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「なかなか片付かない…」部屋が散らかる人がやりがち…“3つのNG行動”とは?【整理収納アドバイザーが解説】

  • 2025.12.19
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「なかなか部屋が片付かない」「いつの間にか散らかってしまう」そんな悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。

その原因は単なる「片付け不足」だけではなく、心理的な要因や日々の習慣に潜んでいます。

では、なぜ片付けが続かず、部屋が散らかってしまうのでしょうか。本記事では、その背景を明らかにし、無理なく続けられる片付けの工夫を、整理収納アドバイザーの坂上 正洋さんに詳しく伺いました。散らかりがちな暮らしから脱却し、気持ちいい空間を作るヒントを見つけましょう。

なぜモノが増え、片付かない状態が続くのか?片付かない人のNG行動とは

---部屋が片付かない人に共通する「NG行動」の背景には、どのような心理的要因や生活習慣のパターンが影響しているのでしょうか?

坂上 正洋さん:

「片付かない人に多く見られる『NG行動』は、モノを増やす・管理しない・捨てられない、といった行動です。

その背景には、「もったいない」「まだ使うかもしれない」といった不安や執着心が強く関係しています。特に完璧主義の傾向がある方は、「どうせやるなら完璧に片付けたい」と思い、結果的に行動を後回しにし、部屋がどんどん散らかってしまうという悪循環に陥ります。

また、生活の中で“物の定位置”が決まっていない人も散らかりやすい傾向があります。定位置がないと片付けの判断に毎回エネルギーを使うため、自然と片付けを避けるようになります。これは「意思決定の疲労(decision fatigue)」とも呼ばれ、現代人の多忙な生活では特に起こりやすい現象です。

つまり、散らかる背景には“モノに対する不安・執着”と“意思決定の負担”という心理的要因が大きく影響しており、それが日々の生活習慣として固定化されてしまっているのです。」

先延ばしが招く悪循環。なぜ散らかった部屋を片付けられないのか?

---「とりあえず置き」や「後で片付ける」といった先延ばし行動が習慣化すると、部屋が散らかる根本原因になるのでしょうか?

坂上 正洋さん:

「はい、まさに「先延ばし行動」は散らかる部屋の大きな原因のひとつです。「とりあえずここに置く」「後でやろう」と思ってしまう背景には、“片付けは面倒な作業”という先入観があります。

この小さな先延ばしが日々積み重なることで、気づけば散らかった状態が“当たり前の景色”になってしまうのです。

さらに厄介なのは、この「後回し習慣」が無意識のうちに繰り返され、本人も原因に気づかないまま生活の一部になってしまう点です。そして一度散らかると「片付けるのが大変だ」と感じ、さらに手をつけなくなる…という悪循環が生まれます。

このような先延ばし行動を防ぐためには、「物の定位置を決める」「一つ使ったら一つ戻す」「1日1箇所だけ片付ける」といった“即実行のルール”を生活の中に組み込むことが重要です。完璧を目指さず、できる範囲から小さな行動を定着させることで、先延ばしグセは徐々に解消されていきます。」

片付けの最初の一歩は「モノの定位置をひとつ決める」ことから

---部屋が散らかりやすい人が、明日から無理なく始められる「最初の一歩」として最も効果的な片付け習慣を教えていただけますでしょうか。

坂上 正洋さん:

「最もおすすめの「最初の一歩」は、「モノの定位置をひとつ決める」ことです。たとえば「鍵は玄関の棚に置く」といったように、毎日使うものの“置き場所”を明確にするだけでも、生活にリズムと秩序が生まれます。

いきなり部屋全体を片付けようとすると挫折しやすいので、まずは“生活動線の一部”に注目しましょう。具体的には、財布・鍵・スマホ・リモコンなど、「毎日使うけどよく行方不明になるモノ」に絞って定位置を作るのが効果的です。

こうした小さなスペースで片付けの成功体験を積み重ねた後は、次のステップとして「救急箱」や「靴箱」の整理もおすすめです。どちらも使用頻度が明確であり、”期限切れの物を捨てる”、”履いていない靴やサイズアウトしたものを選定する”という事で整理を実感しやすい場所です。こうした“使う目的がはっきりしたエリア”を優先的に整えることで、暮らしの満足度を高めるアプローチから始めてみましょう。

この小さな成功体験が積み重なることで、「片付けは難しくない」「自分にもできる」という自己効力感が生まれ、自然と整理整頓が習慣化されていきます。最初の一歩を小さく、具体的にすることで、無理なく継続できる環境が整っていくのです。

このように、最初の一歩を小さく・具体的にし、その成功を次のスペースへとつなげていくことで、無理なく片付けの習慣が定着していきます。
きもちいい暮らしを実感できる毎日をめざして、小さな整理から始めてみませんか。」

整理整頓習慣で、気持ちいい暮らしを実現

片付かない原因は、モノへの不安や執着、そして片付けの判断に伴う心理的負担にあります。それが毎日の先延ばし行動につながり、散らかった状態が習慣化してしまうのです。しかし、完璧を目指すのではなく、まずは「モノの定位置をひとつ決める」など小さな具体的な行動から始めることで、その負担を軽減し、自然と整理整頓の習慣を育むことができます。

毎日使う財布や鍵、スマホなど、生活の動線に合わせた狭い範囲からスタートし、成功体験を積むことで「片付けは難しくない」という自己効力感が生まれます。次第に範囲を広げ、「救急箱」や「靴箱」などの身近なスペースを整えることで、暮らし全体がすっきりし、満足度が高まるでしょう。

散らかる暮らしを変えたいと感じたら、まずは今日からできる小さな整理を取り入れてみましょう。無理なく続けられる工夫を重ねることで、きもちいい暮らしが手に入るはずです。


監修者:株式会社ストレージ王 坂上 正洋(整理収納アドバイザー)

トランクルーム事業の経営企画として経営戦略、サービス設計、業界分析やDX推進、広報などに携わり、収納改善・空間活用に関する専門知識をもとに、記事執筆やメディア監修を多数担当。
「専門知識をわかりやすく、暮らしの中で活かせる形にする」ことを得意としています。
利用者のニーズや生活動線に寄り添った視点で、最適なトランクルーム活用やスペース選び、収納改善のポイントを発信しています。


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