感を得にくい理由のひとつです。食物繊維は消化活動を緩やかにし、胃の中で膨張することで満腹感をもたらす役割を果たしています。

また、お餅はご飯に比べて水分含有量が少なく、同じ重さのご飯とお餅では、お餅の方が糖質量が多くなっています。見かけは小さくても、実際は同じ重さのご飯より多くの糖質を摂取していることとなります。ご飯よりもかさ(体積)が少ない分、無意識のうちに食べ過ぎ、糖質オーバーになりやすいのです。

一般的な活動量の成人では、お餅の『1日の適正個数(許容範囲)』は、切り餅2個(100g)までを推奨します。切り餅1個で約25gの糖質を含んでおり、2個でご飯1膳分の糖質量とほぼ同量になります。1回の食事でご飯1杯と切り餅2個を置き換えると良いでしょう。

多くても3個までとし、3個食べた場合は、その前後のお食事でご飯やパン・麺などの主食の量を控えめにしましょう。そうすることで、糖質オーバーになることなく、お餅を楽しむことができます。」

お餅の適正な食べ方とは?糖質の摂取量はどのくらいが目安?

---同じお米からできていても、お餅はご飯よりも吸収が早く、血糖値を急上昇させると言われます。空腹時にいきなりお餅を食べることで起きる『血糖値スパイク』は、体にどのようなダメージを与えるのでしょうか? 太りやすくなるだけでなく、血管への負担や食後の眠気など、具体的なリスクについて教えてください。

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「お餅はもち米から、ご飯はうるち米からできており、同じお米と言っても、構造上の違いがあります。

お餅はご飯よりアミロペクチンというでんぷんを多く含み、消化されやすい構造をもっています。さらに血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維をほとんど含んでいないため、食後の血糖値が上がりやすいと考えられています。

ただし最近の研究では、お餅のGI値は種類や食べ方によって差があり、一概にはご飯より高いとはいえない結果も示されています。
とはいえお餅もご飯もGI値が高い食品であることは変わりなく、食べる時には注意が必要です。

特に、空腹時にお砂糖たっぷりのあんこ餅やきなこ餅を一気に食べてしまうと、「血糖値スパイク(食後高血糖)」を引き起こすリスクが高まります。
『血糖値スパイク』により、体内で余った糖は脂肪として蓄積するため、太りやすくなります。急上昇した血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されると、今度は急激に下がり過ぎてしまいます。

その際、脳のエネルギー源であるブドウ糖の供給が一時的に低下するため、食後の急激な眠気や集中力の低下を引き起こすのです。
高血糖の状態が続くと、余ったブドウ糖はタンパク質と結びつき『AGEs(終末糖化産物)』を形成します。AGEsは血管にダメージを与え、動脈硬化を進行させる可能性があると考えられています。」

お餅の血糖値への影響と「最強のパートナー食材」のすすめ

---それでもお正月にはお餅を楽しみたいです。血糖値の爆発を防ぐために、一緒に食べるべき『最強のパートナー食材』は何でしょうか? 定番の『海苔(磯辺焼き)』や『大根おろし(からみ餅)』『きな粉』などの効果や、食べる順番の工夫でリスクを最小限に抑えるコツを教えてください。

かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子さん:

「血糖値の爆発を防ぐために、一緒に食べるべき『最強のパートナー食材』は、食物繊維とタンパク質を含む食材です。
食べ方としては、大根・人参・木の子などの野菜や海藻、鶏肉・かまぼこなどのタンパク質を含む食材を加えた具だくさんのお雑煮がおすすめです。食物繊維とタンパク質の両方を含む納豆もおすすめのパートナー食材です。

海苔や大根おろしは食物繊維を多く含み血糖値の上昇を緩やかにするため、磯辺焼きやからみ餅にしても良いでしょう。
きな粉やあんこはタンパク質が豊富ですが、きな粉餅やあんこ餅にする時には砂糖の量に注意が必要です。血糖値の爆発を防ぐためには、砂糖を控えめにしましょう。

血糖値の爆発を防ぐには、空腹時にいきなりお餅を食べる前に、お雑煮の具やおせちなどで、野菜やタンパク質を先に食べておくこともポイントです。食物繊維が先に胃の中に入り、血糖値の吸収を緩やかにしてくれます。タンパク質を先に摂ることでインスリンの分泌が促され、その後の血糖値が上がりにくくなると考えられています。お餅を単独で食べるのではなく、野菜やお肉など、他のおかずと一緒に食べるようにしましょう。
「今日は2個」と量を決めて、よく噛んでゆっくり食べることも意識してみてください。噛むことで満足感が増し、食べ過ぎを防ぐことができます。

食事と食事の間におやつとしてお餅を食べたい時は、甘さと量を控えめにし、前後のお食事で主食の量を控えめにすると良いでしょう。そうすることで糖質オーバーになることなく、お餅を楽しむことができます。」

お餅との正しい付き合い方で健康維持を

お餅は美味しくてつい食べ過ぎてしまいがちですが、糖質量や血糖値の上昇リスクを理解することで、上手に楽しむことができます。1日の適正な個数を守り、ご飯の代わりにするといった工夫が大切です。また、血糖値の急上昇を防ぐために、食物繊維やタンパク質を含むおかずと一緒に食べることや、食べる順番にも気をつけましょう。さらに、噛む回数を増やしてゆっくり食べることも満腹感を得るコツです。これらのポイントを踏まえ、糖質オーバーを避けながらお餅の魅力を存分に味わい、健康的な食生活を目指しましょう。


監修者:かきねキッチン 管理栄養士 小池三代子
管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。