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【60代エンタメ】風吹ジュンさんにインタビュー!大人の心に響く、映画『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』は希望と再生の物語

  • 2025.10.31

フランスの名優カトリーヌ・ドヌーヴさんを主演に迎え、竹野内豊さん、堺正章さん、風吹ジュンさんら日本の名優陣が共演した映画『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』は、迷える大人たちに救いをもたらす希望と再生の物語。フランス、韓国での公開を経て、いよいよ10月10日(金)より全国TOHOシネマズ シャンテにて先行公開、10月31日(金)より全国公開となります。日、仏、シンガポールの国際共同合作である本作について「舞台は日本だけれど、世界中の人の魂に通じる物語」と語る風吹ジュンさん。本作品の魅力とその世界観について、あらためてその思いを伺いました。

ストーリー

父の死をきっかけに高崎を訪れたハヤト(竹野内豊)。父の部屋で、離婚したハヤトの母・メイコ(風吹ジュン)に、思い出のサーフボードを届けてほしいという父の遺言と、フランス人歌手・クレア(カトリーヌ・ドヌーヴ)のコンサートチケットを見つけますが、その翌日、クレアの突然の死を知ります。ハヤトは父の遺言を果たすため、家を出ていった母を探す旅に出発するのでした。一方、死後の世界でさまようクレアは、ハヤトの父ユウゾウ(堺正章)と出会い、生きている人間には見えない存在としてハヤトの旅を見守ることになります。家族、仕事、人生―さまざまな葛藤を抱える中、旅路でハヤトが辿り着く答えとは?そして、クレアが導く“奇跡”とは――。

ユウゾウのかつてのバンド仲間からアルバムを受け取るハヤト。リードボーカルは元妻メイコで、ハヤトの母。若い両親の写真を見て、過去に想いを馳せるハヤト。

【見どころ1】国境を越え共感を呼んだ、亡き人を偲ぶ日本の死生観

ユウゾウの古いワゴン車で、ハヤトは遺言通りサーフボードをメイコに届ける旅へ。ユウゾウとクレアもハヤトの旅を見届けることに。

――亡くなったあとも思いが残ってしまった人は、生きている人には見えないけれど、生前の世界にとどまっているという死生観について、エリック・クー監督から事前に説明はありましたか? それはありませんでしたが、でも、台本を読んだ時点でエモーショナルな感覚はよく伝わってきました。作品中にはお盆や四十九日という日本人の風習が出てきます。海外の人には理解が難しいのではと思われる方もいるかもしれませんが、宗教は違っても人の思いが霊魂として残る、ときにはそばで見ている、という感覚は人間にとって共通の願いのようものなのではないでしょうか。 それに、脚本は監督の息子エドワードさんなんですよ。だから、きっと年齢も関係ない。そういう思い込みの枠を超えて共有できる感覚を細やかに表現されている作品です。 ーークー監督は、多様な文化が共生する国シンガポールの方ですね。 そうですね。複雑な歴史や背景を踏まえてシンガポールという国は今があるのだと思います。本当に多くの文化が交差する豊かな国であって、差別ではなく受け入れることで発展してきた環境のなかで育った監督の感性が、この作品にはよく現れていると思います。

【見どころ2】カトリーヌ・ドヌーヴの人間としてのリアルな魅力

クレアの死後、書籍化された彼女の日記を読み終え、その人生を知るハヤト。

再開したメイコに複雑な思いを抱くユウゾウ。そっと寄り添うクレア。

――カトリーヌ・ドヌーヴさん演じるクレアは、来日をした伝説的なシャンソン歌手。ご本人が歌われるシャンソンも素敵でした。そして、クレアがハヤトを抱きしめるシーンには希望が生まれる瞬間を感じました。 クレアとしてのお芝居というよりも、カトリーヌ・ドヌーヴさん自身の感情そのものを感じられるようなシーンですね。映画をご覧いただけたら、ドヌーブさんのリアルな人間としての魅力がみなさんにも伝わるんじゃないかなと思います。 ――現場ではどんなご様子でしたか? とっても可愛くてチャーミングな人です。映画同様、普段もタバコをスパスパ吸っているんですが、それがまたかっこよくて(笑)。 ――フランスではすでに映画が公開されたそうですね。 はい。ただ、日本で公開されるバージョンとは少し違います。台詞も含めて、さらに余韻が生かされていて、日本人により理解しやすい作品になっているのではないでしょうか。韓国の釜山映画祭でも高い評価をいただきましたが、上映中に思わぬところで笑いが起きたりして……国によって違う反応が生まれるのも面白いですね。

あらためて気づかされる日本の日常的な光景の美しさ

――作品を拝見して、なにげない日本の日常の室内風景も美しく見えて嬉しくなりました。 すべて日本での撮影でしたが、スタッフはクー監督のいつものメンバーです。撮影現場ではスタッフの方たちは特別なこと何もしていないように見えるのに、編集中の映像に垣間見えるそのタッチや光、切り取り方がとてもいいんですよ。だから、いつもの日本の風景も新鮮に見えるんでしょうね。そのなかに、日本人の堺正章さんや竹野内豊さん、私も入れてもらったっていう感じです。 ――主人公のハヤトを演じる竹野内豊さんの、辛い現実に直面した内実を感じさせる静かな表現にも心が揺さぶられました。 竹野内さんは、大きな芝居をせずにハヤトを繊細に表現されました。私が演じた母親であるメイコは彼女なりの理由はあったにせよ、幼いハヤトを置いて家を出たわけですから、成長した息子を見てそれまでの時間を埋めるにはどうするかという葛藤はありますよね。そのメイコを演じるうえでも、竹野内さんの表現はとても信頼できると思いました。 実は私自身も父親と50年間会えなかった経験があります。だから、竹野内さんが演じられたハヤトが、メイコと対面したときの受け止め方は実感としてわかるんです。監督のエリックも俳優としての竹野内さんが大好きで、それは現場でもすごく感じました。 ――大切な人を失ったとき、なにを支えにすればいいのか……本当にそうなったときの心の拠り所になるような作品ですね。 その人といつも一緒にいると感じるのは本当に大切だと思います。その人を心の中で生かすことも、愛することも尊ぶことも充分にできて、ただ会えないだけ。だからこそ、なにか人に伝えておきたいと思うことがあったら、ちゃんとコミュニケーションを取って悔いのない生き方をしたいですね。そして、最後までなんでも受け入れられる自分でありたいと思います。

作品情報

『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』
TOHOシネマズ シャンテにて先行公開中
10 月31 日(⾦)〜全国拡⼤公開 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ 竹野内豊 堺正章 風吹ジュン
でんでん 鈴木 慶一 五島舞耶 吉田晴登 細野晴臣 久保田麻琴 斎藤 工
監督:エリック・クー
脚本:エドワード・クー/金沢知樹(脚色及び日本語監修)
製作:SPIRIT WORLD 製作委員会
制作プロダクション:Wild Orange Artists KNOCKONWOOD Zhao Wei Films m.i. Movies
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
配給協力:ラビットハウス
© 2024 SPIRIT WORLD 製作委員会
2024 年/日本・シンガポール・フランス合作/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/97 分
映倫番号:60729
映倫区分:G
コピーライト:©L. Champoussin /M.I. Movies /©2024「SPIRIT WORLD」製作委員会 公式サイト
https://spiritworld.jp/

この記事を書いた人 杉村道子

カルチャー系を中心にインタビュー記事を執筆しています。趣味は歌舞伎、落語、ミュージル、ストレートプレイに小劇場と、ひたすら雑食舞台鑑賞。年に何本見ているのか、最近は怖くて数えていません。

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