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『貯金が減る人』と『貯金が貯まる人』には“根本的な違い”があった…黒字の人は避けている“2つの無駄使い”【お金のプロが解説】

  • 2025.12.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

物価の上昇が続く中で、家計の貯金が減ってしまい悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

なぜか収支が合わず、どの支出を見直せば良いのかわからない――そんな疑問を抱く人は少なくありません。お金のプロによると、物価高でも貯金をしっかり守れる家計には共通点があります。

本記事では、収支の正確な把握と予算管理を軸に、無駄遣いの見直しまで、金融機関勤務の中川 佳人さんに詳しく伺いました。家計の黒字維持のコツをつかみ、物価高に負けないお金の管理術を学びましょう。

黒字家計を維持できる人が実践する「収支の把握」と「予算管理」

---物価高の中で貯金が減る家計と黒字を維持できる家計では、支出の優先順位のつけ方やお金の使い方に、どのような根本的な違いがあるのでしょうか?

中川 佳人さん:

「物価高の中で貯金が減る家計と、黒字を維持できる家計の違いは、大きく分けて次の2点です。

  • 毎月の収支を把握しているか
  • 予算管理をしているか

まず、黒字を維持できている家計は、物価が上がっている状況でも『今月、何にいくら使っているのか』を把握しています。

一方で、貯金が減っていく家計では、支出管理が曖昧になりがちで、『気づいたらお金が減っている』『どこを見直せばよいか分からない』という状態に陥りやすい傾向があります。収支を把握できていないと、使いすぎている項目が見えず、改善策も立てにくくなるのです。まずは、毎月の収支を把握することが、黒字家計を維持するためのスタートになります。

また、黒字家計は毎月、予算を設定し、その範囲内で生活しています。収支を把握できているため、『家賃が10万円』『食費が5万円』など項目ごとの目安を立てやすく、給料日を起点に現実的な計画を作ることができます。突発的な支出などで項目ごとの予算を超える月があっても、全体で調整でき、結果として黒字家計を維持しやすくなります。

物価が上がり続ける中で黒字家計を保つには、『収支を把握する→予算を設定する→予算内で生活する』という流れを作ることが重要です。まずは家計簿アプリなどを活用し、現状を把握することから始めてみましょう。」

黒字家計を実現するために見直したい無駄遣いとは?

---黒字家計の人が避けている無駄遣いとして、コンビニでの少額購入や使わないサブスクの継続がよく挙げられますが、他にも見落としがちな支出の落とし穴はありますか?

中川 佳人さん:

「黒字家計の人が避けている無駄遣いとして、以下の2つが挙げられます。

  • スマホ代などの通信費
  • 必要以上の保険

前提として、どちらも必要なものであり、その人に合った契約であれば問題ありません。しかし、必要以上のものに加入している方も少なくないことから、『通信費』と『保険』について、自分に合ったプランになっているか確認してみる必要があります。

まず、通信費についてですが、多くの方はスマートフォンで毎月利用している通信料と通話時間を把握していません。これらを把握することにより、自分にとって最適な契約を探すことができます。今は格安SIMも多く出ていますので、まずは通信料と通話料を確認して自分に合ったプランを探してみてください。

次に、保険の見直しです。保険は、万が一の時に備えるもので、私たちが生活する上で必要なものです。ただし、必要以上の保険に加入してしまうことで、保険料の支払負担が多くなり、毎月の生活を圧迫します。万が一が発生した時、いくらの保障が必要なのか、もう一度確認してみましょう。もし、必要以上の保険に入っている場合、契約内容を見直すことをおすすめします。

黒字家計を維持している人は、コンビニの利用や無駄なサブスク契約をしないようにしています。あわせて、より大きな支出である『通信費』と『保険』について最適なプランを選んでいることが多いです。黒字家計実現のため、ぜひ見直してみてください。」

物価高でも貯金を守るために今すぐ始めたい支出の「見える化」

---物価高の中でも貯金を守るために、読者が明日からすぐに実践できる「最も効果の高い見直しポイント」を一つ教えていただけますでしょうか。

中川 佳人さん:

「物価高の中でも貯金を守るために、明日からすぐできて最も効果が高い見直しポイントは『支出を正確に把握すること』です。

どれだけ節約を意識していても、自分が『何に』『いくら』使っているのかが曖昧だと、見直すべき項目が特定できず、頑張りの割に効果が出にくい状態になります。

まずは家計簿アプリを活用し、支出を『見える化』していきましょう。銀行口座やクレジットカードを連携させれば、収支が自動で記録され、日々の確認も短時間で済みます。現金支払いは入力漏れが起きやすいため、可能な範囲で支出をキャッシュレス決済に集約すると継続しやすくなります。

支出が数字で分かると、『コンビニでの買い物』『使っていないサブスク』『保険や通信費の過剰プラン』など、満足度の低い支出や思わぬ出費が見つかりやすくなります。

支出を把握したら、見直しを行っていきます。ここで大切なのは、『我慢を増やすこと』ではなく、『支出を最適化すること』です。

人それぞれ、満足を得られる支出は違います。日々の楽しみを極端に制限してまで見直しを行ってしまうと長続きせず、結果的に黒字家計にたどり着きません。自分の人生を幸せにするような支出は残しながら、満足度の低いものや、無駄な出費を見直すようにしましょう。

1か月だけでも家計簿アプリを利用すると、家計の状態が見えてきます。黒字家計に向けて、まずは『支出を正確に把握すること』から始めてみてください。」

支出の把握と予算管理の習慣化が貯金を守るカギ

物価高が続く今、貯金を減らさず黒字家計を維持するために最も重要なのは、まず「今何にどれだけ使っているか」を正確に把握することです。これができなければ、改善すべき支出がわからず、節約も効果を生みません。

家計簿アプリを活用し日々の収支を見える化した上で、項目ごとに予算を設定し、その範囲内で生活するという習慣を作りましょう。また、大きな支出である通信費や保険は見直しが特に効果的です。ただし、無理な節約ではなく満足度を重視し、生活の質を落とさずに支出を最適化することが、長く続ける秘訣です。

今日からでもできる「支出の見える化」を第一歩に、賢い家計管理を始めてみませんか。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。