『なぜか本音で話してもらえる人』は知っている…「わかるよ」でもでもない、“相手が安心する一言”とは？

誰かと話すとき、「わかるよ」と軽く返すだけでは、なかなか本音を引き出せないことが多いですよね。言葉は相手の心を開く鍵ですが、「わかるよ」という共感の一言だけで安心して本音を話してくれる人は意外と少ないもの。

それでは相手が安心して本音を話せる一言とは、一体どんな言葉なのでしょうか？本記事では、なぜか本音に触れられる人が使う言葉の秘密について、紐解いていきます。

「わかるよ」だけじゃ物足りない？ 真の安心感を生む言葉の深み

「わかるよ」という一言は、相手の話に共感したり理解を示したりするときに頻繁に使われます。心理学の一部研究では、単なる共感表現だけでは相手の心が開きにくいケースも指摘されています。なぜなら、「わかるよ」はあまりにも簡潔で、相手の抱える複雑な感情や状況を詳しく想像している感じが伝わりにくいためです。

本音を話してもらうことは、相手にとって心理的な負担を伴う場合があります。そのため「ここなら安心して話せる」と感じられる環境が重要になります。そのため、「わかるよ」と同時に、話している内容に具体的に触れたり、相手の感情に寄り添う言葉があることで、心の壁が下がるケースが多いことが指摘されています。

例えば、「辛かったよね」「それは大変だったね」といった具体的な共感や、『相手の感情を認める』言葉は単なる同意以上の安心感を生みやすいと言われています。

本音が溢れる“安心する一言”とはどんなもの？ 

では、安心感を感じさせる言葉とは具体的にどのようなものなのでしょうか？日常の対話やコミュニケーション研究から見えてきたポイントを紹介します。

• 話の内容に寄り添い、相手の感情を具体的に言葉にして返すこと
  例：「それを話すのは勇気がいるよね」「そんなに悩んでいたんだね」
  
  
• 相手を否定せず、そのまま受け入れる姿勢を示すこと
  例：「大丈夫、あなたの気持ちは大切だよ」「そう感じるのは自然なことだよ」
  
  
• “あなたが話したいことを大切にしています”という意思表示になる言葉
  例：「もっと話してくれていいよ」「あなたの言葉を聞きたいから」
  
  
• 無理にアドバイスや解決策を押し付けず、ただ受け止める言葉
  例：「今はどう感じているか教えてくれてありがとう」

こうした言葉は単なる肯定より深いところで相手の気持ちに届くため、相手は「否定されない」「理解者がいる」と安心できるのです。

心理学においても、「感情の反映」と呼ばれるテクニックはカウンセリングなどで大切にされていて、相手の話を聞く際にその感情を言葉にして返すことで信頼感の構築につながるとされています。このことが、話しやすい雰囲気を作り出すポイントの1つと考えられます。

言葉の力は想像以上！本音を引き出す一言で築く信頼関係

普段のコミュニケーションの中で「なぜか本音で話してもらえる人」と感じる相手は、単に「わかるよ」と言うだけでなく、相手の感情や体験にそっと寄り添う一言を自然に使っています。そしてそれは相手の話を注意深く聴く姿勢、温かい非言語表現とセットになって初めて安定した安心感となって現れるのです。

だからこそ、「わかるよ」に少し工夫を加え、「話してくれてありがとう」「その気持ちのままで大丈夫だよ」といった寄り添いの言葉を意識すると、人間関係により穏やかな深まりが生まれやすくなります。

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監修者：あゆ実社労士事務所

人材育成とキャリア支援の分野で約10年の経験を持ち、社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントとしても活動。
累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1面談制度の設計やキャリア面談シート作成などを通じて、組織の人材定着と成長を支援してきた。
新入社員向け「ビジネスマナー」「マインドセット」「ロジカルシンキング」研修やキャリア研修では、企画・コンテンツ作成から講師まで一貫して担当。
人間関係構築や部下育成、効果的な伝え方に関する豊富な実務経験を活かし、読者や受講者が一歩踏み出すきっかけとなる関わりを大切にしている。