「モラハラに聞こえてしまう」かも…職場で意識したい“相手を傷つけない言葉遣い”とは？

2025.11.21

職場でのコミュニケーションは、働くうえで欠かせないものです。しかし、ちょっとした言葉の選び方や伝え方によっては「モラハラっぽい」と感じられてしまうことがあります。本人には悪気がなくても、相手が傷つきやすかったり、誤解を生みやすい言葉遣いをしてしまうケースは少なくありません。そんな声のやりとりが積み重なると、チームの雰囲気や生産性にも影響が出てしまうことがあるため、お互いに心地よいコミュニケーションを意識することが大切です。

今回は、知らず知らずのうちに相手を傷つけやすい言葉遣いに陥るポイントと、具体的に意識したい言葉遣いのコツをご紹介します。

「モラハラに聞こえる」言葉の特徴とは？気をつけたいポイント

まず押さえたいのは、モラハラっぽく聞こえやすい言葉にはいくつかの共通点があることです。例えば、相手の人格や能力を否定したり、命令口調や断定的な表現が多くなると、圧を感じる人がいるといわれています。

相手の失敗や足りない部分を強調しすぎる言い方
例：「どうしてそんなミスをするんですか？」
「～しなければならない」「～すべき」という断定的な表現
皮肉や嫌味に受け取られやすい表現
例：「さすがにこれくらいわかるでしょう？」
要求だけを押し付ける命令口調
例：「今すぐやって」

これらの表現は、たとえ仕事上必要な指示であっても、冷たく硬いイメージを与えやすいです。また、声のトーンや表情など非言語の要素も影響するとされていますが、言葉遣い自体が軋轢の原因になることも少なくありません。

さらに、相手の背景や性格を考えずに言葉を選ぶと、「言い方がキツい」「威圧的」と受け取られやすく、本人はその意図がなくてもモラハラ的なコミュニケーションと誤解されることがあります。

実際に意識したい！相手を傷つけにくい言葉遣いの工夫

では、どのように話せば誤解や傷つきを減らせるのでしょうか。ポイントは、相手への敬意を込めつつ「対話」を大切にすることです。具体的には次のような言い回しや心がけが考えられます。

指摘は具体的かつ事実ベースで伝える
例：「今回の報告書で数字の部分に誤りがありました。一緒に確認しましょう」
エビデンスや理由を添え、命令感をやわらげる
例：「こちらの進め方だと納期が遅れてしまう可能性があります。ご協力いただけますか？」
相手の意見や気持ちをまず受け止める言葉を入れる
例：「お忙しいところ申し訳ありませんが、ちょっと相談させてください」
「～してください」ではなく「～お願いできますか？」や「～してもらえると助かります」といった依頼形を使う
皮肉や嫌味は控え、感謝やねぎらいの言葉を添える
例：「いつも細かいところまで気をつけてくれてありがとう」

こうした配慮ある言葉遣いは、相手に気持ち良く働いてもらうためにも重要視されています。違和感に早めに気づき、言葉のトーンや内容を調整することで、『話しづらさ』を解消できる可能性があります。

また、相手がどう受け取っているか確認するために、時折「ここまでの説明でわかりやすかったですか？」と問いかけることも効果的です。意思疎通のすれ違いからの誤解を防ぐ工夫といえるでしょう。

心地よい言葉遣いで築く良好な関係に

職場での言葉遣いは、意図しないまま相手にきつく伝わることがあります。その結果、関係がぎこちなくなる場面もみられます。

具体的な言い換えや表現の工夫、そしてコミュニケーションの全体像を見直すことを意識すると、より良い職場環境づくりの助けになるかもしれません。お互いに心地よく仕事ができる環境は、誰にとっても望ましいもの。まずは小さな言葉遣いの変化から始めてみてはいかがでしょうか。

監修者：あゆ実社労士事務所

人材育成とキャリア支援の分野で約10年の経験を持ち、社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントとしても活動。
累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1面談制度の設計やキャリア面談シート作成などを通じて、組織の人材定着と成長を支援してきた。
新入社員向け「ビジネスマナー」「マインドセット」「ロジカルシンキング」研修やキャリア研修では、企画・コンテンツ作成から講師まで一貫して担当。
人間関係構築や部下育成、効果的な伝え方に関する豊富な実務経験を活かし、読者や受講者が一歩踏み出すきっかけとなる関わりを大切にしている。