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ファーストクラスのCAが突然“行方不明”に…元CAが語る、深夜の“神隠し騒動”の真相「そんなことある?」

  • 2025.11.24
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出典:photoAC(写真はイメージです)

みなさま、こんにちは。元国際線CAのかくまるめぐみです。

客室乗務員として乗務していると、急病人の対応やお客様同士のトラブルなど、予期せぬ事態に遭遇するのは珍しいことではありません。

しかし、ときには客室乗務員がハプニングの当事者になってしまうことも。

そこで今日は、客室乗務員のうっかりミスから始まった「まさか機内で神隠し?」と騒然となったエピソードをご紹介します。

ファーストクラス担当のCAが姿を消した......

ヨーロッパへ向かう夜間フライトの、ファーストクラスで起きたエピソードです。

夜間便ということもあり、お食事のサービスが終わると、ほとんどのお客様は座席を倒してお休みになっており、機内は静かな雰囲気に包まれていました。そんな中、チーフパーサーが機内巡回のためファーストクラスを離れることに。

チーフパーサーは「巡回してきます」と一緒にファーストクラスを担当していたCAに声をかけようとしたところ、そのCAの姿がどこにも見当たらないのです。(勤務していた航空会社では、ファーストクラスはチーフパーサーともう1人の客室乗務員がペアで担当していました)

ファーストクラスのサービスが一段落すると、まだお食事の提供が終わっていないビジネスクラスやエコノミークラスへ応援に入ることはよくあります。それでも、チーフパーサーに何も告げずに持ち場を離れることは通常ではありえません。

さすがにチーフパーサーも心配になり、機内のインターフォンで「◯◯さんを見かけませんでしたか?」と情報共有を呼びかけました。

しかし、返ってくるのは「こちらにはいないようです」という返事ばかりだったのです。

機内の全トイレを確認しても姿を消したCAは見つからず、乗務員の間では「まさか機内で神隠し!?」と騒然となりました。

暗闇に光る不思議な光..まさかの場所でCAを発見!

CAがフライト中に機内で忽然と姿を消してしまうとは、前代未聞の事態です。

それでもチーフパーサーには、全客室の安全確認と快適なサービス提供ができているか、機内巡回で確認するという重要な任務があります。そこで、チーフパーサーが機内を巡回している間、私が消えたCAの代わりにファーストクラスの留守番を任されることになりました。

そして、何気なくファーストクラスの客室を見渡していたそのとき、客室前方に不自然な光がチラチラとする異様な光景が目に飛び込んできたのです。

「何の光?まさか、お客様が喫煙されているのでは?」と緊張しながらその光に近づくと、お客様の上着やコートをお預かりするコートルームの隙間から光が漏れ出しているではありませんか。

一瞬、状況を理解できませんでしたが、慌ててコートルームの扉を開けると…なんと、コートルームの中にフラッシュライトを片手に持った、例の姿を消したCAが立ち尽くしていたのです!(コートルームは女性1人が中腰で入れるくらいのスペースがありました)

救出劇に活躍した「CAの必需品」とは

あまりにも想定外すぎる光景に、咄嗟に口から出てきたのは「どうしてここにいるの?」という言葉でした。

すると、彼女は申し訳なさそうに「お客様からお預かりした上着をハンガーにかけていたら、扉が閉まってしまって…」と。コートルームは中からは開閉できない仕組みになっていたため、閉じ込められてしまったというわけです。

しかも、夜間フライトでお客様方はお休み中だったことから、扉を叩いて音を出して助けを求めるのは躊躇したとのこと。そこで彼女が思いついたのが、コートルームの扉の隙間からフラッシュライトの光を出して、同僚CAの誰かに気づいてもらうという作戦だったのです。

実は、客室乗務員にとってフラッシュライトは「フライト中の必需品」の1つといっても過言ではありません。

フラッシュライトの主な用途を簡単にご紹介すると、次のようなものがあげられます。

  • 飛行機のドア開閉時に、機外のグランドスタッフへ合図を送る
  • 緊急事態で機内が暗くなった際に使用する
  • 暗い客室を歩く際に、転倒防止のために通路を照らす
  • 暗い客室で手元の書類を読む際に使用する(お客様の安眠を光で妨害しないため)
  • お客様が足元に落とし物をされた際に座席下を照らす など

このように、フラッシュライトは重要な役割を担っているため、私が勤務していた航空会社では、客室乗務員はみんな小型のフラッシュライトをポケットなどに忍ばせていました。

とはいえ、まさかフラッシュライトがコートルームからの「救出信号」として使われるとは、想像だにしていませんでしたが…。

CAのうっかりミス、大騒動の舞台裏

コートルームからの救出劇に「そんなことある?」と、客室乗務員の間で笑いの渦が巻き起こったのはいうまでもありません。

とはいえ、当の本人は「このままずっと誰にも気づかれなかったらどうしよう…。最後は扉を叩いて助けを求めるしかないかな」と、かなり不安だったそうです。

実際の時間にすると10分もなかったはずですが、コートルームに閉じ込められていた彼女にとっては、とてつもなく長い時間に感じられたことでしょう。

幸いにも、CAにもお客様にも何の被害もなく、笑い話として語り継がれるエピソードとなりました。しかし、ちょっとした気の緩みやうっかりミスが、重大な事故やトラブルに発展しかねないという教訓でもあります。

安全第一の航空業界において、常に緊張感を持って業務にあたる大切さを、改めて実感した出来事でした。


ライター:かくまるめぐみ
大学卒業後、日系航空会社に客室乗務員として入社。国際線をメインに乗務し、世界中を飛び回る。結婚を機に退職し、イタリアへ移住。現在も家族とともにイタリアに在住し、Webライターとして活動。客室乗務員の経験から培った「細やかな心配り」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。


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