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「水道代がムダに」節約のプロが指摘。トイレのレバーで“年間数千円”の節約に…『大・小』の正しい使い分け

  • 2025.12.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

トイレのレバーやボタンを「大」で流すか「小」で流すか、何気なく使っていませんか。

実は、大洗浄・小洗浄・ECO洗浄それぞれに適した使い方があり、水量の違いを正しく理解しないと、思わぬトラブルやムダな費用が発生することも。

この記事では、節水しつつ快適に使う方法を、消費生活アドバイザーの丸山晴美さんに詳しく伺いました。正しい知識を身につけて、家計にも環境にもやさしいトイレの使い方をマスターしましょう。

大洗浄・小洗浄・ECO洗浄の正しい使い分けとは?

---普段使うトイレの「大」や「小」のレバーやボタンには、それぞれ使い分けの決まりがあるのでしょうか?どんな場合にどれを使えばいいのか教えてください。

丸山晴美さん:

「普段、何気なく大・小レバーや、ボタンを押している方が多いかもしれませんが、実は、それぞれに推奨される使い方があります。

TOTO株式会社の『大洗浄・小洗浄・ECO洗浄のご使用方法について』によると、『大洗浄・小洗浄・ECO洗浄小』には、それぞれの使用用途があり、水量が異なります。用途違いで使用した場合、適正な水量が流れず、『便器・排水管のつまり』の要因になるとのことです。

具体的には、大洗浄は『大便やトイレットペーパーを流すとき』の使用で、トイレットペーパーはシングル10mまで、ダブル5mまでが目安です。小洗浄は『小便時や少量のトイレットペーパーを流すとき』で、シングル3m、ダブル1.5mまで。ECO小洗浄はトイレットペーパーを使わない男性の小便などを流すときに使います。

このように、適切な用途に応じて使い分けることが大切です。」

トイレの節水効果と年間の水道代節約のポイントは?

---節約に熱心な方の中には、水道代を削るために、大便時でも『小』で流したり、タンクにペットボトルを入れて水量を減らしたりする人がいます。しかし、これでトイレが詰まって業者を呼べば、修理費(数万円)で数十年分の節約効果が瞬時に吹っ飛びます。アドバイザーとして、絶対に超えてはいけない『赤字確定の節約ライン』をどこに引いていますか?

丸山晴美さん:

「一般的なトイレは大洗浄で約8リットル、小洗浄で約6リットルの水を使用します。最新の節水タイプでは、大洗浄が4~5リットル、小洗浄が3~4リットルが平均でしょう。

水道代は1リットルあたり約0.2円なので、小洗浄と大洗浄の差が1~2リットルで、1回あたり0.2~0.4円の差額となります。

健康な成人の平均的なトイレ回数は1日5~8回程度。

仮に4回分で適切な水量を利用しなかった場合、年間で約292~584円のムダになります。4人家族なら年間1,168~2,336円の水道代がムダになる計算です。

このように、トイレットペーパーの使用量に応じて適切な洗浄レバーやボタンを選ぶことで、ムダのない節水が可能です。」

節水しすぎによるトイレのトラブルと暖房便座の節電ポイント

---レバーの使い分けは基本として、冬場のトイレには『暖房便座』や『温水洗浄』という電気代の伏兵もいます。レバーで節水しつつ、さらに電気代も抑えるために、今日からできる『トイレの最強節約ルーティン』を教えてください。

丸山晴美さん:

「節水を意識するあまり、常に小洗浄やECO小洗浄(使用しているトイレではない場合もあります)で流していると、便器や排水管にトイレットペーパーが詰まる原因となり、修理費用で赤字になる恐れがあります。

トイレの詰まりにかかる修理費用は約1万5,000円以内ですが、修理内容によっては高額になることもあるため、適切な水量を使うことが大切です。

また、30年ほど前に流行した、タンク内に水や砂を入れたペットボトルを沈める節約ワザは絶対にやめましょう。部品の故障や詰まりの原因となる可能性があります。

さらに、暖房便座や温水洗浄便座の節電ポイントとしては、使用後に便座のフタを閉めるだけで年間約1,080円の節約に。

温度設定を中から弱に1段階下げると約820円の節約、洗浄水の温度も同様に1段階下げると約430円の節約になります。冷房期間は暖房便座はオフにするのが基本です。

温水洗浄便座には、『貯湯式』と『瞬間式』がありますが、節電効果の解説は貯湯式のものです。加えて、『おまかせ節電モード』や『ECOモード』など自動で温度を調整する機能があれば積極的に活用すると良いでしょう。」

トイレの水と電気を賢く使う節約術

トイレの大洗浄・小洗浄・ECO洗浄にはそれぞれ適した使い方があり、適切に使い分けることで水道代の節約と詰まりの予防が可能です。

節水を意識するあまり不適切な操作を続けると、逆に修理費用がかさむ恐れがあるため注意が必要です。また、暖房便座や温水洗浄便座も、フタを閉める、温度設定を見直すなどのちょっとした工夫で節電につながり、快適かつ経済的に使用できます。

今日からできる正しい使い方を心がけ、トイレの水と電気のムダを減らし、家計にも環境にもやさしい生活をめざしましょう。


出典:TOTO株式会社『大洗浄・小洗浄・ECO洗浄のご使用方法について』

監修者:丸山晴美(ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー)

22歳の時に節約に目覚め会社員として1人暮らしをしながらも1年で200万円を貯め、26歳で住宅を購入した経験がメディアに取り上げられ、2001年に節約アドバイザーとして独立。食費や通信費など身の回りの節約術やポイ活、資産運用のアドバイスまで幅広く発信。著書・監修書に「大人のおしゃれ手帖」特別編集年間100万円!がんばらなくても貯まるお金の習慣(宝島社)など多数"


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