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地下鉄利用者「本当に怒られた」エスカレーターで歩く利用者…福岡市の“新対策”に「効果的だ」「止まらない人も」

  • 2025.11.13
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

福岡市地下鉄は2025年11月4日から、エスカレーターの利用マナー向上のための新たな取り組みとして、AIを活用した啓発を始めました。エスカレーター利用時の事故が後を絶たない中で、問題解決のための一助となる期待が寄せられています。

はたして、具体的にどのような試みが行われているのでしょうか?また、そもそもエスカレーターを利用する際に立ち止まるべき理由とは?詳しく紹介します。

福岡市地下鉄の取り組みについて

福岡市地下鉄は11月4日の午前7時から、エスカレーターの利用マナー向上のための新たな取り組みとして、AIを活用した啓発を実施しています。

実施場所は天神駅(西口・中央口・東口)、博多駅(博多口・中央口)の計10ヶ所。取り組みの概要として、下記のように説明しています。

LiDARセンサーが検知した情報をAIが解析して、下記内容の音声啓発を行います。

(1) エスカレーター上を歩く方への注意喚起
歩いているお客様に対して、歩行を止めるよう音声で注意喚起します。

(2) 片側が空いている際の二列利用を呼びかけ
片側が空いていて、乗り口付近に待機列が発生した場合、二列で利用するよう音声で呼びかけます。
出典:エスカレーターの利用マナー向上のためAIを活用した取り組みを開始します!(福岡市地下鉄)

福岡市地下鉄のエスカレーターを利用した方の声

今回の福岡市地下鉄の取り組みには、エスカレーターの利用マナー向上につながるものとして期待が寄せられています。

SNS上では、「片側明けは搬送能力が低下するからね」「効果的だと思います」といった前向きなコメントが寄せられていました。

実際に利用した方からは、「実際に、歩くのをやめている人を見かけました」「『片側が空いています』と言われたので右側にずれた」「試しに歩いてみたら、本当に怒られてびっくりした」という声も。

一方で、「何度もアナウンスしているのに止まらない人が結構いた」「止まらない人がいるからずっとアナウンスが流れ続けている…」という目撃情報もあり、「ルールを守らない人には、これくらいではダメかも」「もっと厳しい言葉で注意したほうがいい気もする」など、AIによる音声啓発のみで利用マナーが向上するのか疑問を抱くコメントも。より厳しい対策を講じてはどうかとの指摘もありました。

どうして立ち止まる必要があるの?

エスカレーター利用に関して、急いでいる利用者のために片側を空けるのがマナーだと考えている人もいるようです。しかし、以前から、エスカレーター利用時は手すりに掴まり立ち止まるよう注意喚起が行われています。

消費者庁は2015年7月22日、「エスカレーターでの事故に御注意ください!」を公開。東京消防庁の管轄内で、2011年から2013年までの3年間で3,865人が、エスカレーターでの事故により救急搬送されている事実が報告されています。転倒や転落などの事故から身を守るため、手すりに掴まり、立ち止まるよう注意を呼び掛けました。

また、資料によると、そもそもエスカレーターの安全基準は「ステップ上に立ち止まって利用することを前提」としています。子どもや高齢者、体の不自由な方の安全を確保するためにも、立ち止まって利用することを求めています。

他にも、東京メトロは2024年7月22日から8月31日まで、全国の鉄道事業者57社局・5団体や空港施設、商業施設、自治体と共同で、エスカレーターの安全利用を呼び掛けるキャンペーンを実施しました。ポスターの掲出やディスプレイ広告の掲載などを通じ、全ての利用者が安心、安全にエスカレーターを利用できるよう働き掛けています。

大阪・関西万博でも実施例がある

大阪・関西万博でも類似の取り組みが行われていました。

日立製作所と日立ビルシステムは大阪・関西万博の開催に向け、LEDを活用し「エスカレーターの片側空け」を抑止する新機能を搭載したエスカレーターを開発。

片側空けをさせずに誘導することで滞留や混雑を緩和し、安全性を向上させたいという狙いがあります。実際に設置された会場では、二列での利用の様子が見られたという報道があり、SNSでもこの取り組みに賛同する声が多数投稿されていました。

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AIによりエスカレーターの利用マナーは向上するのか?

福岡市地下鉄の取り組みがエスカレーターの利用マナー向上に効果的であるというデータが出れば、他の駅や施設でも同様の試みが行われる可能性もあるかもしれません。

そうすれば、転落や転倒などの事故が減り、今までよりも安心安全に利用できるようになるかもしれません。今後の動向に注目が寄せられます。


参考:
エスカレーターの利用マナー向上のためAIを活用した取り組みを開始します!(福岡市地下鉄)
エスカレーターでの事故に御注意ください!(消費者庁)
エスカレーター「歩かず立ち止まろう」キャンペーンの実施について(東京メトロ)
ニュースリリース(株式会社日立ビルシステム)


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