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【60代からの終活】万が一に備える「資産管理」と「急に倒れたときに困らない準備術」を司法書士が教えます

  • 2025.11.7

「終活」と聞くと、まだ自分には関係ないと思う方も多いかもしれません。けれど、いざというときの備えは早すぎることはありません。今回は終活のなかでも「お金について」「急に倒れたときのことについて」、専門家である司法書士の太田垣章子さんに伺いました。

お金について考える

元気なうちに使えるように〝お金の計画〟はしっかりと

「『老後が不安でお金が使えない』という悩みをよく聞きます。それは、資産の管理や生活設計ができていないから。わからないから、不安になるのです。保険や預金、年金額を洗い出して、 70代、80代の生活スタイルをイメージすれば、おのずとかかる金額が見えてきます。せっかく自分で貯めたお金なのですから、元気なうちに使っていきましょう。お金は健康だからこそ使えるもの、ということを忘れないでください」

自分のお金を自分のために使えるようにしておく

たとえば、認知症になったら判断能力がないと見なされ、持っている銀行口座が凍結されてしまいます。どんなにたくさんお金が入っていても、そのままではあなたにも家族にも引き出すことはもうできません。最後まで自分のお金を自分で使えるようにするために、「成年後見制度」を活用していただきたいです。成年後見制度とは、判断能力が不十分である人を後見人が支援する制度で、任意後見制度と法定後見制度の2種類があります。

成年後見制度の種類

法定後見制度

判断能力が不十分と判断されてから適応される制度で、家族などが裁判所へ申し立てをするこ とで開始されます。後見人は家庭裁判所が選ぶため、面識のない弁護士や司法書士などが務める場合も。それゆえに、大きな額を動かす場合は後見人が消極的になる場合があるほか、後見人が金銭トラブルを起こしたケースも。

\おすすめはコチラ/任意後見制度

判断能力があるうちに「将来困ったときにこうしよう」と自分で決めて、あらかじめ契約しておく制度です。後見人は自分で選び、公正証書で契約します。開始のタイミングは本人の判断能力が低下してから。自分の意思をしっかり託すことができて安心のため、こちらをおすすめしています。

急に倒れたときのことについて考える

急時、身内にスムーズに連絡がつくようにしておく

「もし自分がひとりでいるときに倒れたら、と考えてみてください。運よくすぐに病院に運ばれたとして、家族やパートナーにきちんと連絡がいくでしょうか。いまは個人情報の取り扱いが厳しいため、連絡先を調べるだけでもひと苦労。そのうえ、電話がかかってきても、家のインターホンが鳴っても出ないという人が多いです。こんな時代だからこそ、緊急時にはそれが大事な人にちゃんと伝わるよう、対策しておかなければなりません」

緊急連絡先を第三者にわかるようにしておく

緊急時に重要なのは、第三者にすぐ緊急連絡先を伝えられること。家の中なら、緊急連絡先(氏名、間柄、電話番号など)を紙に書いて、冷蔵庫のドアなどの目につきやすい場所に貼っておくとよいでしょう。外出先なら、スマホにメモしておくか、緊急連絡先を登録しておくのもいいでしょう(下記参照)。

スマホに自分の医療情報を登録しておく

スマートフォンには、自身の緊急連絡先や医療情報(血液型、アレルギー、かかりつけの病院、使用中の薬など)を登録しておける機能があります。iPhoneなら「ヘルスケア」アプリ→「メディカルID」、Androidなら「設定」→「デバイス情報」→「緊急時情報」などで登録ができます。パスコードを入力しなくてもアクセスして情報を見ることができるため、救急隊員はまずここをチェックするそう。登録しておけば、緊急時でも、第三者にすぐ情報を知らせることができます。

教えてくれたのは

司法書士 太田垣章子さん

賃貸不動産経営管理士、合同会社あなたの隣り代表社員。賃貸トラブル解決や、「人生100
年時代における家族に頼らないおひとりさまの終活」支援に注力し、メディア出演や講演多数。著書に『あなたが独りで倒れて困ること30』(ポプラ社)など。

イラスト/鈴木衣津子 構成・文/平井薫子 ※素敵なあの人2025年12月号「いまから備えておきたい 素敵世代の終活」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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