1. トップ
  2. 「狙われやすい傾向にあります」元警察官が警告。犯罪者が侵入しやすい「標的になる一軒家」の共通点とは?

「狙われやすい傾向にあります」元警察官が警告。犯罪者が侵入しやすい「標的になる一軒家」の共通点とは?

  • 2026.1.4
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

これがいわゆる「マーキング」と呼ばれるもので、侵入しやすい家や一人暮らしの住人を示す合図として使われていたという説があります。

しかし、実際には今もマーキングは行われているのでしょうか?また、それに対してどんな防犯対策が効果的なのでしょうか?

この記事では、警察官経験のある防犯インフルエンサー りょうせいさんの解説から、マーキングの現状と、見落としがちな防犯のポイントをわかりやすくお伝えします。これを読めば、今すぐできる安全対策がきっと見つかるはずです。

空き巣による「マーキング」って、実際はどうなの?

---玄関周りにアルファベットや数字のような記号が書かれていることがあるそうですが、本当にそれは空き巣のマーキングなのでしょうか?

りょうせいさん:

「確かに、過去の空き巣事件などでは、玄関周りにいわゆる「マーキング」が残されていた例が報告されたこともあります。
表札やインターフォンの側面などに、アルファベットや数字のような記号が記され、「一人暮らし」や「住人の属性」を示していたとされるケースもありました。

ただし、現在は地図アプリで位置情報を共有できたり、やり取りが自動的に消えるSNSなど、より効率的で秘匿性の高い方法が普及しています。
そのため、わざわざ目に見える形でマーキングを残すケースは、以前に比べて減ってきていると考えられます。

実際に筆者が携わった組織的な空き巣事件でも、下見の際に現場へ目印を残すことはなく、情報共有はSNS上で行われていました。
そのため、現在の防犯対策では、マーキングの有無だけに注目するよりも、玄関周りの環境や生活感といった「隙」に目を向けることが重要だと言えるでしょう。」

玄関周りの環境が泥棒に与える印象とは?

---泥棒は『侵入しやすさ』だけでなく、『住人の防犯意識の低さ』も玄関から読み取ると言います。例えば『ビニール傘が出しっぱなし』『枯れた植木鉢がある』など、プロから見て『この家は隙だらけだ』と判断されてしまう、玄関周りのNGアイテムや状態とは何でしょうか?

りょうせいさん:

「泥棒は、玄関周りから『侵入しやすいか』だけでなく、『この家はどれだけ防犯に気を配っているか』も見ています。その判断材料になるのが、玄関周辺の環境や管理状態です。

例えば、防犯カメラやセンサーライトが設置されていない、もしくは配線がなくダミーのように見える場合や、インターフォンにカメラ機能が付いていない場合は、警戒心が低い家だと受け取られることがあります。また、郵便受けにチラシが溜まっている状態も、『日常的に人の目が入っていない』と判断される要素の一つです。

さらに、自宅周辺の雑草が伸び放題になっていたり、敷地内や周囲にゴミが落ちていたりするなど、全体的に手入れが行き届いていない家は注意が必要です。こうした状態は、家人だけでなく近隣住民からの関心も薄いと見られやすく、犯人にとって心理的なハードルが下がってしまいます。

警察官時代に扱った空き巣事件でも、防犯カメラやインターフォンが設置されていない、家周りが整備されていないといった特徴を持つ住宅が、狙われやすい傾向にあります。玄関周りや自宅周辺を清潔に保つことは、それだけで『見られている家』『管理されている家』という印象を与え、防犯対策として有効だと言えるでしょう。」

今すぐできる玄関周りの防犯対策は?

---狙われないために、玄関周りに『何を』プラスすれば効果的でしょうか? センサーライトや防犯砂利、あるいは『猛犬注意』のステッカーなど、泥棒が『この家は面倒くさそうだ(侵入に5分以上かかりそうだ)』と犯行を断念する、コストパフォーマンスの高い防犯グッズを教えてください。

りょうせいさん:

「狙われないための対策というと、防犯グッズに目が向きがちですが、その前に意識してほしいのが「環境を整えること」と「異変に気付くこと」です。
1でも触れたように、マーキングの有無は断定できませんが、だからこそ日頃から家周りを清潔に保ち、普段と違う点にいち早く気付くことが重要になります。

例えば、インターフォンや表札、水道メーター周辺に身に覚えのない変化があったり、インターフォンの履歴に見知らぬ人物が映っていたりした場合は、被害がなくても警察に相談して構いません。
こうした情報は、被害を未然に防いだり、近隣で発生する別の事件の手がかりになることもあります。
早めに相談すること自体が、立派な防犯対策です。

その上で、玄関周りに取り入れやすい対策としては、防犯カメラやセンサーライトが挙げられます。
防犯カメラは本物でなくても、外から見て設置されていると分かることが大切で、ダミーでも一定の抑止効果が期待できます。
また、人の動きで点灯するセンサーライトも、「見られている」と感じさせる有効な手段です。

さらに、防犯砂利を敷くことで足音が出やすくなり、侵入をためらわせる効果があります。
犬を飼っている場合は、大きな鳴き声そのものが強い抑止力になります。

身近な工夫としては、自宅に自転車がある場合、不在時でも玄関付近に置いておくことで「人の出入りがある家」という印象を与える方法もあります。
ただし、同じ場所に置きっぱなしにせず、日によって位置を変えることや、ホコリをかぶらせないこと、施錠をきちんと行うことが前提になります。

防犯対策は、高価な設備をそろえることだけが正解ではありません。
「整えている」「気付いている」「相談している」という姿勢を見せることが、結果的に犯人にとって「面倒な家」と感じさせ、狙われにくくすることにつながります。」

玄関周りの環境づくりで防犯力を高めよう

空き巣の「マーキング」は昔より減っているものの、だからといって油断は禁物だということです。目に見える記号の有無に一喜一憂するよりも、まずは玄関周りの環境を整え、日常からの異変に気づくことが何より重要です。

防犯カメラやセンサーライトの設置、郵便受けの整理、雑草やゴミの処理、自転車の位置換えなど、身近な工夫だけでも「見られている家」「管理されている家」という印象を与えられます。こうした対策は、高価な防犯グッズ以上に犯人への抑止力となり得るのです。

そして、もし不審な変化に気づいたら、ためらわずに警察へ相談することも重要な防犯行動です。日々のちょっとした心がけで、あなたの大切な住まいを守りましょう。


監修者:りょうせい(りょうせい 元生活安全課

元警察官(警察歴10年)。生活安全課で行方不明やDVなどの人身事案を担当し、防犯の広報や啓発活動にも携わる。現在は防犯インフルエンサーとして活動し、Xや音声配信(StandFM)を通じて、日常生活に取り入れやすい防犯の工夫を発信している。