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「電気代が上がる原因に」節約のプロが警告。実はムダになっている“暖房の使い方”と「電気代を抑える」裏ワザとは?

  • 2025.12.21
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寒い冬になると暖房器具の使用が増え、それに伴い電気代の高さに驚くことも多いですよね。

なぜ冬の電気代はこんなにも跳ね上がってしまうのでしょうか?エアコンや様々な暖房器具の使い方、住まいの断熱性能など、知らずに損をしているポイントがあるかもしれません。

今回は、冬の電気代増加の原因と節電のコツを、消費生活アドバイザーの丸山晴美さんに詳しく伺いました。今日からすぐに役立つ方法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ冬の電気代は上がるの? 暖房器具と暖房効率の関係

---冬場に電気代が跳ね上がる最大の要因として、暖房機器の使い方や住宅の断熱性能のうち、どのような要素が特に影響しているのでしょうか?

丸山晴美さん:

「冬場に電気代が跳ね上がる主な原因は、エアコン、電気ヒーター、オイルヒーター、電気ストーブ、ホットカーペット、電気毛布といった暖房器具の数や稼働時間が増えることで、電力消費量が増えるからです。

また暖房効率は、マンションや戸建てでも断熱性能の差や暖める部屋の広さでも変わります。例えば、断熱性能が高いマンションかつ狭い部屋と、築年数が古く一戸建ての広い部屋でエアコンを使うのとでは、暖まり方や熱の逃げ方も違うことは明らかでしょう。

また窓も暖房効率に影響を与えます。エアコンなどで暖められた空気は、窓ガラスから逃げていき、外の冷気を窓ガラスから取り込んでしまいます。つまり窓の数や窓の大きさも、暖房効率に影響するため、厚手のカーテンをしっかりと閉めたり、二重窓や断熱ガラスへ交換するなど窓対策をすることも大切なのです。時々、冬場でも窓にレースカーテンや目隠し程度に布を垂らしているだけの場合、これらは暖房効率を著しく下げるため、厚手のカーテンを付け替えるなど早めに対策をすることをおすすめします。」

暖房器具の選び方と使い方で電気代は大きく変わるの?

---暖房の設定温度を極端に上げたり、つけっぱなしにするなど、一見効率的に思える使い方が、実は電気代を跳ね上がらせている可能性はありますか?

丸山晴美さん:

「エアコンに電気ストーブやオイルヒーターなどの熱源を併用することも、電気代が上がる原因になります。同じ併用するなら、エアコン+こたつの組み合わせがおすすめです。エアコンは、立ち上がり時は多くの消費電力を使いますが、設定温度に到達すると、消費電力が抑えられ、1時間あたりの電気代は約13~90円ほどです。

そしてこたつは、狭い範囲をあたためつつ、こたつカバーで熱が逃げにくくなっているため、1時間当たり約2~20円と電気代も他の暖房器具に比べても、節電効果が高いと言えるでしょう。

設定温度と現在の室温との差が大きいほど、エアコン(ヒートポンプ式の場合)はより多くのエネルギーを使って室温を上げようとします。特に電気ヒーターやオイルヒーターなどでは、設定温度が高いと常に高い出力で運転をし続けるため、消費電力が非常に大きくなります。

必要以上に室温を上げると、外気との温度差が大きくなりすぎます。その結果、窓からの熱損失が増加し、暖房効率が悪くなることがあります。」

冬の電気代節約のポイントは? 暖房器具の使い方と住まいの工夫

---冬の電気代を無理なく抑えるために、読者が今日から実践できる「最も効果的な最初の一歩」を教えていただけますでしょうか。

丸山晴美さん:

「誰もいないのに、エアコンや暖房器具をつけっぱなしにしているのはムダです。電気ストーブやこたつといった暖房器具はこまめに切るようにしましょう。ただし、エアコンは立ち上げ時に大きな電力を使うため、10~30分程度の外出なら点けっぱなしのほうが、節電になるという調査結果もあるためエアコンは例外です。

また、暖房機器の種類によっては、長時間稼働させ続けることで内部の部品に負荷がかかり、長期的には効率が低下したり、故障の原因になったりすることもありますので、定期的なメンテナンスを心掛け、いつもより調子が悪いなど、違和感があるときは、使用を控えるようにしましょう。

今からでもすぐにできる節電対策は、エアコンや暖房器具の設定温度を室温が20℃になるように設定しましょう。そのときに、リモコンに「ECOモード」や「自動運転モード」があれば、それも「ON」にしておくとエアコンや暖房器具自体が室温を自動的に感知して、最も効率のよい運転をしてくれるため、使いながら節電をすることができます。

ほかに気を付ける点として、窓は厚手のカーテンを隙間なくしめましょう。もし、日中太陽光が差し込むのであれば、カーテンを開けて窓ガラスから太陽の熱を取り込んで、夕方4時くらいにはしっかりとカーテンを閉めて、暖かさをキープします。そして、カーテンと床の隙間から冷気を感じる場合、丸めたバスタオルなどで冷気を防ぎましょう。

また温度だけはなく、湿度にも気を付けましょう。湿度が上がると体感温度が上がるため、濡らしたバスタオルなどを部屋に干したり、加湿器を使うなどして湿度を上げる工夫をしましょう。

肌寒いときには1枚多く着るといった「ウォームビズ」で肌寒さを解消しましょう。例えば下着は発熱インナーを着て、フリースなど1枚多く羽織る。ネックフォーマーやレッグウォーマーを使うことで、さらに暖かさがUPします。

さらに、家族がリビングで一緒に過ごして、暖房を共有する「ウォームシェア」をすることで、それぞれの部屋で暖房や照明を使うよりも、1つの部屋で共有することで、電気代を節約することができるでしょう。」

冬の電気代を賢く抑えるために今日からできること

冬の電気代が跳ね上がる主な原因は、暖房器具の数や使い方にあることがわかりました。同時に、断熱性能や窓周りの工夫、適切な暖房器具の組み合わせ、さらに湿度管理も大切なポイントです。

設定温度を控えめにし、効率的な暖房器具を適切に使い、こまめなオンオフを心がけること。厚手のカーテンで窓からの熱損失を防ぎ、ウォームビズやウォームシェアで無理なく暖かく過ごすことが、電気代節約につながります。

これらは今日からでも始められる簡単な工夫ばかりですので、この冬は賢く暖かく過ごしましょう。


監修者:丸山晴美(ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー)

22歳の時に節約に目覚め会社員として1人暮らしをしながらも1年で200万円を貯め、26歳で住宅を購入した経験がメディアに取り上げられ、2001年に節約アドバイザーとして独立。食費や通信費など身の回りの節約術やポイ活、資産運用のアドバイスまで幅広く発信。著書・監修書に「大人のおしゃれ手帖」特別編集年間100万円!がんばらなくても貯まるお金の習慣(宝島社)など多数