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【60代エンタメ】山田裕貴VS佐藤二朗の怪演ぶつかり合う!映画『爆弾』は緊迫シーン連続のリアルタイムミステリー

  • 2025.10.30

「このミステリーがすごい!2023年版」で1位に選ばれた呉勝浩の人気小説『爆弾』を、繊細な心理描写とスリリングな映像表現で知られる永井聡監督が映画化。10月31日より全国公開です。

連続爆弾犯かもしれない不気味な男を佐藤二朗さんが怪演し、主演の山田裕貴さんはじめ警察キャストの面々が対峙します。1分後の展開も読めないスリル満点のミステリー。ネタバレなしで見どころを紹介します。

ストーリー

酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された一人の謎の中年男(佐藤二朗)。「スズキタゴサク」と名乗り、名前以外の記憶をすべて忘れたという男は、取り調べの最中にとぼけた表情でこう呟いた。「霊感だけは自信がありまして。10時ぴったり、秋葉原で何かあります」。

野方署の刑事・等々力(染谷将太)や伊勢(寛一郎)が酔っ払いの戯言だと呆れ果てる中、秋葉原のビルが爆発。青ざめる2人を前に、スズキは淡々と「ここから3回、次は1時間後に爆発します」と言い放つ。

前代未聞の被疑者の取り調べに乗り出したのは、警視庁捜査一課の刑事・類家(山田裕貴)と清宮(渡部篤郎)。スズキは刑事たちの問いかけをのらりくらりとかわしつつ、次第に爆弾に関する謎めいた“クイズ”を出し始める。取調室で心理&頭脳戦が続く中、沼袋交番勤務の倖田(伊藤沙莉)と矢吹(坂東龍太)は爆弾捜索に駆けずり回る。一体、スズキの目的、正体とは――?

【見どころ1】想像の10倍おもしろい! 先が読めないリアルタイムミステリー

爆弾のありかを探す警察と謎の男が取調室で繰り広げる駆け引きと、東京中を駆け巡る爆弾探しがリアルタイムで進行する物語。スズキタゴサクと名乗る謎の男が出す独特な「クイズ」や会話のなかには、爆弾に関する重要なヒントが隠されていて、いつどこで爆発が起こるかわからないスリルを観客も味わうことになります。また、隠されたヒントは巧妙な上、スズキタゴサクの言動に惑わされ…先が読めずに何度も「あっ!」と言わされる予想外の展開が重なります。映画を観てハラハラ、ドキドキしたい方には絶対におすすめ!

【見どころ2】恐怖すら感じる!佐藤二朗の怪演と山田裕貴のぶつかり合い

コメディからシリアスまで何でもこなす佐藤二朗さんですが、『爆弾』のなかでは不気味な態度で捜査をかく乱する「スズキタゴサク」そのもので、観ながら恐怖を感じるほどでした。歯並びが悪く少し黄ばんだ歯、二重あごに無精ひげ、坊主頭に10円ハゲ、荒れた指先といった見た目もそうですが、彼ひとりに警察が翻弄され束になってもかなわないような存在感を放っていました。制作スタッフのコメントによると、佐藤さんは事前の「本読み」段階で膨大なセリフをすべて暗記してきており、俳優部の士気を上げたうえで本番に挑んだのだとか。

対する警視庁捜査一課・強行犯捜査係の刑事、類家(るいけ)を演じるのは山田裕貴さん。交渉のプロとしてスズキタゴサクの取り調べを担当します。もじゃもじゃ頭に丸メガネ、スーツに真っ白なスニーカーという冴えない見た目ですが、鋭い観察眼と推理力を持っています。佐藤二朗さんとのセリフの応酬は臨場感あふれ、会話劇を盛り上げます。

【見どころ3】心理戦×アクション×社会派エンタメのバランスが見事

取調室での手に汗握る心理戦・頭脳戦だけでなく、ダイナミックな爆破シーンやアクションも見もの。心理戦はスズキタゴサクと警察との間だけで繰り広げられるだけではなく、警察内部でもそれぞれ立場や性格による思惑や駆け引きが交錯します。

外回りの警察官による捜査は爆破事件の危険と隣り合わせで、取調室とはまた違った緊張感があります。また、犯罪の背景には社会的弱者が抱える問題もあり、SNSの活用や観客に問いを突きつけるようなシーンもあり、社会派エンタメの要素が加わって重厚なつくりになっています。

予告映像を見たときから「絶対に観たい!」と思わせる内容でしたが、実際は想像していた10倍おもしろい作品でした。ぜひ劇場で手に汗握ってください。

作品情報

『爆弾』
10月31日(金)全国公開 監督:永井聡
脚本:八津弘幸 山浦雅大
原作:呉勝浩「爆弾」(講談社文庫)
出演:山田裕貴 伊藤沙莉 染谷将太 坂東龍汰 寛一郎 片岡千之助 中田青渚
加藤雅也 正名僕蔵 夏川結衣 渡部篤郎 佐藤二朗
主題歌:宮本浩次「I AM HERO」(UNIVERSAL SIGMA) 配給:ワーナー・ブラザース映画
©呉勝浩/講談社 2025映画『爆弾』製作委員会
https://wwws.warnerbros.co.jp/bakudan-movie/

この記事を書いた人 富田夏子

エンタメ&フード分野が得意なライター歴20年の経験を活かし、「映画ごはん研究家」として “映画とごはんをつなぐメディア”をSNS上で運営。映画と食に関連する情報や体験をシェアしている。 雑誌やWEBへの映画レビュー連載歴は13年で、俳優や映画監督のインタビューを多数手がける。料理取材の試食は残さず食べる食いしん坊。

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