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【栁俊太郎さんインタビュー】村田沙耶香さんの衝撃作が初の映像化 「どこかリアルで未来にあるかもしれない世界」

  • 2025.12.1

Yanagi Shuntaro 栁俊太郎

出典:シティリビングWeb

「コンビニ人間」で第155回芥川龍之介賞など数々の文学賞を受賞した村田沙耶香さんが2015年に上梓した長編小説「消滅世界」。SFの空気をまといながらも、普通や正しさを問いかけてくる同作が初の映像化。人工授精での妊娠・出産が常識となり、家の外の恋人や二次元キャラクターを恋や性の対象にすることが当たり前になった世界が、ユートピアかディストピアか。見る人によって感じ方の変わる作品。

主人公・雨音と結婚し、やがて実験都市・エデンに移り住む朔を演じた柳俊太郎さん。

「自分が原作を読んだのは5年くらい前でした。そのときはファンタジーだと感じていましたが、今は状況が変わっているし、村田さんが作品を書かれた10年前はもっと状況が違ったと思います。だけど、今このお話が完全なファンタジーではなく、どこかリアルで身近に感じられるものとなっていて、村田さんの頭の中ってどうなっているんだろうと衝撃を受けました。村田さんが紡いだ言葉遣いや世界観が、映画としてしっかり落とし込まれていると思います」

前提となる特殊な世界観への理解の深め方は“とにかく原作”だったそう。

「過去や現在が題材であれば、周りにこういう人がいる、自分だったらどう思うかというアプローチで役や作品に向き合うことができるけれど、未来のことで正解がなく、人間の道徳心などもがらりと変わっている世界なので、今の自分が考えても予想でしかないと思いました。原作にリスペクトを込めた脚本だと感じていたので、自分としては少し違和感のある話し方であっても、なにか迷うことがあったら原作を信じる、という方向で朔を演じました」

朔には理解できる一面も。

「朔は登場人物の中でも疑問なくこの世界に染まっていけるタイプ。最初からエデンに対してはポジティブな感情を抱いています。ピュアというか、変なまっすぐさがあり、悩んだときには弱々しくて女々しい部分もある。どこか憎めないキャラクターです。僕自身は朔にまったく共感できないけれど、理解はできました。自分はこういう世界には行きたくないし、なってほしくないと思うけれど、朔は朔でこの世界の中で幸せになろうとしているんだと思います」

栁俊太郎さんの“働く”インフラ

Q.仕事をする上で大切にしていることは?

常にチームで動いているので、人に協力的でありたいし、協力してもらえるような人間でいたいと思っています。子どもの頃からチームスポーツをやっていてチームの目指すゴールのために自分がどうするかを考える環境にずっといたので、人と何かを作り上げることは好きです。なので俳優の仕事は自分に合った職業だと感じています。

Q.逆境の乗り越え方は?

大切なのはモチベーションです。この役を無事に演じきるという大きなモチベーションもあれば、今日帰ったら愛犬に会えるからひとまず今を頑張ろうとか。なんでもいいと思います。小さなモチベーションになるものを常に見つけるようにしています。

【Check】

出典:シティリビングWeb

11月28日(金)新宿シネマカリテほか全国公開

(C)2025「消滅世界」製作委員会

村田沙耶香さんの小説を初の映像化。人工授精の技術が発達し、夫婦が性行為をすることがタブーとされ、恋や性の対象は家の外の恋人や二次元キャラクターと言われる世界で、父と母が愛し合って生まれた雨音(蒔田彩珠)。そのことに嫌悪感を抱き続けた雨音は、あるきっかけで朔(栁俊太郎)と出会い、結婚する。二人は、選ばれた住民たちが一斉に人工授精を行い、生まれた子どもは住民全員で育てる実験都市・エデンに移住することになる。

【PROFILE】

1991年生まれ。宮城県出身。2009年モデルデビュー。2012年から俳優活動をスタート。近年の主な出演作に、ドラマ「夫を社会的に抹殺する5つの方法」シーズン2、NHK大河ドラマ「どうする家康」「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」、映画「#真相をお話しします」「九龍ジェネリックロマンス」「平場の月」など

取材・文/高木明日美(シティリビング編集部)

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