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『なぜか人がついてくる上司』が使っている…「指示」でも「指導」でもない、“部下が動きたくなる言葉”とは?

  • 2025.11.19
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

職場で「部下がなかなか動いてくれない」「言ったことしかやらない」と感じる上司は少なくありません。そんな中で、「なぜか人がついてくる上司」はどんな言葉を使っているのでしょうか?単なる「指示」や「指導」といった命令口調ではなく、部下が自然に動きたくなるような言葉。今回は、そうした言葉の秘密に迫ります。

部下の「意欲を引き出す」言葉とは?

指示とは単に「これをやってください」と依頼すること。一方、指導は「こうすればいいですよ」と教えたり助言したりすることが多いです。しかし、これらだけでは部下の意欲につながりにくいケースもあるといわれています。なぜなら、部下は単に命令されるのではなく、意味や目的を感じて動きたいからです。ここに、動きたくなる言葉のカギがあるのです。

人が行動を起こす時、心理学の研究でも「動機づけ」が大きな役割を果たすことが示されています。動機づけがうまく機能すると、指示された以上の力も発揮されやすくなります。では、実際にどんな言葉が部下のやる気を引き出すのでしょうか?

まず注目したいのは、共感を含んだ言葉遣いです。単に「これをやれ」ではなく、「以前◯◯をやってくれたから、これまでの取り組みから、今回もきっと良い形にできそうだね」といった、部下の存在や努力を認める言葉が心には響きます。人は認められたいという欲求が働くため、これだけで動きたくなる気持ちが強くなるのです。

目的や意味を明確に伝えることも重要です。なぜその仕事が必要なのか、どんな影響があるのかが分かると、行動の納得感が生まれます。その結果、意欲が高まりやすくなるといわれています。単なる作業指示から一歩進んだ「仕事の意味づけ」が、部下の意欲を支えます。

実践例から学ぶ!部下が動きたくなる声かけ

では具体的にはどんな言葉があるのでしょうか?たとえば「君の視点が必要だ。こういう風に考えてもらえるとありがたい」という伝え方は、部下の存在を頼りにし、評価する気持ちを伝えています。こうした言葉は部下に『自分の役割がある』と感じさせ、やる気につながりやすいといわれています。

また、「今回のプロジェクトは〇〇さんの力がうまく活かせると思う。こういうやり方だと、結果に繋がりやすいから、やってみてほしい」といった伝え方も効果的です。これは単なる命令ではなく、部下の能力を尊重しつつ、具体的な成功の期待感も与える言葉です。

一方で「やっといて」「こうしろ」だけの命令的な言葉に比べると、部下の反応や態度は大きく変わります。実際にビジネスの現場でも、このような言葉遣いを意識した上司のもとで、部下の自主性や責任感が高まる傾向があることが報告されていることもあります。

ただし、動きたくなる言葉を使う際には、信頼関係があることが前提となります。日頃から部下の話をしっかり聴き、感謝や尊重の態度を見せることが大切です。また、言葉は一度きりでは効果が薄れる場合があります。継続的に部下を認めたり、対話を重ねたりすることで、言葉の力が積み重なっていきます。言葉と態度が一致した環境では、部下はより自発的に動きたくなるものです。

心が動く言葉で築く人間関係

「なぜか人がついてくる上司」が使っているのは、単なる命令でも教えでもなく、部下の心に寄り添い、意味ややりがいを伝え、対話によって主体性を引き出す言葉です。これらの言葉は職場の雰囲気にも良い影響を与え、持続的にチームの力を高める後押しになるでしょう。

このような声かけを意識することは、一朝一夕で変われるものではありませんが、小さな工夫と継続が人間関係を変える力を秘めています。ぜひ「指示」「指導」だけにとどまらない、新しい言葉の使い方を参考にしてみてください。


監修者:あゆ実社労士事務所

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人材育成とキャリア支援の分野で約10年の経験を持ち、社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタントとしても活動。
累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1面談制度の設計やキャリア面談シート作成などを通じて、組織の人材定着と成長を支援してきた。
新入社員向け「ビジネスマナー」「マインドセット」「ロジカルシンキング」研修やキャリア研修では、企画・コンテンツ作成から講師まで一貫して担当。
人間関係構築や部下育成、効果的な伝え方に関する豊富な実務経験を活かし、読者や受講者が一歩踏み出すきっかけとなる関わりを大切にしている。