1. トップ
  2. レシピ
  3. おいしい豚肉の「ランク」はどう決まる?牧場に弟子入りでお母さんブタから思わぬ攻撃!

おいしい豚肉の「ランク」はどう決まる?牧場に弟子入りでお母さんブタから思わぬ攻撃!

  • 2025.10.15

生き物相手でへとへと…な弟子入り

北海道を支える様々な職業のプロに一日弟子入り!
仕事の流儀やこだわりを探る仕事体験ドキュメンタリー!

HBC テレビで、毎週月~金曜ごご4:50~7:00に放送中の情報ワイド番組「今日ドキッ!」のコーナー「師匠!私を弟子にしてください」の取材をもとに、私、HBCアナウンサー・東峰優華が、気づきや北海道の魅力をプラスして、Sitakkeオリジナル連載でお届けします。

十勝地方の幕別町忠類(ちゅうるい)で放牧豚「どろぶた」の牧場に弟子入りした私。

前回、午前中の作業として小屋の清掃、エサやり、牧場の見回り作業を行いました。

正直もうヘトヘト…。
さあ、午後からは何をするかというと…「環境チェック」から!

「環境を整える」とにかく歩く…!

Sitakke

この牧場では、800頭のブタを成長具合や月齢によって複数箇所に分けて飼育しています。

中でも、生後100日以降のブタは月齢によって4つの放牧エリアで管理していて、エリア間は柵で区切られています。

しかし、まれにブタがいたずらで柵を壊して脱走したり、他のエリアに入り込んでしまったりすることもあるんです。

それを防ぐための電気柵が正常に動いているかを確認しに行きます!

この電気柵、その名の通り電気を通電させてブタが触れたらびっくりさせるような装置です。

電気柵!と聞くとちょっと危なくてこわそうな感じがしますが…
ブタが触れてしまっても、体にはなんの影響もありません。

ちょっとびっくりすることで、「この先にはいってはいけない」と学習してもらいます。

しっかりと電気柵に電気が流れているのかを、測定器を使って測っていきます。

Sitakke

見た目では何もわかりません。
そのため、柵がついていても電気が流れていないこともあるのです。

なんといっても、この牧場はエスコンフィールド7分面の広大な自然地帯です。
木が倒れて電線が寸断されていると電気がキレイに流れない、なんてこともあります。

こういった作業もブタを守るためには大切な作業です。
ここまで師匠が1人でやっているとは思いもしませんでした。

豚肉にはランク付けがない…??

Sitakke

こんなにもこだわりをもって豚たちを大事に大事にしている師匠。

ところで、牛肉には「A5」など聞きなじみのある等級がありますよね。
豚肉って、そんなランク付けを聞いたことがないような…

師匠にそんな疑問をぶつけてみました!

豚の一番の基準はずばり「体重」!!

Sitakke

豚肉には、極上から並までの4つのランクがあります。
肉質や見た目の基準もありますが、中でも大事なのは「重さ」とされているんです!

主においしさよりもコスパがいいかどうかに着目が置かれるといいます。

一般的には、出荷までの約4か月間、小屋の中で効率よくエサを摂取させてベストな体重を目指します。

といってもただ太らせればいいわけではなく、むしろ枝肉にしたときの重さには上限も定められています。

しかし、「どろぶた」を育てる師匠が求めているのは、この評価よりも味!!!

肉のおいしさにもこだわり、最高の赤身を生み出すために、自由に運動ができていつでもエサを食べることができる放牧飼育を通常の飼育期間の2倍である8か月間も行っているんです。

Sitakke

たくさん動いて筋肉がついた師匠の育てたブタたちは、身が引き締まっておいしいお肉に!

でも、コストをかけて丁寧に育てても、市場に卸して通常の評価で査定すると大きすぎて「等外扱い」になってしまうのだといいます。

そのため、師匠のブタたちは「直売」が基本。
時間も手間もかけておいしさにこだわり、直営や契約しているレストランやお店に出しています。

この日の最高気温は35.9℃。
少し歩くだけでも、尋常ではないほどの汗が噴き出してきます。
しかし、どんなに暑くても環境を整える管理作業は欠かす事ができません。

Sitakke

歩き疲れて、もう限界…。

すると師匠からは…「もう1個放牧の醍醐味の仕事があるんです」と!!

思わず「まだですか?」と聞いてしまいました(笑)

放牧の醍醐味第2弾!!

Sitakke

ということで、続いて師匠と向かったのは出産を目前に控えたお母さんブタのエリア!
体全体がなんだかより大きく見えます…やっぱり赤ちゃんがいるからでしょうか。

この中に間もなく出産するブタたちがいるので、小屋の中に移動させてあげなければいけないのです。

妊娠しているブタは小屋の外のエリアで生活します。
その後、出産が間近に迫ると個室に移動させ体調の変化を見守ります。

Sitakke

しかし!この作業、一筋縄ではいかないんです。

ブタとの呼吸を合わせなければできない、師匠でも難しい作業とのこと…!
果たして私にできるのでしょうか…!

まずは、入り口部分からお母さんブタを小屋に入れていきます。

小屋に移動させるお母さんブタには背中に印がついています。

ここから赤い板を使って、お母さんブタの視線を狭めながら小屋へと誘導していきます。

Sitakke

そもそもブタたちは、環境の変化にとてもストレスを感じる性格なのだそう。
つまり、「今いる場所から動く」ということも本来はいやがること。

なので少しでもストレスを感じないよう、気が散らないように板で横の視界をシャットアウト。
そうすると、小屋だけを目的にして歩けるのです!

今日1日、少しずつブタさんたちとの距離を縮めてきた私!!
ここは一発で成功させたいところですが…なかなかうまくできません。

早めに誘導してあげないと、動くこと自体がストレスになってその場から動くことさえやめてしまいます。
しかも相手は妊婦さん!
なおさらストレスをかけずに誘導してあげたいのですが…

ここでなんと、ブタさんからしっぽでチョップされてしまいました(笑)

Sitakke
猛烈な勢いでチョップ!!

痛すぎる!!
すごい勢いではたかれました…もしかして嫌われているのでしょうか。

びくともしないし見向きもされない!(涙)

Sitakke

その後も必死に小屋へと促します。

「お母さん、移動しよ~」

やさしく声をかけてみますが…見向きもされません!!(涙)

師匠にアドバイスをうけて「ほいほいほい!」といいながらお尻を叩いてみましたが…

どれだけ押してもうんともすんとも動く気配がありません…!
それもそのはず、体重は私の約5倍です。

板を使って力任せに小屋の方に向かって押してみると…

今度は板とは反対側に逃げていってしまいます。

誘導されるストレスと慣れた環境から離れたくない一心で相手にされず、ただ時間だけが過ぎてしまいます。

生き物を相手にするって本当に大変だ…

このまま移動が長引くとブタのストレスが溜まるばかり…
ここからはスタッフの亀田さんにも手伝ってもらいみんなで移動させることになりました。

Sitakke

さすが師匠と亀田さん。
お2人のお力を借りながら、どんどんと小屋近くにお母さんブタを誘導していきます!

私が1人で移動させるとブタの体の片側からしか誘導ができませんが、師匠、亀田さんと一緒に移動させると両方向から挟んで誘導できるためブタの逃げ道がなくなります。

でもそれだけじゃないんです!
師匠と亀田さんは次にお母さんブタがどこに足を向けて移動しそうか予想ができているんです!
私から見ると微動だにしないように見えたお母さんブタですが、師匠は少しの動きも見逃さずに、方向がずれないように先回りをして阻止できていました!!
すごい…!

Sitakke

3人がかりで声を掛け合いながらどんどんと小屋の近くまで移動させることができて、ついに小屋の入口へ。

個室に入れるまでおしりを叩きながら誘導していきます!
順調に進んでいっている…と思いきや!!

Sitakke
待って!

お母さんブタ、外につながっているドアの方向に曲がって進んでしまいました(涙)
広々している外に出たくなってしまいますよね。わかります。

でも、健康に元気な赤ちゃんを産んでもらうためにも小屋の中に入ってもらわなければ!!!

しかし、私のような素人では、どう頑張ってもブタを後ろ向きに移動させることはできません。
このままでは入り口から外に出てしまい、もう一度やり直し…。
それだけは避けたい…。

そんな私を見た師匠は走ってきて、まず入り口をふさぎます。

Sitakke

この日学んだのですが、実はブタは人が目の前に立つとそこから動くことはありません。
そこで、師匠は左右に少しづつ板を動かしながら、ブタをバックさせます。
「下がるよー」と声をかけながらちょっとずつお母さんブタを元の道に戻してくれました。

無事に軌道修正完了!!
自分の部屋へと入ってくれました!!

Sitakke

これで無事に出産の準備に入ることができます!
元気な赤ちゃんを産んでほしいです!
がんばれ!お母さん!

ようやくここで作業が終了…と思ったら、師匠からあるごほうびが!
そして、畜産の現場だからこそ受け止めるべき「いのちをいただく」現実も目の当たりにしました。
次回お伝えします!

【連載】「師匠!私を弟子にしてください!」

****

文|HBCアナウンサー 東峰優華
苫小牧市出身。2024年HBC入社。HBCラジオ「いっちゃんおいしいラジオ」などを担当。趣味はサッカー観戦(コンサドーレサポーター)、耳掃除、散歩。特技はスケート、ザンギ作り。Instagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年6月)の情報に基づきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる