『なぜか頼りたくなる人』はやっている…「励ます」でも「褒める」でもない、“相手を包み込む言葉”とは？

あなたの周りに、「話しているとホッとする」「つい相談したくなる」と感じる人はいませんか？ そのような“頼りたくなる人”は、一般的な励ましや褒め言葉とは少し違うコミュニケーションのコツを持っています。ただ単に「大丈夫、がんばれ！」や「凄いね」と伝えるだけではなく、相手の感情を受け止め、まるで大きな包みの中に包み込むような安心感を与えているのです。

今回は、そんな頼りたくなる人が実践している“相手を包み込む言葉”の正体と、その背景にある心理について考えてみましょう。

励ます・褒めるだけじゃ足りない？頼られる人が使う“包み込む言葉”の特徴

「励ます」「褒める」はコミュニケーションの中でもポジティブな言葉としてよく使われます。しかし、これらだけでは相手の心に十分に届かない場合もあります。心理学の研究によると、励ましの言葉が強すぎると相手にプレッシャーを感じさせてしまうことがあり、また過剰な褒め言葉は逆に距離を感じさせてしまう場合があります。

では、頼りたくなる人はどんな言葉を選んでいるのでしょうか？その答えとして注目されるのが「共感」と「受容」をベースにした言葉です。たとえば、相手の気持ちを理解し「それは大変だったね」「そう感じるのはもっともだよ」と感情を認めることで、相手は自分が尊重されていると感じやすくなります。また、自分の感情が受け入れられた実感は、人間関係の安心感を高める効果があると示す研究もあります。

つまり、「励ます」「褒める」だけでなく、「そうなんだね」「わかるよ」といった包み込むような優しい共感の言葉こそが、頼られる人の会話の核と言えそうです。

相手を包み込む言葉の具体例

では、実際にどんな言葉が“相手を包み込む”のでしょうか？使われ方の例をいくつか挙げてみましょう。

• 「話してくれてありがとう。あなたの気持ち、ちゃんと伝わってきたよ」
• 「そんな風に感じるのは当然だね。無理しなくて大丈夫だよ」
• 「ゆっくりでいいから、あなたのペースで大丈夫だからね」

これらの言葉は、相手の感情を受け止めていることを伝えつつ、無理に行動を促さずに相手自身の状況や感情のペースを尊重しています。こうした言葉が自然に使える人は、相手に「ここなら安心して話せる」と感じさせられ、結果として頼りたくなる存在になっているのでしょう。

この背景には、信頼感を育てるコミュニケーションの重要性が関わっています。信頼関係が築けると、相手は自分の弱さも見せやすくなり、悩みや不安を素直に打ち明けるようになるでしょう。

頼りたくなる人のコミュニケーション術のすすめ

言葉には人の心を動かす力があります。そして、特に「相手を包み込む言葉」は、ただ元気づけたり評価したりするだけでは得られない親密さや安心感を育む力があるようです。普段の会話やサポートの場面で、相手の気持ちに寄り添い丁寧に受け止める姿勢は、小さな言葉遣いの積み重ねで作られるものと言えます。

「なぜか頼りたくなる人」は、無理に強がることもなく、相手の感情やペースを尊重しながら、自然に包み込む言葉をかけています。そんなコミュニケーションに触れると、人は心が軽くなり、安心して頼ることをためらわなくなるのです。

日常生活や職場、友人関係で相手が疲れていたり迷っていたりするときに、励ましや褒めることだけにとらわれず、「あなたの気持ちをわかっているよ」という包み込む言葉を意識してみてはいかがでしょうか。

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監修者：あゆ実社労士事務所

人材育成とキャリア支援の分野で約10年の経験を持ち、社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントとしても活動。
累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1面談制度の設計やキャリア面談シート作成などを通じて、組織の人材定着と成長を支援してきた。
新入社員向け「ビジネスマナー」「マインドセット」「ロジカルシンキング」研修やキャリア研修では、企画・コンテンツ作成から講師まで一貫して担当。
人間関係構築や部下育成、効果的な伝え方に関する豊富な実務経験を活かし、読者や受講者が一歩踏み出すきっかけとなる関わりを大切にしている。