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万博会場のエスカレーターで 来場客がとった行動に「日本中に広まってほしい」「同一視はできない」

  • 2025.10.1
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

終幕が迫りつつある大阪・関西万博。公式ホームページでも「来場日時予約枠は概ね埋まっている状況」と公表され、連日20万人を超える多くの人々が足を運び、大いに盛り上がっているそうですが…思いがけない方面にも影響を与えているようです。

実は、大阪・関西万博会場内で「来場客の多くがエスカレーターを2列で立ち止まって利用している」と報じられ、SNSでは「日本中に広まってほしい」「素晴らしい文化」など称賛の声が多くあがっています。

エスカレーターでは片側を空けてもう片側を歩いて利用する、という習慣が根強く残っていますが、実際にエスカレーターでの歩行による事故は少なくないようです。

では、エスカレーターを歩行することでどのような危険性があるのでしょうか。また、大阪・関西万博ではどのような対策が取られていたのでしょうか?詳しくご紹介します。

日本中に定着してほしいと望む声

大阪・関西万博でエスカレーターの隣をあけず立ち止まって利用する光景に対し、できるなら日本中に定着してほしいと望む声が寄せられました。

  • 日本中に定着してほしいよね。
  • 大阪・関西万博以外にも広まってほしいな。
  • お願いだから、これが一般化してほしい。
  • 素晴らしい文化だと思います。

また、そもそもエスカレーターで歩くのは危険であると注意を呼びかける方も多数いらっしゃいました。

  • そもそも、エスカレーターで歩くのは危険だから止めるべき。
  • デフォルトでこの乗り方にするべきだよね。
  • マナー以前に、事故や故障につながるから歩かないでほしい。

どうしても急いでいるときは階段を使うべき、という指摘も多く見られました。また、エスカレーターだけでなく階段の設置にも力を入れてほしいと望む声も。

  • 急いでいるなら階段を使うべきでは。
  • 安全のためにも急ぐ人は階段を使ってほしい。
  • 自分はマイペースに登りたいので階段をよく使います。
  • エスカレーターだけでなく、階段ももう少し普及してほしい。
  • 広い階段がほしい。

多くの鉄道会社や自治体の呼びかけなどもあり、エスカレーターでの歩行が危険であるという認識は、世間に徐々に浸透してきていることがわかります。

「片側空け」「歩行利用」せざるを得ない状況

しかし、大阪・関西万博では急いで移動している人がいないため、エスカレーターで歩く人がいないのではないかと指摘する声も多く寄せられました。他の場所と同一に考えることはできないという考え方です。

  • 定着してはいないと思うな。単純に、急いでいる人がいないだけだと思う。
  • 通勤時と大阪・関西万博を同一視はできないよね。
  • 急いで移動したい人がいないんじゃない?
  • テーマパークと主要駅では用途が違うと思う。

また、通勤ラッシュ時など急いでいる人が多い場所では立ち止まるのが難しいと嘆く声も。実際に、たくさんの利用客がいる主要駅などでは、歩かざるを得ない状況もあるでしょう。片側の歩行利用の習慣は根強いのが現状です。

  • 片側の進みが悪いと、電車が来るたびに待ち列がどんどん増えてしまう。
  • 既に定着している習慣を変えるのはなかなか難しい。
  • 立ち止まったら舌打ちされたことがある。

「二列での立ち止まり利用」が浸透しない背景には、混雑や駅の構造、利用客の認識の違いなども原因の一つとなっているのかもしれません。こうした根本的原因の改善は、自治体や企業などの大きな課題と言えそうです。

夢洲駅では「片側空け」を抑止するシステムが導入

大阪・関西万博の最寄り駅「夢洲駅」では、「片側空け」という従来の習慣を変える試みが導入されています。

日立製作所と日立ビルシステムによると、夢洲駅向けに開発されたエスカレーターには、「エスカレーターの片側空けを抑止する新機能」が搭載されており、二列での立ち止まり利用を誘導するよう設計されています。

その仕組みは、「二列で乗る立ち位置へのLED誘導表示」「移動スピードに合わせたLED照明」「段差を強調させるLED照明」など複数の視覚的演出の組み合わせによって、利用者の無意識の行動を後押しする方式です。

駅の構造上、ホーム中央には3台並列の上りエスカレーターが設置されており、ここに集中する来場者を“片側空け”させずに誘導することで滞留や混雑を緩和し、安全性を向上させたいという狙いがあります。

このように、「片側空け」という習慣を装置側で抑制しようという試みはかなり先進的です。最寄り駅でのこうした取り組みが、会場内の「二列での立ち止まり利用」が広まった理由の一つかもしれません。

エスカレーターを安全に利用するために

実際に、エスカレーターでの歩行による事故は少なくありません。

消費者庁には「足をふみはずして転落した」「後方から上がってきた人に杖に接触されてバランスを崩して転倒した」といった事故情報が多く寄せられており、歩行することで重大な事故につながる危険性を指摘しています。

エスカレーターは、誰もが安全に移動できるよう「立ち止まって利用する」ことを前提に設計されています。

片側を空けて歩く習慣は一見便利に思えますが、実際には接触や転倒の危険を高める原因となり、特に高齢者や子どもにとって大きなリスクになります。急いでいるときでも、エスカレーター上では二列で立ち止まることが望ましいでしょう。

なるべく早く移動したい、という方は階段を利用するのも一つの手かもしれません。しかし、駆け上るなどはせずに周囲への危険が及ばない範囲で利用しましょう。

危険性を再認識しましょう

今回は、大阪・関西万博での「エスカレーターの二列で立ち止まり利用」に対する世の中の反応をご紹介しました。

全国的にこの習慣が広まってほしいと思っている方も多いようです。そもそもエスカレーターでは歩くべきではない、という内容のコメントも多数。また、急いで移動したいなら、階段を利用するべきであると指摘する声もありました。

消費者庁に寄せられた事故事例にもある通り、エスカレーターでの歩行は重大な事故につながる恐れがあります。しかし、「片側を歩行する人のために空ける」という習慣は根強く、認識の相違によるトラブルも少なくありません。また、構造上の問題による混雑なども「歩行利用」がなくならない原因と言えるでしょう。

危険性を改めて理解し、乗客全員が安全に利用できるような社会になるといいですね。


出典:「エスカレーターでの事故に御注意ください!」(消費者庁)(https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/558209.pdf)(2025年9月25日に利用)、「Vol.661 エスカレーターでの転倒・転落事故に注意!」(消費者庁)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20250523/)(2025年9月25日に利用)、「ニュースリリース」(日立)(https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/12/1225.html)(2025年9月30日に利用)

参考:「公式サイトでのチケット販売とゲート前での当日券販売の終了および未利用チケットの当日券交換の実施について」(EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト)(https://www.expo2025.or.jp/news/news-20250925-01/)(2025年9月25日に利用)、「来場者数と入場チケット販売数について」(EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト)(https://www.expo2025.or.jp/news/news-20250929-02/)(2025年9月30日に利用)


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