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日産の経営再建の象徴「新型エルグランド」16年ぶり、“アルファード超”サイズで反撃、賛否の声「個性的すぎる」「迫力あった」

  • 2025.11.26
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(C)SANKEI【ジャパンモビリティショー2025】新型エルグランドとの記念撮影に応じる日産自動車のイバン・エスピノーサ社長

2025年10月末のジャパンモビリティショーで先行公開された日産の新型エルグランドが、16年ぶりのフルモデルチェンジで大きな話題を呼んでいます。「元祖プレミアムミニバン」として1997年にデビューし、一世を風靡したエルグランドの復活劇に、ファンの期待は最高潮に。

現行モデルは発売から約15年が経過しており、最近の登録台数は月150台程度に留まっていましたが、この新型で巻き返しを図りたいところ。日産の経営再建の象徴とも位置づけられる新型エルグランドは、まさに「失敗できないクルマ」なのです。

新旧比較で分かる驚きの進化ポイント

新型エルグランドの最大の武器は、第3世代e-POWERの搭載です。発電に特化した新設計の1.5L 3気筒ターボエンジン「ZR15DDTe」と、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機を一体化した「5-in-1 e-POWERパワートレインユニット」により、コンパクトかつ高剛性な構造を実現しています。

サイズ面でも大幅進化を遂げました。ボディサイズは全長4995×全幅1895×全高1975mmとし、現行モデルから20mm長く、45mm広く、そして160mm高くなりました。これはトヨタ「アルファード」の幅と高さをしのぐサイズとなっています。

価格は現行エルグランドの最安価グレードと比べ、約100万円高い500万円からのスタートが有力視されており、上級グレードは800万円を軽く超えると予想されています。

内装では国内モデルとして初採用となる、14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイが装備され、トヨタアルファード&ヴェルファイアで廃止された助手席オットマンが装備されるなど、ライバルを意識した装備が充実しています。

世間の声は賛否両論

新型エルグランドの発表には、SNS上で様々な反応が寄せられており、「実車は迫力があった」「心の底から欲しい」と称賛する声がある一方で、「デザインが個性的すぎる」「もう少し落ち着いたデザインの方が良い」という外装デザインへの辛口コメントも目立ちます。

また、「近年の業績悪化で日産ブランド自体が不安」「今の日産でクルマを買うのは正直不安」といった日産の経営状況を懸念する厳しい声も少なくありません。

日産が仕掛ける「美学の差別化戦略」の行方

新型エルグランドの真価は、アルファードとの「デザインコンセプトの明確な差別化」にあります。アルファードが「Forceful×IMPACT LUXURY」で突進するような力強さと圧倒的な存在感を追求するのに対し、エルグランドは「The private MAGLEV(リニアモーターカー)」をコンセプトに、スムーズで静かな品格を表現。

特に注目すべきは、日本の伝統工芸「組子」をモチーフにしたフロントグリルと、日本庭園の「間」と「整」の考え方を取り入れたサイドパネルです。インテリアでも「紫檀 -シタン-」という日本の美意識を象徴する新色を採用し、「組子」パターンのキルティングで統一感を演出しています。

これは「力強い存在感」vs「和の美学」という対立軸での勝負です。アルファードの攻めの豪華さに真正面勝負を挑むのではなく、茶道や華道に通じる「引き算の美学」で差別化を図った戦略は、日産ならではの強みといえるでしょう。

果たして「元祖プレミアムミニバン」は王座を奪還できるのでしょうか。その答えは、2026年夏に明らかになります。


ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析などを手がけ、実務に基づいた視点で精度の高い解説を行っている。