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「年明けまで給油は待つべき？」は間違い！ガソリン暫定税率廃止でも「今すぐ満タン」が正解な理由

  • 2025.12.23
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出典：PhotoAC ※画像はイメージです

年末年始に帰省や旅行で車を利用する予定がある方も多いのではないでしょうか。

2025年12月31日をもって「ガソリンの暫定税率」が廃止されることが話題になっていますが、「税金がなくなるなら、年明け（1月1日）まで給油を我慢したほうが安くてお得なのでは？」と考える必要はありません。

政府は「12月31日まで給油を待たなくて大丈夫」「普段通りの給油を」と呼びかけています。その理由は、「すでに安くなっているから」です。

なぜ「年明けまで待たなくていい」のか、そして年末の「給油待ち」にどんなリスクがあるのか、詳しく見ていきましょう。

そもそも「ガソリン暫定税率の廃止」とは？

2025年12月31日をもって、ガソリン税等の上乗せ分である「暫定税率（当分の間税率）」が廃止されます。この暫定税率は、1974年に道路整備を進めるための財源として導入されたもので、ガソリンの場合は1リットル当たり25.1円、軽油の場合は17.1円です。

ガソリンには揮発油税および地方揮発油税が課されており、暫定税率はこれらに含まれる税金の一部です。軽油の場合は軽油引取税に含まれています。なお、軽油の暫定税率（17.1円）の廃止は2026年4月1日が予定されています。

では、この暫定税率が廃止されると、ガソリンの価格は25.1円下がるのでしょうか？答えは「いいえ」です。暫定税率の廃止当日に、ガソリンの価格が一気に25.1円下がるわけではありません。

なぜ「年明けまで待たなくていい」のか？

資源エネルギー庁は、2025年5月からガソリンなどの燃料油価格について定額を補助する支援を実施しています。この補助金を11月中旬から段階的に拡充することで、暫定税率を廃止するのと同じ水準の価格引き下げ効果が、すでに実現されているのです。

具体的には、ガソリンへの補助金は11月13日に15円、11月27日に20円、そして12月11日には暫定税率と同水準の25.1円に拡充されました。つまり、12月中旬頃からは、暫定税率廃止と同じ効果がすでに価格に反映されているということです。

なぜこのような段階的な拡充を行うのかというと、急激な価格変動による買い控えなどの流通の混乱を抑制するためです。2008年の暫定税率失効時には、ガソリンスタンドで給油を待つ車による道路渋滞や、ガソリンの品切れが発生しました。このような混乱を避けるため、1回当たりの変動幅を最大5円程度に抑えながら、2週間ごとに補助金を拡充する仕組みになっています。

補助の効果はガソリンスタンドの在庫状況により徐々に価格に反映されるため、一定の時間がかかりますが、順次値下がりしていく形になります。

年末の「給油待ち」にはリスクも！普段通りの給油を

「年明けに安くなる」と勘違いして1月1日まで給油を待つと、どんなリスクがあるのでしょうか。

まず考えられるのが混雑リスクです。多くの人が「1月1日に安くなる」と誤解してガソリンスタンドに殺到すれば、大渋滞が起きる可能性があります。せっかくの年末年始の移動時間が、給油待ちの時間で失われてしまうのは避けたいところです。

さらに深刻なのが、ガス欠や災害時のリスクです。ギリギリまで給油を粘ることで、年末の移動中にガス欠を起こしてしまう可能性があります。また、災害はいつ起こるかわかりません。東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震、そして2024年1月の能登半島地震などでは、災害発生直後にガソリンや灯油を買い求める「パニック・バイ（恐怖や不安による衝動的な買いだめ）」がたびたび発生しました。

ガソリン車を満タンにしておくと、55リットルの車であれば約2日間、車内で過ごせるというデータもあります（車種や条件により異なります）。万が一の災害時に備えて、車の燃料メーターが半分程度になったら満タンにするなど、普段から備えておくことが重要です。

「混雑を避けて早めの満タン」が賢い選択

ガソリンの価格は、暫定税率廃止に向けて順次値下がりしていきますが、すでに12月中旬から同水準の引き下げ効果が実現しています。年明けまで待つ必要はありません。

混雑を避けて早めに満タンにしておくのが賢い選択です。年末年始は余裕を持って、安全運転を心がけましょう。

参考：
政府広報オンライン（@gov_online）公式Xアカウント
燃料油価格定額引下げ措置（資源エネルギー庁）
ガソリンの暫定税率（当分の間税率）の廃止でガソリン代はどうなるの？よくいただく質問に、資源エネルギー庁がお答えします！（資源エネルギー庁）

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