1. トップ
  2. 恋愛
  3. 脳の老化を防ぐ習慣とは? 鍵は「学習」と「挑戦」

脳の老化を防ぐ習慣とは? 鍵は「学習」と「挑戦」

  • 2025.11.24

加齢とともに進む“脳の老化”を遅らせるために

Young woman instructor teaching a man to do pottery using a pottery wheel on a workshop

新しい言語を学ぶ。休日にクロスワードパズルをやる。陶芸教室に通う。刺繍を習う。読書会に参加する──これらはほんの一例に過ぎないが、「新しい物事にトライすること」が、あなたの脳の健康寿命を延ばしてくれるかもしれない。

神経科学者によれば、これまでにない課題を脳に課す行為は、新たなニューロンの形成を助けるという。若々しい脳なんて、向こう見ずだった20代に失ったと思っているなら、それは見当違いだ。研究者のベアトリス・ラレアは著書『The Atomic Brain(原題)』のなかで、脳は再生可能であり、刺激的な環境が神経新生(ニューロン新生)を促進すると説明する。彼女は医学雑誌の『ランセット』に掲載された研究を引用し、認知的なチャレンジが “精神の年金制度” のように機能すると示しており、教育や仕事を通じて長年にわたり脳への刺激が続けば続くほど、認知症のリスクは低くなるそうだ。逆に、退職後の認知機能低下は最大40%加速する可能性があり、その主な原因は脳の活動不足にある。だからこそラレアは、脳を活性化し適応力を保つ最も強力なトリガーとして、好奇心──つまり常に新しいことを学ぶ習慣を身につけるよう、強く勧めている。

学習と神経可塑性の相互的な関係性

「神経可塑性(Neuroplasticity)とは、生涯を通じて脳が適応し、変化し、自らを再構築する能力です」と話すのは、スペイン・マドリードの美容サロン「The Beauty Concept」のアマヤ・マンリケ博士。「私たちの神経細胞は新たな接続を形成し、既存の接続を強化し、代替経路さえも作り出せます」

新しいことを学ぶとき、私たちの脳は新たな接続と経路を形成する。「経路は使われれば使われるほど、強固で早くなります。しかし使われなくなると消え、同じ経路に至るまでに別の経路が優先されたり、新たな経路が作られたりします。どんな活動も、子どものような好奇心を持ってゼロから始めることで、脳が新たな経路を作る助けになります」

“フロー状態”に入ること

新しい趣味を始めたり、仕事で新たなスキルを身につけたりしたときのことを思い出してみてほしい。やる気に満ち、集中力が高まる。気も逸れないし、時間の感覚さえ消えてしまう。これを「フロー状態」と呼ぶ。フロー状態の間は神経可塑性が促進されるだけでなく、幸福感も高まるそうだ。

「私たちが本当に好きな活動に没頭しているとき、もっと言うと、退屈しない程度のチャレンジ性がありながら、挫折するほどは難しくない活動を楽しめているとき、フロー状態に入ります」と、自己啓発コーチのローラ・G・オルティス・デ・サラテは語る。「フロー状態は、時間を忘れてしまうような活動、創造的な緊張を生み出す活動、そして高い生産性を発揮できる活動中に発生します」

新しいことへの熱中、学習のモチベーション、楽しい感覚が沸くと、脳にストレスを与えない範囲でドーパミン──多幸感や脳の「報酬系」に関わる「快楽ホルモン」──が生成される。そのため、フロー状態の間はストレスが消え去るという。

脳を磁気で刺激するTMS治療(経頭蓋磁気刺激)とは

TMS Acronym. Transcranial magnetic stimulation

質の高い睡眠や栄養・ストレス管理といった習慣は脳の健康にとって基本だが、脳を刺激する現代的な方法もある。その一例が、TMS治療(経頭蓋磁気刺激)。「感情調節、認知機能、自己制御に関与する脳の特定領域を磁気パルスで刺激する」、身体への負担が少ない治療法だ。

一般的に、TMSは1回約25分。頭部の特定の部位に、磁気パルスを伝達する装置を当てて行う。ニューロンを活性化し、神経細胞間のコミュニケーションを促進すると同時に、リラックス感も高めるという。「(TMSは)脳が神経経路を選択するのを助ける技術です。脳機能や認知能力の向上、気分の改善、エネルギーの増加、うつや不安症の緩和などに用いられます。人生の選択において、よりよい可能性をもたらしてくれるかもしれません」とマンリケ。十分な効果を得るには、複数回にわたる治療が推奨されている。

Text: Ana Morales Translation: Rikako Takahashi

From VOGUE.ES

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる